最近野鳥に嵌まっているのだが、その一番大きな要因は近所にカワセミが現れることを知ったからだ。現場は住宅街の親水公園で野鳥スポットとしては距離が近い。しかし相手は小鳥であり、水中ダイブする際は目にもとまらぬスピードなので、当然望遠に強く連写も速くAFが強く高感度が使える機材が必要だ。
となると、手持ち機材の中では当然K-3 Mark IIIがもっともカワセミに向いている(もちろん世の中のベストではないけれども)。それでもまだ枝に佇んでいる姿しか撮れたことはないのだが、そこは経験と腕の問題だろう。
ただ、ちょっと思うところあって敢えてK-1 Mark IIを持ってカワセミスポットへ出かけてみた。連写も遅くバッファもあっという間に一杯になる。AFもなかなか厳しいだろう。でも、枝に止まっている姿を撮るなら十分なはずだ。
PENTAX K-1 II SE, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f5.6, 1/500sec, ISO800
ほら、やっぱり撮れた! 静止している姿ならどんなカメラでも撮れるのは当たり前か。
慣れているせいかRAWデータを触っていても苦労することなくしっくりくる。日陰でもホワイトバランスも発色も安定していてエメラルドグリーンの発色が綺麗だ。
PENTAX K-1 II SE, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f5.6, 1/1000sec, ISO1250
今までよりも高いところから水面を眺める雌のカワセミ。高感度はK-3 Mark IIIの方が少し強いと言われているけれども、このくらいの領域では差は感じられない。というか、すごくシャープだしノイズも消しやすくて綺麗だ。
PENTAX K-1 II SE, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f7.1, 1/400sec, ISO1000
漁から戻ってきて獲物を飲み込んで一息つき羽をバタバタさせて水を切る姿。動きはあるけれども動いてないからK-1 Mark IIでもちゃんと撮れる!
PENTAX K-1 II SE, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f5.6, 1/1000sec, ISO3200
漁の瞬間、何となく見られる状態で偶然写っていた一枚。水面にダイブして戻ってくる姿だと思うが、何も咥えていないので失敗したのだろう。
写真としてはどうにもならないが、飛んでる姿を撮ることができてちょっと嬉しい。
動いてる状態でシャッター切った場合、ほとんどはこんな感じだ。もう本当にどうにもならない。SharpenAIやらPureRAWやらPhotoshopを駆使しても無理だ。でも、フレームに入ってる率がそこそこあるだけでも偉いと自分を褒めたい。
PENTAX K-1 II SE, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f5.6, 1/1000sec, ISO3200
この日は何度も何度も漁をする様子を見せてくれた。この時は大きな枯れ葉を咥えて戻ってきて失敗かと思われたのだが、良く見るとちゃんと小魚も咥えている。しばらく困ってる様子だったが、このあとジタバタしながら器用に葉っぱを外して魚だけ食べていた。カワセミは見ているだけでも飽きない。人気がある理由は色が綺麗なだけではないのだろう。
PENTAX K-1 II SE, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f5.6, 1/500sec, ISO500
PENTAX K-1 II SE, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f5.6, 1/400sec, ISO200
もう今日はたっぷり撮ったから終了と思いつつ、念のためもう一つのカワセミポイントに移動してみると…… やっぱりいた。こっちは雄のようだ。比較的木の奥の方にいてじっと休んでいる。なんとか枝被りが最も少ないポイントを見つけることができた。時々謎のポーズを取るのがかわいい。
近くにいた同業者は「もうすぐ出てきて漁を始めるはず」と言っていたが、その願いも空しく何もしないまま飛び去ってしまった。残念!
PENTAX K-1 II SE, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f5.6, 1/1000sec, ISO800
PENTAX K-1 II SE, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f5.6, 1/1000sec, ISO800
その他にもコサギとかハクセキレイを撮ってみた。コサギはともかくハクセキレイはひょこひょこと移動し続けるので、追いかけ回すのはけっこう大変だった。
と言うことで、当たり前ではあるけれどもK-1 Mark IIでもカワセミはじめその辺にいる身近な野鳥たちはそれなりに撮ることができる。じっくり現像に手間を掛ければトリミング前提で450mm程度でも何とかなる。一番の問題はバッファ詰まりが早く開放が遅いことだ。おかげで無駄ショットが増えなくて良いのだけど。
撮影結果については、個人的な思い込みや好みが多分に影響していることを含んだ上で、K-1 Mark IIの絵が一番好きだ。重たいことに目をつぶればDFA 150-450mmとの相性もとても良く、シャープネスも発色もホワイトバランスもコントラストも何もかも含めて、K-1 Mark IIのRAWデータはとても懐が深くて後処理もしやすいような気がしている。
でもだからと言って今後も野鳥撮影にK-1 Mark IIを持ち出すつもりはない。上記したことはK-3 Mark IIIの軽快感とスピードを犠牲にするほどのことではない、というのも事実だから。やはり適材適所が一番だ。