機能と性能はZ 9のまま小さく軽くなったNikon Z 8を予約した

2023-05-14

 5月10日にようやくNikon Z 8(以後機種名はスペースを省いて”Z8″などと表記する)が発表された。どんな製品なのかはニコンイメージングの公式製品ページを始め、各レビューサイトやYoutubeなどでいろいろ言われているが、ざっくり一言でまとめるとこのエントリーのタイトルのようになる。

 「そのまま」というのは文字通りではなく、実際のところいろいろと差はあるのだが思っていたよりは違いは少ない。だからリーク情報なども混乱していたのだが、実際に製品詳細が発表されてからも、どういうコンセプトの製品なのか理解するまで少し時間がかかった。

 「まさにこういうカメラが欲しかったのだ!」などとは言えない。正直言って第一印象はコレジャナイ……だった。特に公式の発表動画を見たときは。

 なお↑この動画はそれほど見る価値はない…… と個人的には思う。出演されているクリエーターの方々は何も悪くないけれども、Z8がどういう製品なのかはこれではよく分からない。Z8は旧来の静止画中心のニコンファンたちを相手にしていないのか? それはそれでも全然かまわないのだが。

 いずれにしろリーク情報でしきりに言われていた「Z8はミニZ9である」という言葉が、こういう意味だと思っていなかった。F5に対するF100、D3に対するD700、最近で言えばD5に対するD850みたいな、プロ仕様に対するハイアマチュア仕様機として、削るところは削り盛るところは盛る、みたいなメリハリとヒエラルキーがあるのかと思っていたら、Z 8はそのまま文字通り「小型化したZ9」だった。なんで!

 もちろん小型化のために犠牲になっていることはある。電池容量とかボディ外装素材とかGPS非搭載とかとか。それでもサイズがZ7II / Z6II / Z5クラスだったら、他社比も含めて「これはすごい!」と分かりやすかったかもしれない。しかしZ8はZ9と比べると小さくて軽いけれども、一般的なフルサイズミラーレスカメラとしてはわりと大きくて重い。そしてわりと高い。なんでなんで!
 

ニコンプラザ東京 Z 8体験会の垂れ幕

 だから製品発表のYoutube配信を見ているときは「これはナシだろう」という気持ちになっていたのに、なぜか1日半経って予約開始日の5月12日になると、予約購入のボタンをポチッと押していた。

 最近はPENTAXを始め、どのメーカーのどのカメラにも「コレジャナイ」と言い続けていて、このまま永遠にそう言い続けることになるのではないか?と恐れたから、と言うとこの高額製品を買う理由としては不足に聞こえるかもしれないが、実際そんなに遠くはない。

 ベタな言い方をすれば、ベストではないけれどベターを選ぶなら(ベタだけに)(やかましいわ!)大きさ重さ高さを妥協してZ8しかないのだな、と諦めがついた。中身はほぼZ9だから機能や性能の点で不足はまったくない。コンセプトやロマンを重視して、実用性能にかなりの妥協をしてきた身にとっては、Z9に限りなく近いこのカメラに手を出すのはかなりの冒険となる。それも前向きな意味で。


 なおお値段に関して言えば、ニコンダイレクトやカメラ系の家電量販店では約60万円弱。前者の場合はいろいろなおまけや3年間の保証がつくし、後者は10%のポイントがつく。その他カメラ専門店では約54万円弱になっていて、上に貼ったAmazonは微妙に少し高い(このクラスのカメラは普通Amazonでは買わないとは思うが)。

 いずれにしろ全然安くないというより、カメラとしては自分にとって過去最高額の買い物となるのだが、ここまで待ったのだからZマウントの最新鋭機(とは言え中身は最新鋭ではないけれど)を試してみようではないか。カメラに撮らされる、カメラが勝手に撮ってくれるという贅沢を味わってみよう。
 

体験会で触ったNikon Z 8

 と言うことで、すでに予約注文したあとなのだが、遅ればせながらニコンプラザ東京へ実機を触りに行ってきた。Z8体験会は事前予約制で、ちょうど日曜日の日中の枠を取ることができた。本来ニコンプラザ東京は日曜日はお休みなのだが、体験会だけ行われていた。

 そして実物を手にした最初の感想は「重たっ!」だった。先が思いやられる。

 しかし持ち上げてしまえばとてもグリップは良いし、操作性もいい。電源ONからの起動も速く、EVFと背面LCDの切替も速い。ファインダー像も大きくてとても見やすいし、リアルライブビューも実のところはじめて体験したのだけどこれはすごい。電子シャッターなのでシャッターショックもなく、右のグリップの辺りから鳴る疑似シャッター音には笑ってしまうけれども。

 一部Youtuberの方が言っていた「撮ってる感がまるでない」はその通りだなと思った。無駄にシャッターを切ることが増えそうでデータ量と選別作業を考えると今から怖い。
 

Nikon Z 8のペンタ部

 頭でっかちで四方に切り立ったペンタ部もデザイン的に微妙だなと思っているのだが、これもZ9と同じなのだろうか? まぁ、機能と性能の素晴らしさにすべて免除しようという気持ちになっている。もともとNikonのカメラで格好良かったカメラなんてF3とFAとF-801くらいだろう(個人の好み)。

 レンズは一通り用意されていたのだが、50mmF1.2とMC100mmF2.8と24-200mmを試してみた。なお体験会において各レンズは1本ずつしか用意されていないみたいで、人気レンズは5人で取り合いになるので、どうしても試したいレンズがある場合は早めにお願いした方が良い。

 50mmF1.2は馬鹿でかくてクソ重かった。しかし説明員のお兄さんは「それつけるとバランスがとても良いんですよ」とポジティブな発言をする。うん、確かにバランスは良い。こう言うレンズ使うときはこのくらい重たくないと人間がダメになるのかもしれない。欲しい。

 対してMC100mmF2.8は軽かった。ガワはそれなりに大きいのだが重量は拍子抜けするほど軽くてビックリした。近距離にピントを合わせると絞り値表示が実効値になるのが面白い。けどいろいろ絞り設定について頭が混乱しそうだ。このレンズも欲しい。それもかなり具体的に。50mmF1.2ともども値上がりしてしまうのが残念だが今すぐというわけにはいかない。

 24-200mmは久々に触ったがこのレンズもとても良い。Z8に組み合わせるとややヒョロッとしていて細長さが目立つが、使い心地はもちろん悪くない。レンズ内手ぶれ補正との協調動作でレンズ内手ぶれ補正もあってファインダー像はビタビタに止まるし(ボディ側との協調動作はこのレンズではサポートされていないらしい)、クロップが実用的に使えるZ8(やZ9やZ7II)ではよりこの望遠端の長さが生きてくるだろう。買い戻すつもりはないけいれどこれは良いレンズだ。
 

Nikon Z 8のカタログ

 そんなこんなで15分はあっという間に経過した。体験会参加記念にボールペンとカタログをもらった。

 ネットの時代にこんなにページ数も多くてしっかりした紙に印刷したカタログを用意してあるとは。昔のように店頭でもあまり配布していないかもしれないが、機会があったら手に取ってみて欲しい。ニコンの本気がうかがえる。もちろん ここ でPDFでも配布されている。
 

 ということで、今のところZ8は発売日の26日に手に入るはずだ。もう2週間もないではないか。自分にとって久々に手にするALL NEWなカメラなのでとても楽しみだ。大きさ重さを乗り越えて手に馴染むように、自分も心を真っ白にして初心で向き合いたいと思う。
 

Z100-400mm の箱

 そんな新しいカメラを迎えるに当たっていろいろ準備しないといけないのだが、いきなり↑こんなことになっている。これについてはまた別途エントリーする予定だ。
 

2023-05-14|タグ: , ,
関連記事

コメント4件