多分なのだが2年ぶりくらいに羽田空港の展望デッキに写真を撮りに出かけてきた。羽田は大空港のわりに展望デッキから飛行機や滑走路への距離が近く、普通に飛行機を撮るなら、それほど長いレンズがなくてもそれなりに楽しむことは出来る。
いろいろな距離にいろいろな大きさの飛行機がやってくるので、むしろズームレンズであることはほぼ必須といっても良いところだが、そこを敢えて600mmの単焦点1本だけ使ってみることにした。不便を楽しんでみよう。
第二ターミナル
良く晴れた日の午後、まずはANAグループが使用する第二ターミナルの展望デッキへ。広々しているしスポットインしている飛行機がすぐ目の前に見える。海側のC滑走路も近く、東京湾とその対岸や東京湾岸の町並みを背景に飛行機を眺めることができる。
AIRDOのロコンジェットが離陸していった。かわいい。行き先は札幌だろうか?旭川だろうか? このぐらいの距離で767が相手だとほぼトリミング不要だ。
誘導路をやってきたB737。これは最近デビューしたアクアフレッシュ塗装(本当は万博仕様)だ。これもかわいい。
34Rに着陸してC滑走路を離脱してきたばかりのJAL A350-900。赤いロゴ入りの初号機だ。JALのA350は気がついたらもう就航から5年以上経っている。個人的にA350の中でもこれまでの搭乗回数がもっとも多い機体だ。そろそろスペマも剥がされる日が近かったりするのかもしれない。
さすが600mmもあるとかなり遠い誘導路上の機体も十分に大きく写せる。ただし地上付近は真冬のこの時期でも日中は空気の揺らぎの影響を受け、ちゃんと解像させることは難しい。これは比較的マシな瞬間だと思う。
そして目の前のスポットに入ってきたANAのB777の機首。こうなるともうどこを切り取るか?という世界になってくる。リベットの一つ一つ、塗装の傷や、下手したらパイロットの顔まで分かってしまいそうなくらいだ。
せっかくの空港展望デッキからの撮影なのだから、空港でしか見られないものも撮りたい。となればグラハンスタッフの人々と働くクルマたちだろうか。貨物の積み下ろしなどは見ているだけでも飽きない。
飛行機が到着してスポットインすると、ワラワラとグラハンの人々がノーズギア周辺に群がってなにやら作業を開始する。これはB767の機首下にあるコネクタに何かケーブルを差し込もうとしているところ。
給油のトラック。詳しくは分からないが、多分地下にあるタンクから燃料を吸い上げて翼下にある給油口に送り込むポンプ車みたいな感じなのだろうか。近すぎて600mmでは全体像が写らない。ズームアウトしたい……
と迷いながら中途半端なところを切り取ってしまう。撮るなら翼側だっただろうか。また次の宿題としたい。地上作業の様子ばかり撮るというのも面白そうだ。
羽田第二展望デッキから撮ることができる典型的飛行機写真は、やはり34R離陸機と東京スカイツリーの絡みだろう。ただし多くの国内線の機体は離陸が早くて東京スカツリーに被ることなくはるか上空を飛んでいく。狙い目は長距離国際線の燃料をたっぷり積んで重たい飛行機だ。
なかでも超レア機となってきたルフトハンザのB747-8iはちょうど良い…… いや、思ったより低かった。600mm単焦点だと保険で広めに撮っておいてあとで良い感じにトリミングするなんてことができない。単焦点は難しくて面白い。
第一ターミナル
続いてJAL側の第一ターミナルに移動した。無料巡回バスは旅行者優先ということで遠慮し(実際週末はとても混んでいる)、京急線の駅脇の地下の連絡通路を歩いて行く。この通路は両ターミナルのほぼど真ん中を真っ直ぐ結んでいて、距離もそれほどないので、大きな荷物を持っていないなら個人的には十分徒歩移動圏内だと思う。
午後の第一ターミナル展望デッキは、A滑走路が逆光となる。日が高い時間帯だと残念な感じになりやすいが、日の低い真冬のこの時期や夕方は、むしろ雰囲気があってわりと好きなシチュエーションだ。もうちょっと日が傾いた方が良かったが、この日は夕方に用事があったので仕方がない。
引退が近いと言われているJALのB777-300ERが次々にやってくる。長距離海外路線だけでなく、今は時々国内線の一部路線にも投入されている。予備機材としてしぶとく生き残ってくれると良いのだが。
スポット周辺は障害物が多く第二ターミナルのようには見通しがない場合が多い。けど誘導路はそこそこ近く、スポットイン直前とかスポットアウト直後とか、その辺のタイミングが良い感じだ。少し位置が高いけど仕方ない。
B767もいつまで現役でいるだろうか? できる限り撮っておきたいし乗っておきたい。あとJTAのジンベエジェットがいた。5年前に福岡-那覇線で当たったことがあるが、それ以降は何度かJTAに乗る機会があったものの巡り会っていない。またいつかジンベエジェットで石垣とか宮古とか那覇とか行きたい。
ちなみに2枚ともPFフレアが出ている。特にジンベイジェットの方はかなり露骨だ。夜景には無理と思っていたが、太陽を反射してキラッと光る機体みたいなものもこのレンズの苦手分野だ(ある程度分かっていたことだが)。
さて第一ターミナル側でもグラハンの様子を観察して撮ってみた。A350のプッシュバックを終えてトーイングカーを切り離すところ。このへんの手順も観察していると面白い。
貨物コンテナがごちゃっと集められている一角。もうちょっと上手く撮ると壁紙にできそうな気がする。こんどまた再挑戦したい。
空いたスポットにスタッフさんが出てくると、まもなく到着機が来るんだな、と分かる。格好イイ。
ふと後を見上げると羽田の巨大な管制塔を掠めて(もちろん見た目上のはなし)ANAのB767が離陸して行く。ウィングレットが付いているからアジア圏の国際線だろうか? この高さまで一気に上昇できるのはB767であるが故かもしれない。
600mm一本勝負と言いつつ、一応Z100-400mmもカバンの中に入れてあったのだが、結局交換するのが面倒で使わなかった。600mmは羽田で使うには長すぎる一方で400mmで足りるかというとそれもちょっと怪しいのだが、Z8ならAPS-Cクロップを駆使してどうとでもなりそうだ。今度は素直に100-400mmを使ってみようと思う。
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