真夏の早朝散歩は上野不忍池へ見頃を迎えた蓮を撮りに行く

2023-07-21

 梅に桜、藤ときて梅雨の時期は紫陽花…… などなど季節の草花にカメラを向けてしまうのはアマチュアカメラマンの習性だが、真夏のこの季節に撮りたくなる花といえば蓮だ。早朝の水辺に咲く大振りで鮮やかなその姿は、とても美しくてカメラを向けずにはいられない。さすが極楽浄土にも咲いているというだけのことはある(伝聞情報)。

 しかし実はここ数年さぼっていて蓮を撮りに行くのは数年ぶりだったりする。コロナ禍の影響もあったし、暑のせいもあるのだが、そもそも蓮の季節で良く晴れた休日、しかも早起きして出かける気力と体力があるという条件が揃わないといけない。今年は7月の3連休の中日にそれらがすべて上手く整った。

 ということで、朝飯前に上野は不忍池まで車を走らせ、Nikon Z 8を持ってしばし蓮池を巡る早朝散歩に出かけてきた。

不忍池の蓮 蓮の蕾と弁天堂

弁天堂と蓮Nikon Z 8, NIKKOR Z100-400mm f/4.5-5.6 VR S(260mm), f5.6, 1/1000, ISO200
 不忍池名物といえば弁天堂と蓮の絡みは外せない。

 開ききって終わりを迎えている花もたくさんある一方で、蕾もまだあるので全体としては最盛期の一歩手前だったかもしれない。ここでもまた「昔はもっと咲いていた」という声を時々聞くが、自分が知ってる範囲ではだいたいこんなものではないかと思う。葉っぱの下に咲いているやつも結構多くて、表面だけ見渡した印象よりも実際はワサワサと咲いている。
 

黒バックの蓮Nikon Z 8, NIKKOR Z100-400mm f/4.5-5.6 VR S(400mm), f5.6, 1/2000, ISO200
蓮前ボケNikon Z 8, NIKKOR Z100-400mm f/4.5-5.6 VR S(400mm), f5.6, 1/400, ISO100
 引きで撮るのはなかなか難しくて確かに寂しい感じになりがちだが、蓮は一つ一つの花が大きくてがかなり押し出しが強いので、アップにして切り取るだけで十分すぎるくらい格好イイ。それほど長い望遠やマクロレンズがなくてもどうにでもなりそうな感じだ(と言いつつテレ端400mmにかなり頼ってしまった)。
 

蓮と蜜蜂 蓮と蜜蜂(真正面)

蓮と蜜蜂Nikon Z 8, NIKKOR Z100-400mm f/4.5-5.6 VR S(400mm), f5.6, 1/400, ISO110
 蓮の周りには蜜蜂がたくさんやってきている。この巨大な花にはさぞかしたっぷりと密があることだろう。花粉や蜜を身体にまとった蜜蜂は小さくてかわいい。

蓮と蜜蜂アップNikon Z 8, NIKKOR Z100-400mm f/4.5-5.6 VR S(400mm), f5.6, 1/1000, ISO200, DXクロップ
 クロップして蜜蜂をかなりアップにしてみた。

 置きピンとか連写して偶然に頼るとかするのではなく、3Dトラッキングを使って蜜蜂にAFポイントを追従させシングルショットしている。なるほど、3Dトラッキングというのはこうやって使えるものなのか!とまたひとつZ 8の使い方を覚えた。なお被写体認識は試していないが、多分この場合は蜂よりも蓮に引っ張られるのだろうと思う。

 なお他にもトンボ類も飛んでいたのだが動きが忙しなくて蓮にぴったり止まるところは見られなかった。あと今回は見かけなかったが不忍池にもカワセミがいるらしい。
 

落ちた蓮の葉っぱNikon Z 8, NIKKOR Z100-400mm f/4.5-5.6 VR S(210mm), f5.6, 1/250, ISO900
 きれいに咲いてる花ばかりではなく、落ちてしまった花びらもやたらに撮ってしまう。色が抜けたり萎れたりする前に根元から落ちてしまった鮮やかな花びらが、日の差さない薄暗い葉の陰にひっそりと横たわる姿は何とも言えない味わいがある。これぞ蓮の池って感じだ。
 

蓮の葉前ボケと落ちた花びら 蓮の葉と蜜蜂

蓮の葉Nikon Z 8, NIKKOR Z100-400mm f/4.5-5.6 VR S(155mm), f5.6, 1/125, ISO64
 巨大な葉っぱもとても良い。緑色もきれいだし生命力に溢れている。朝日が差し込んでいると特にきれいだ。
 

朝日を浴びた蓮Nikon Z 8, NIKKOR Z100-400mm f/4.5-5.6 VR S(400mm), f5.6, 1/400, ISO90
 葉の上まで伸びて朝日を思い切り浴びている蓮も……

葉陰の蓮Nikon Z 8, NIKKOR Z100-400mm f/4.5-5.6 VR S(100mm), f5.6, 1/1000, ISO200
 葉陰にひっそりと咲いている蓮も、色々あってとにかく楽しめる。

 ということで、1時間半くらいかけて不忍池の南東側をぐるっと一周してきた。時刻はだいたい朝6時半から8時頃までで、時間が経てば経つほど人が増えてくるが、人気の蓮見スポットとなっている南端のデッキでも混雑というほどのことはない。

 なお蓮の花は午後になると閉じることは知っているのだが、だいたい何時くらいに閉じるのだろうか? その前にもしかしたら開花の最盛期はもう少し遅い時間なのかも知れない?ということからして実はよく分かっていなかったりする。もしそうだとしても、朝日の差し方や暑さを考えたら、やはりこのくらいの時間が蓮見物にはベストなのではないかと思う。

 

 NIKKOR Z100-400mm f/4.5-5.6 VR S は不忍池で蓮を撮るにはちょうど良い長さだったと思う。長すぎるかもしれないと思って24-120mmもも持っていったのだが、ほとんど100-400mmだけで済んでしまった。ボケ量も足りているし最短撮影距離も短いのでその点でもストレスはない。蜜蜂くらいはグイグイ食いつく程度にAFも問題ない。

 もしかしたら「やっぱり70-200mm f/2.8は必要だな」とか「MC105mm f/2.8があれば良かったのに」とか実感してしまったらどうしよう?と期待し恐れていたのだが、幸か不幸かそうはならなかった。


 

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