PENTAX K-7が発売されてから10年が経過した

 10年前の今日、PENTAX K-7が発売された。つまり今日はペンタキシアンになってから10年目の記念日だ。ささやかながらお祝いをしなくては!と思っている。

 K-7はPENTAXのカメラ事業にとって(多分)最暗黒期のHOYA時代に開発されたカメラで、高感度性能とか色々問題はあったけど、その後K-1に続く道筋を付けた名機だと思っている。でも、そんな記念すべきK-7はもう手元にない。

 だからK-7で撮った昔の写真をNASの奥底から掘り起こしてみた。

IMGP7433.jpgPENTAX K-7, DA★60-250mmF4 (153mm), f5.0, 1/500sec, ISO100, -0.3EV



 B747がANAから退役したのは5年前のことだ。K-7を手にした10年前はまだ羽田にもB747は普通に飛んでいた。懐かしい。

 この写真は昔からのお気に入りの一枚で、それはこの日の天気が良かったというだけではなく、深みと渋みがある青空の発色と機体の質感の写り方のせいだと思っている。

 最近は「空気感」という言葉を使うと笑われがちなのだけど、K-7で撮った写真にはこの言葉を使いたくなる。B747の巨体を空に浮かべている「空気」が写ってるよね? ね?

IMGP0719.jpgPENTAX K-7, smc DA70mmF2.4 Limited, f8.0, 3sec, ISO100, -0.3EV
 2009年の夏、お台場の潮風公園のど真ん中にガンダムが立った。夜にライトアップされた姿はとても格好良かったから、特にガンダムファンじゃなかったけどわざわざ撮りに行った。

 夜景を手持ちで撮るなんて考えはまだなくて、当然のように三脚を使った。規制もゆるかったし、そもそも一眼レフを構えて写真撮ってる人もずっと少なかった気がする。

 10年前にInstagramはまだない。スマホは一部の人のもので、K-7発売の前日にはiPhone 3GSが発売されたばかりという時代だ。当時、綺麗な写真を撮るには「カメラ」が絶対必要だったけど、この10年の間にその辺の状況はすっかり変わってしまった。

IMGP9442.jpgPENTAX K-7, smc FA31mmF1.8AL Limited, f2.0, 1/800sec, ISO100, +0.7EV
 K-7はFA31mmとの相性もとても良かった。晴れた日の紅葉を何気なく撮っただけだけど、彩度ベタベタのどぎつさはないのに爽やかな鮮やかさがあった。

 光がある中で絞りを開けてもフリンジは気にならず、繊細さと柔らかいボケの美しさは、なぜかK-5以降のカメラに同じFA31mmを付けても再現できない、と感じている。

 「そんなの気のせい。FA31mmはどんなカメラで撮ってもFA31mmだ」と言われたこともあるけど、いまだに納得していない。

IMGP3829.jpgPENTAX K-7, DA16-45mmF4 (16mm), f7.1, 1/15sec, ISO200, 0EV
 京都は貴船の川床でお昼ご飯を食べた。これも10年も前だったか。真夏だったけど川の上は涼しくて、こんな景色の中で気持ちよくお酒を飲んだ記憶がある。

 ダイナミックレンジは今のカメラよりずっと狭くて、この写真だって白飛びも黒つぶれもしてる。でも質感がよく出ていて現場の瑞々しいキラキラ感と爽やかさ、つまり「空気」がそのまま写っていると思う。

 PENTAXは緑が綺麗とよく言われるけど、K-7の緑が一番綺麗だったような気がする。

IMGP8981.jpgPENTAX K-7, SIGMA APO120-400mmF4.5-5.6 (300mm), f10.0, 1/125sec, ISO100, -1.3EV
 K-7でF1も撮った。というか撮れた。このカットはほぼJPEGで撮って出しだ。画素数は14Mピクセルしかないし、決してキレキレに解像しているわけではない。だけどこのレッドブルのブルーの色艶は、B747の写真と同じくK-7にしか写せないのではないかと感じる。

 この頃はAFとか連写とか手ぶれ補正とかに不満は感じていなかった。F1マシンを自分の手で写せるだけで嬉しかったから。

 でも、こうして10年前に撮ったF1写真を見てると、自分の進歩の無さに愕然とする。F1マシンは大幅に進歩してるし、カメラだって進歩した。けど撮れた写真は大して変わってないのはどうしたことだろう?

IMGP9563.jpgPENTAX K-7, FA50mmF1.4, f5.6, 1/250sec, ISO100, 0EV
 K-7に独特の絵をもたらした一番の要因は、サムスン製のCMOSセンサーとPRIME II によると言われている。高感度はザラザラだったけど、低感度の色気ある描写は本当に素晴らしかった。

 K-5以降はソニー製のセンサーが搭載され、高感度性能は劇的に改善された。その代わりにK-7の強烈で魅力的な個性は消えてしまった。

 もちろん、それはそれで正しくて良い進歩なのだと思う。元に戻せとは言わないから、今後の新機種にはカスタムイメージに”K-7モード”を付けて欲しいと思う。

IMGP0889.jpgby Optio W60
 このK-7の写真は買ったその日、つまり2009年の6月27日に撮った。で、この写真はどんなカメラで撮ったんだっけ? と思ってExifをみてみると… “PENTAX Optio W60″と書いてある。そうだ! 2008年に暮れにスキー用にOptio W60を買ったんだった!

 ということはK-7は自分にとって2台目のペンタックス機であって、ペンタキシアン10周年記念日はもう半年前だったのかも知れない。なんてこった!

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