Image Sync V2.1.0 がリリースされてようやくRICOH GR3は完成した

2019-12-11

 GR3が発売されたのは今年3月のことだ。それからもうすぐ9ヶ月。今月に入ってようやく使えるようになった機能がある。それはBluetoothによるスマホとの常時接続機能だ。

iPhoneとGR3

 他社ではもはや珍しい機能ではないし、GR3本体はハードウェア的にもファームウェア的にもサポートされていた。しかも隠し機能ではなく、製品発表時から堂々とスペックに書かれ、メニューにもBluetoothの設定項目はすでに存在した状態で出荷されていた。

 しかし肝心のスマホのアプリ Image Sync 側の対応は発売に間に合わないどころか、8ヶ月以上経ってようやくアップデートし、GR3のBluetooth対応がされたのだ。


 そう、ようやくGR3はフル機能を発揮できるようになったのだ!
 

GR3 Bluetoothメニュー

 まずは必要な設定を確認してみる。GR3側の「Bleutooth設定 > 動作モード」メニューから「電源オフ時も接続する」に設定した。

 こうすることで、GR3をカバンの中に入れたまま(当然電源OFFで)でも、スマホからBluetoothを経由してWi-Fi起動して接続しすることが出来るようになる。
 

Image Sync 接続画面 Image Sync Wi-Fi切替画面 Image Sync 画像一覧

 アプリ側はこんな感じだ。実際はもう少しステップが多いのだが、要所だけ抜き出してみた。やることと言えば、ImageSyncを起動し「ペアリング済みのGRIIIと接続する」を選ぶだけだ。

 途中確認ダイアログが1回出るだけで、Wi-Fiに自動接続してくれる。スマホが他のWi-Fiにつながっていても、設定にいくことなくバックグラウンドで切り替えてくれる(iOS13の場合)。つまり、スマホの操作だけでGR3への接続が完結するのだ。これこそがBluetooth接続の恩恵であり、やってみたかったことだ。

 転送速度はあまり速くないがK-1などPENTAXブランドのカメラよりは数倍早い。転送した画像はそのままカメラロールに保存される(iOSの場合)。
 

GR3 スマートフォン連携メニュー

 さらにもう一つ、Bluetoothが使えるようになって可能になった気になる機能がある。それは位置情報記録だ。スマホ側が持つGPSの位置情報をカメラ側に転送し、撮影画像にジオタグを付けるもの。これをやってみたかった。

 この機能を使うにはカメラ側で「スマートフォン連携機能」メニューから「位置情報の記録」をオンする必要がある。そして同時にアプリ側でも「位置情報の記録」をオンに設定する必要がある。

 ただ、この機能はGR3とスマホを明示的に接続しないと機能しないようだ。つまり、ImageSyncで一度接続する必要がある。何もしないで放っておくだけでは機能しない。

GR3 位置情報マーク

 位置情報の連携が有効になると画面上部のBluetoothマークと並んでGPSマークが点灯する。こうなっていれば、その後の撮影画像にジオタグが付加される。
 

位置情報のマッピング

 先日六義園に行った時に使ってみた。撮影中ずっと繋ぎっぱなしにするわけにもいかず、時々気がついたときに ImageSync を起動しつつ撮影した。

 上のスクリーンショットでオレンジ色の数字マークがある位置で写真が撮影されたことを示している。位置情報の更新頻度はかなり低く、移動軌跡を描けるほどではない。やはりK-1のようにGPSが内蔵されているカメラとはだいぶ違う。

 手間を考えると、おまけ程度の機能と思って割り切った方が良いかもしれない。

 なお、他にリモート撮影機能については、自分の用途では使うことはないので試していない。

Bluetooth対応はなぜ8ヶ月も遅れたのか?

 以下は愚痴だ。

 思い起こせば3月の発売時点で Image Sync はGR3とのWi-Fi接続にすら対応していなかった。4月末になんとかWi-Fi接続だけは出来るようになって、そこからBluetooth接続が出来るようになるまでさらに半年以上待つこととなった。

 中の開発体制がどうなっているかは分からないし、この遅れにどんな理由があったのかは一ユーザーとしては知るよしもない。

 スマホ連携機能についての仕様が決定され、回路を設計し、筐体やプリント基板を設計し、ファームウェアを開発し、部品を調達し、試作してテストし… という製品開発の流れの中で、いったいスマホアプリの開発はどう位置づけられ、本体開発とどうリンクしていたのだろうか?

 何かが間違っていることは確かだと思う。

 遅れ幅もさることながら、まるでGR3にはそんな機能は初めからなかったかのようにしれっと発売し、リリース見込みについてのコメントも何もなかったことにモヤモヤしたものを感じる。というか、今後のことが心配で心配でならない。

 でももうこの件についてこれ以上グチグチ言うのはやめよう。とにかく出来るようになったのだから。
 

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