HD PENTAX-D FA★85mmF1.4ED SDM AWで身近な動物ポートレートを撮る

2020-07-11

 「動物ポートレート」という言葉が世の中に存在するのかどうか分からないが、写真をやってる人ならだいたい意味は分かってもらえるのではないかと思う。

 85mmF1.4と言えば定番のポートレート向けレンズと言われているわけだが、それは人を撮るばかりではなく、犬や猫などの身近な動物たちを、ふんわりと浮き立たせて、ポートレート風に撮るのにも向いてるのではないだろうか?

 ほら、こんな感じだ。

すまし顔の犬PENTAX K-1改, HD DFA★85mmF1.4ED SDM AW, f1.4, 1/100sec, ISO200, 0EV
 15kg以上ある立派な中型犬なのだが、それでも人より全体的に小さいので撮影距離は近寄りがちになる。大抵の犬はそうだろう。

 85mmでポートレートというと4m前後の距離を取ることが多いそうだが、このくらいの感じに犬撮ろうとすると、1〜2mくらいになるのではないかと思う。家の中でも十分いける。
 

スフィンクスのポーズをする犬PENTAX K-1改, HD DFA★85mmF1.4ED SDM AW, f1.4, 1/100sec, ISO800, 0EV
 スフィンクスポーズもバッチリ決まっている。耳先を気にしてたら手先が欠けてしまったけど。

 動物の毛並みやヒゲなどは倍率色収差が目立ちやすいところだが、アウトフォーカス部も含めてほぼ完璧に抑えられている。とは言え、自分自身はフリンジに鈍感(ほとんど気にしてない)ほうなので「全くない」と言い切れるかあまり自信はないが(Lrのフリンジ低減はかけていない)。
 

じっと見つめてくる犬PENTAX K-1改, HD DFA★85mmF1.4ED SDM AW, f2.0, 1/125sec, ISO1600, 0EV
 何をしてるの? その変な機械は何? と見つめてくる。かわえぇ… なお瞳の中にはカメラを構える自分が写っている。

 AFポイントは左目に置いている。もちろん光学ファインダーで位相差AFだ。一段絞ったとは言えこの距離でバシッとピントが来るK-1改とDFA★85mmは素晴らしい。撮った瞬間は動いてないけど、いつ動くか分からないという点では動体撮影に近い速写は求められる。

 動物瞳検出? そんなものは要らないよ!(強がり)
 

丸まって眠る犬PENTAX K-1改, HD DFA★85mmF1.4ED SDM AW, f1.4, 1/100sec, ISO400, -1.0EV
 なぜ人は寝顔にカメラを向けてしまうのだろう? いや、かわいいからか。

 とにかくこのレンズはボケが綺麗でピント面はシャープで、コントラストもあって抜けが良くて色収差もなくて、AFは決まるし周辺光量もたっぷりだ。なんなら過去記事含めて、このレンズで撮った写真には味わいを出すためにわざとLightroomで周辺減光を足していたりもするくらいだ。
 

振り返る犬PENTAX K-1改, HD DFA★85mmF1.4ED SDM AW, f1.4, 1/100sec, ISO400, 0EV
 85mmF1.4が使いたくて写真を撮りまくっていたら、「また撮るの?」と半ばあきれ顔をされてしまう。それがまた良い! かわえぇ…
 

 さて、犬に呆れられたところで、今度はちょっと外に出てみよう。

クロネコPENTAX K-1改, HD DFA★85mmF1.4ED SDM AW, f1.4, 1/1600sec, ISO100, 0EV
 ほらいた! 右耳が少し欠けた黒いノラ猫さん。だいぶ人慣れしているようでそーっと近づけば逃げたりしない。

 猫の場合は犬よりさらに小さいことが多いのだが、全身ショットを撮るには85mmはちょうど良い感じで距離感も保てる。
 

水たまりとネコPENTAX K-1改, HD DFA★85mmF1.4ED SDM AW, f1.6, 1/2500sec, ISO100, -0.3EV
 さらに少し歩いてみると、また別のノラ猫さんに出会った。この子は少し人を警戒しているようだ。ギロッと睨まれてしまった。な、何もしませんからどうかお構いなく…。
 

ネコPENTAX K-1改, HD DFA★85mmF1.4ED SDM AW, f1.4, 1/2500sec, ISO100, 0EV
 最終的になんとか許してもらえたようだ。というか、無視することに決めたようだ。綺麗な顔をしているが、やはり野良らしく耳が欠けている。それなりに苦労して生きているのだろう。

 どうやらこの子達は釣り人達からいつも餌をもらしく、釣り人達の動向を監視しているところだったようだ。だからカメラを持った人間はガン無視なのだ。だからむしろ撮りやすかった。
 

箱座りするクロネコ>PENTAX K-1改, HD DFA★85mmF1.4ED SDM AW, f1.4, 1/2000sec, ISO100, -0.3EV
 スフィンクスのポーズ。こちらはさっきの黒と違って喉が白い。そしてやっぱり右耳が欠けている。

【7/11追記】
 野良猫は不妊手術を施したときに雄は右耳、雌は左耳を少し切って目印としているそうです。なのでこの子達は避妊手術済みの雄ノラということだそうです。

 
 見ての通り、これらの写真は猫の目線までカメラを落とすために、ほとんど地面に置いてライブビューで撮った。重たくて大きなレンズだが、わりとローアングル向きだ。かえってとてもよく安定する。K-1改のコントラストAFもそこそこ快適に作動する。もちろん本当ならOVFで撮りたいところだ。
 

クロネコPENTAX K-1改, HD DFA★85mmF1.4ED SDM AW, f2.0, 1/1250sec, ISO100, -0.3EV
 ということで、犬編も含めて今回はF1.4〜2.0くらいの範囲で撮った。ピント面が薄くなりすぎてボケボケに見えてしまうかと思ったが、それほどでもない。

 ただ、右目に合わせると左目は深度を外れるし、なんなら目玉に合わせるか、まぶたに合わせるか、あるいは内側か外側か、「目」と一言でいってもどこに合わせるかで全然印象は変わるという、恐らくポートレートの世界では当たり前のことを実感できた。

 それにしても85mmF1.4となるとボケ量がスゴいし、しかも綺麗だ。トロトロにボケるというのはこういうことなのか!と改めて感動する。70-200mmF2.8とも違うし、50mmのF1.4ともやっぱり違う。そう言えばFA77mmF1.8がこれに近かったかな?と思い出したところで、なるほどこの焦点域の大口径レンズの風味なのか、と改めて気がつく。

 うーん、何を撮ればいいのか分からないまま買ってしまったレンズだが、これは嵌まってしまったかも知れない…。
 


 

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