Nikon Z 5 + NIKKOR Z40mm f/2 で正月明けの写真散歩

2023-01-16

 昨夏にRICOH GR IIIxを手に入れてからすっかり出番がなくなっていたNIKKOR Z40mmf/2を久しぶりに使ってみた。手に入れたばかりの頃は「GR IIIxごっこ」と称して遊んでいたが、本物のGR IIIxを使ってしまうと両者は似て非なるものであることに気がついた。当たり前のことなのだが。

 もちろんフルサイズミラーレスで手軽に使える40mm単焦点レンズには、逆にGR IIIxにはない良さがある。ボケ量が豊富であることはもちろんだし、グリップをしっかり握ってEVFを覗き込みながら撮る40mmの画角は、それはそれで使っていて楽しい。

 「カメラに撮らされた」とか「カメラが撮ってくれた」とか「偶然撮れた」ではなく、なぜか分からないけれど「オレが撮ったんだ」感が得られるとことが良い。Z 5にこのレンズを組み合わせると、そういう満足感がとても気軽に簡単に得られる。

 ということで、久しぶりにお手軽フルサイズミラーレス単焦点キットで散歩に出かけてみた。

富岡八幡宮Nikon Z 5, NIKKOR Z 40mmF2, f6.3, 1/8000sec, ISO1600
 家を出るときはそんな気はなかったのだが、途中で気が変わり気がついたら地元の氏神様、富岡八幡宮の前に立っていた。年が明けて1週間経っているが初詣でもしておこう。

 以前はそれでも松の内の間は大混雑していたものだが、この日は天気の良い週末にかかわらずわりと閑散としていて、すぐにお参りできた。まだあの事件の余波は続いているのかも知れない。

 なおISO1600に設定されているのはミスだ。しばらく気がつかずに撮ってしまったが、光がたっぷりあるので撮れた絵にほとんど問題は感じない。最近のデジタルカメラはすごい。
 

深川七福神Nikon Z 5, NIKKOR Z 40mmF2, f2.0, 1/8000sec, ISO280
 富岡八幡宮の境内の端っこ、普段は閑散としている末社が建ち並ぶ一角。ここは深川七福神巡りのコースに入っているので綺麗に飾り付けがされポツポツと参拝者がいた。

 なおまだ露出がちょっとおかしい。何が起きてるのかよく分からずしばらく混乱した。もう手にしてから2年が経つというのに、まだZ 5のことをよく分かっていない。
 

富岡八幡宮の参道Nikon Z 5, NIKKOR Z 40mmF2, f16, 1/10sec, ISO100
 参道には的屋が出ていた。こういう風景はその昔昭和の頃なら毎週末地元の商店街でも見られたものだが、今は神社のお祭りなどでしか見かけない。現代の子どもたちにはより魅力的に見えているのかも知れない。

 なお右に見切れている屋台に「大分」の文字があるのは、ここが「八幡宮」だからではないかと思われる。
 

富岡八幡宮の御神輿Nikon Z 5, NIKKOR Z 40mmF2, f2.0, 1/8000sec, ISO1100
 江戸中期の伝説の豪木材商、紀伊国屋文左衛門が富岡八幡宮に三基もの大神輿を奉納したのは、この深川に暮らしながらも地方出身のよそ者として村八分にされていた悔しさから、氏子の一人として深川の人々に認めてもらうためだった、という説を読んだことがある。多分フィクションだと思うが、本当にそうだったら面白い。

 その紀文の神輿は残念ながら関東大震災で焼失してしまったが、平成になってから新たに某運送会社のオーナーから寄贈された新しい大神輿がガラス張りの保管庫に鎮座して展示されている。この神輿は装飾にも贅が尽くされているが、何しろ巨大すぎて神輿として担がれることはないだろうと言われている。

 担がれることのない神輿というのはいったい何なのか?と考えてしまう。富岡八幡宮は間違いなくこの深川の中心であり、400年にわたるこの地域の歴史の原点であるのは間違いない。そこに鎮座する担がれることのない巨大神輿は、バブル時代の狂乱が残した財産なのか?実は負債なのではないか?

 もちろん現代まで受け継がれた宮大工の手による工芸品としては素晴らしいものであり、行く度にしばし見入ってしまうのだが、良いものを見たという満足感よりは、そんな不安な気持ちがどうしても拭いきれない。
 

0.2secNikon Z 5, NIKKOR Z 40mmF2, f2.8, 1/6400sec, ISO100
 初詣を終えて北の方に足を進める。七福神の中でももっとも人気がある弁財天の近くにある M16 Gallery で、F1カメラマンとして超有名な熱田護さんの写真展「0.2sec」が開催されていたので、ちょっと覗いてきた。

 しかしどうやらこの日はお昼頃にトークイベントが行われていたようで、椅子の片付けが行われていたとともに、奥の方はとても混雑していたので、無理せずにまた後日再訪することにした。

 というかこんな場所にいつの間にかこんなギャラリーが出来ていたなんて!
 

早咲きの河津桜Nikon Z 5, NIKKOR Z 40mmF2, f5.6, 1/800sec, ISO100
 木場公園横の河津桜並木では一部の木で開花し始めていた。多分今咲いているのは河津桜ではなく別の種類かと思われるが、詳細はよく分からない。

 例年これらの超早咲きの桜がほぼ散りかけた頃、いわゆる普通の河津桜が咲き始め、それが終わりを迎える頃に今度はソメイヨシノが咲き始めるはずだ。そう考えると桜の時期は結構長い。

 なおこの写真はピンボケした失敗作ではない。小さい画面だと見えないかも知れないが上空を飛ぶ飛行機にわざとピントを合わせて前ボケにした。F2だとボケすぎてなんだか分からなくなりそうな気がしたので絞ったのだが、ちょっと中途半端でやっぱりピンボケ写真にしか見えないかも。
 

蝋梅Nikon Z 5, NIKKOR Z 40mmF2, f2.8, 1/1600sec, ISO100
 蝋梅もすでに開花している。桜は気が早いとしても梅はそろそろかもしれない。そのうち亀戸天神の様子も見に行かなくては。
 

山茶花の花びらNikon Z 5, NIKKOR Z 40mmF2, f4.0, 1/200sec, ISO100
 一方で山茶花はそろそろ終わりのようだ。花びらが散っている様子を見かけるようになってきた。地面に落ちた鮮やかな花びらの方が咲いている姿より綺麗に見えてしまう。
 

ミモザの葉Nikon Z 5, NIKKOR Z 40mmF2, f4.0, 1/200sec, ISO100
 木場公園に1本だけあるミモザ(ギンヨウアカシア)の木の様子も見てきた。繊細な形状をした葉っぱが美しい。全体的にうっすらと黄色味がでていて、蕾が育ちつつあるようだ。隣には早咲きの桜の木があってピンクと黄色の競演を楽しむことが出来る。咲くのが楽しみだ。
 

ハトNikon Z 5, NIKKOR Z 40mmF2, f6.3, 1/800sec, ISO100
 手すりに並んだハトの影。野鳥としてのドバトにカメラを向けることはほとんどないが、街の風景の一部としては良い被写体だ。
 

1月の夕焼けNikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mmF4 S(89mm), f8.0, 1/1250sec, ISO100
 タイトルに反して↑この最後の1枚だけは40mmではなく24-120mmを使ってしまった。

 ということで、年末年始休みはあっという間に過ぎ去り、お正月の空気もほぼ消え去ってしまった。この間、東京は晴天続きで夕焼けも毎日とても綺麗に見られた。ただし、冬至も過ぎたので日没はじわじわと遅くなりもうすぐ17時を超えるだろう。

 北国には雪も降ってるようだし、東京の気温も比較的冬らしく冷え込んでいるが、春は確実に近づいてきている。でもその前に、個人的には2018年以来の、東京の交通機関が停止するくらいの大雪を久々に期待している。
 


 

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