東京下町のソウルフード「もんじゃ焼き」は写真映えしない

2019-12-06

 もんじゃ焼きを久しぶりに食べてきた。お店は月島や浅草などの有名どころではないが、仲間内で隠れた名店と勝手に認定している新小岩の「一乃矢」だ。

 タイトルに「東京下町のソウルフード」と書いたが、少なくとも江東区界隈ではそんなにメジャーな食べ物ではない。今はどうだか分からないが、昔は子どもが駄菓子屋さんで食べるジャンクフードとして存在していた程度だ。

 さてそんな「もんじゃ焼き」だが、写真を撮るのがとても難しいのだ。何しろ映えない。それどころかいろいろと残念な結果になることがほとんどだ。食べてみるとこれがとても美味しいのに。

明太餅チーズもんじゃRICOH GR3, f3.5, 1/30sec, ISO1250, 0EV
 もんじゃの中でも基本中の基本、明太餅チーズもんじゃを発注すると、こういう状態でテーブルにやってくる。細かく千切りされたキャベツその他が白い液体に沈み、明太子と一口サイズの餅とチーズが載っている。

 この姿を見て「美味しそう!」と思うのは、もんじゃの美味しさを知ってる人だけではないかと思う。

 で、これを鉄板の上で焼いていくわけだが…
 
もんじゃ焼き中RICOH GR3, f2.8, 1/30sec, ISO1250, 0EV
 こうなる。

 先に味を付けるとか後で付けるとか、土手を作るとか作らないとか、いろいろな焼き方があるが。オーソドックスなのは、もんじゃ専用ソースを適当に混ぜて、なるべく具だけを先に鉄板で焼きつつ円形の土手を作り、残った汁その他を少しづつ足して焼き上げていく。

 焼き始めた時点であまりビジュアルは良くない。仕方ないからオーバー目に撮ってみる。ホンワカした感じで…
 

焼けてきたもんじゃRICOH GR3, f2.8, 1/30sec, ISO1250, 0EV
 焼き上がりの判断も適当だ。水分が飛んでぶよぶよになってきたら食べ始めれば良い。周辺部には少し焼き色が付いてくる。鉄板の上でそのまま焼き続けながら、みんなで小さなコテで突きつつちまちま食べはじめる。

 そして食べているうちに煮詰まってきて、だんだん薄い焦げが出来ていく。でももんじゃだからひっくり返したり、慌てて皿に取ったりはしない。焦げたら焦げたで良いのだ。それがまた美味しいのだ。

 だけどやっぱり美味く写真には撮れない。なのに何か懐かしくて美味しい。止められない止まらない系だ。その美味しさを写真で伝えるのは本当に難しい。
 

キノコバターRICOH GR3, f2.8, 1/30sec, ISO1600, 0EV
 同じ鉄板モノでも、こんなキノコバターはストレートにとても美しい。そして見たままに美味しい。
 

豚キムチRICOH GR3, f3.5, 1/30sec, ISO2500, 0EV
 豚キムチなんて焼く前から彩りが美しい。そして焼いたら一層美味しい。
  

お好み焼きRICOH GR3, f2.8, 1/30sec, ISO2500, 0EV
 そしてお好み焼きに至っては神々しい、と言えるほど美しい。

 お好み焼きと言えば関西のソウルフードというイメージだが、東京のもんじゃ焼屋さんにも必ずある。関西育ちの友人に「東京っ子でもお好み焼きくらいは焼けるんや〜」と感心されたことがある。それに気を良くして最後の仕上げにピザ切り(放射状に切ること)したら「アホか!」と怒られた。お好み焼きは井桁に切るものらしい、ということをその時覚えた。
 

横手やきそばRICOH GR3, f2.8, 1/30sec, ISO800, 0EV
 さて、ここ「一乃矢」の名物は、実はもんじゃ焼きでもお好み焼きでもなくて焼きそばだ。それも秋田県は横手市のソウルフード「横手やきそば」だったりする。この店のご主人は江戸っ子ではなく横手出身なのだ。

 この店はもう10年以上前から知っているし、数え切れないくらい訪れたが、横手やきそばは絶対に焼かせてくれない。ご主人が自ら焼いてくれる。関西人にとってお好み焼きをピザ切りされるのと同じような仕打ちを、横手やきそばにされるのが嫌なのだろう。
 

もんじゃのコテRICOH GR3, f2.8, 1/30sec, ISO1250, 0EV
 しかしながら江戸っ子として、もんじゃ焼きをどう扱われたとしても全然気にしない。いや、「もんじゃってのはな…」というマウンティングには使うかも知れないが、実際のところどうでもいいと思っている。

 なんか、どうでも良いとか、写真映えしないとか、見た目が○○のようだとか、ひどいことばかり書いてしまった気がするが、再度フォローしておくともんじゃ焼きはとても美味しい。うん、それは間違いない。
 


 
 

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