梅雨明けの雨に煙る上野不忍池の蓮

2024-07-27

 7月中旬の年中行事といえば、早朝に上野不忍池まで出かけて蓮の写真を撮りながら散歩をする。考えてみたら過去に蓮を撮りに行ったときはいつも良く晴れていて、日が昇るにしたがって耐えがたい暑さの中で汗をかきながら池の周りを歩き回っていたことを思い出す。もちろん朝日に照らされた蓮はとても美しい。

 しかし今年はちょうど蓮が見頃を迎えた連休中、東京周辺の天気予報はかなり悪い。ワンチャンでも晴れる可能性は感じられず、概ねドン曇、悪いと大雨になりそうだ。

 ん? 雨? ……曇りならそれはそれで光が柔らかく回って良いかもしれないと思っていたのだが、雨も悪くないのではないか?と思えてきた。いや、むしろ雨が降って欲しい!と思いながら早寝をして早起きした翌日、願い通り外はシトシトと雨が降っている。雨雲レーダーをチェックするとまだしばらくは降り続けそうだ。

 ということで、意気揚々とF1観戦用に買ったカッパを着て上野まで出かけてきた。

雨の不忍池

 雨の不忍池。この時期は蓮で一面覆われている。弁天堂を望むこの景色は定番だが、わりと強めの雨が降り続き、大した距離でもないのに対岸は霞んでいる。
 

雨の蓮

 強く日が差し込まないからこそ見える世界もある、というのは正解だったと思う。雨が降っているならなおさらで、大きくて主張の強い蓮の花も一段と瑞々しい。
 

雨の蓮

 過去の経験からしても、70-200mm f/2.8があればそれがベストだったかと思うのだが、残念ながらZマウントでは持っていないので、Nikon Z8には100-400mm f/4.5-5.6をつけていった。 
 

雨の不忍池の蓮

 望遠ズームとはだいたいそういうものなのだが、結果テレ端付近ばかり使ってしまう。撮っているうちに200mmでは足りないのではないか?と思えてきて、70-200mm f/2.8が欲しいという気持ちがしぼんできた。もう望遠ズームはこれで良いのではないだろうか? むしろ暗くても良いから小さくて軽量な望遠ズームがあると良いのに(えっ? 28-400mm……🤔)。
 

水滴に濡れる蓮の花びら

雨の滴る蓮の花びら

 さらにマイクロレンズももちろん持って行った。雨の中ではレンズ交換できないのでNikon Z5につけた状態で。静物をじっくり撮るならこの組み合わせで全然問題ない、というか使用感としてZ8との性能差を感じたりはしない。EVFが若干暗いというくらいだろうか。

 不忍池の南端にはいつの頃からか蓮を眺めるための展望デッキが池の上に張りだしていたりして、手が届きそうな距離の蓮を見ることができる。なのでマクロ撮影も捗る。
 

雨に打たれる蓮の蕾

水滴が転がる蓮の葉

 雨は少し止んだり、逆に強くなったりしながら蓮を濡らし続けていた。水に濡れた蓮の花は思ってたとおり美しい。ちょうど見頃だったし天気も蒸し暑さはあるものの、これはこれで全然良い。今年は雨の紫陽花が撮れなかった分を取り返したということにしておこう。
 

落ちた蓮の花びら

終わりかけの蓮

 終わりかけの花が落とした花びらも撮ってしまう。水滴が付いていて美しい。
 

雨の中でも蓮の「蜜を集める蜂

 蓮池の周りでは蜂をはじめ、トンボとか野鳥とか見られることが多いが、この雨の中では無理か?と思っていたら、蜜蜂はそんなことお構いなしにせっせと働いていた。逞しい。
 

葉の下で咲く一輪の蓮

 葉っぱの上に高々と伸びている花も美しいが、逆に葉のはるか下にひっそりと咲いているやつの方がなんだか好きだったりする。日が差していないせいか、自ら発光して周りの暗がりを照らしているように見えてくる。
 

 動画も撮ってきたので適当につないでみた。Z8だけでなくZ5で撮ったやつも混ぜたので4Kではなくて1080pにしている。そういえばZ5って4K撮れたっけ?あとで確認してみよう。

 スチル撮影の合間に時々動画モードにスイッチを切り替えて適当に撮ったものばかりで、ストーリーとか絵のバリエーションとか構成とかそういうのは何も考えていない。あとでファイルをチェックして使えそうなところをつないだだけ。手持ちでフレームを動かさずAFによるピント送りばかりやってみた。今度はデジタルズームを試してみようと思う。

 スチルではあまり撮らなかったのだが、蓮池の展望デッキにはなぜか風鈴がやたらに飾り付けられていた。雨とともに風もあったのでやたらに風鈴の音が鳴り響いていて、夏の風情とはほど遠い感じだったが、動画の背景ノイズとしては悪くなかったかもしれない。
 


 



 

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