大さん橋から出港する「飛鳥II」と「セレブリティ ミレニアム」を見送る

2019-11-15

 氷川丸に続きまたもや横浜に船を見に行ってきた。

 ある休日のお昼頃、ぼんやり見ていたテレビに横浜大さん橋のライブ映像が映った。そこには2隻の大きな客船の姿があった。ネットで調べてみたら、「飛鳥II」と「セレブリティ ミレニアム」という大型客船が入港しており、どちらも夕方には出港してしまうらしい。

 「飛鳥II」よりも1.5倍くらい大きいと言う「セレブリティ ミレニアム」を是非見てみたい!と思い、マジックアワー狙いで夕方なってからカメラを担いで大桟橋へとひとっ走りしてきた。

大きな客船と小さな客船PENTAX K-1改, HD D FA* 70-200mm F2.8 ED DC AW(200mm), F5.6, 1/1600sec, ISO200, 0EV
 いた!

 大桟橋の遙か手前からでもその巨体がよく見える。山下公園側に聳える巨大な船がセレブリティミレニアムだ。明らかに飛鳥IIよりでかい。よく言われることだが港に接岸した巨大客船はもはやホテルか何か建築物のようだ。

 なお、手前にいる小さい船は横浜近辺で周遊クルーズしている「ロイヤルウィング」だ。ちょうど岸壁を離れようとしている。
 

飛鳥IIとロイヤルウィングPENTAX K-1改, HD D FA* 70-200mm F2.8 ED DC AW(170mm), F5.6, 1/800sec, ISO100, 0EV
 そして、みなとみらい側の定位置Cバースには「飛鳥II」がいた。今日の大さん橋はとても賑やかそうだ。

 先ほどのロイヤルウィングがちょうど出港していくところだ。大きな客船に囲まれると小さく見えるが、それでも3,000トンほどある。しかも1960年竣工と言うから船齢は実に60年にもなるらしい。
 

夕方の大さん橋PENTAX K-1改, HD D FA 15-30mm F2.8ED SDM WR(15mm), f8.0, 1/800sec, ISO200, 0EV
 特徴的な形をしている大さん橋の屋上は板張りで覆われている。沖に向かって先端まで行き、陸側を振り返ってみると間もなく日没を迎えようとしていた。

 右のみなとみらい側に「飛鳥II」、左の山下公園側に「セレブリティミレニアム」がいる。日没後17時にはまず「飛鳥II」が、その後18時には「セレブリティミレニアム」が出港することになっている。
 

セレブリティミレニアムを眺める二人PENTAX K-1改, HD D FA 15-30mm F2.8ED SDM WR(27mm), f9.0, 1/80sec, ISO200, 0EV
 救命ボートがなければ本当にちょっとしたビルに見える。乗客用のデッキは11層あるそうだ。右の丸いガラス張りの筒はエレベーターだ。すごい。

 一体チケットはいくらするのか?どこで売ってるのかも知らないが、こうして目の前にするとやはり船旅への憧れは誰でも持っているものではないかと思う。
 
 その巨体をぽかーんと見上げていると、船のバルコニーから乗客が優雅に手を振っていたりする。世界には超えられない格差があるのだと気付く瞬間だ。JGC会員くらいで満足していてはいけない。
 

夕陽を反射する船体PENTAX K-1改, HD D FA* 70-200mm F2.8 ED DC AW(95mm), F8.0, 1/2500sec, ISO200, 0EV
 いよいよ日没間近となりちょうど順光側にいる「セレブリティミレニアム」の船体は黄金色に輝いてきた。なんとも神々しい。そう言えば船は英語の場合三人称で”She”と表現されることを唐突に思い出す。今の時代そのままでいいのかどうかは分からない。

 ここで思いついて「CTE+銀残し」をやってみた。Twitterで作例を見かけて、真似してみなくてはと思っていた宿題だ。なるほど、重厚な金属の塊と夕日の取り合わせはぴったりかも知れない。
 

マジックアワーに出航する飛鳥IIROCOH GR3, GW-4, F4.0, 1/8sec, ISO1250, 0EV
 そして午後5時。マジックアワーの空の下、みなとみらいをバックに「飛鳥II」が出発していった。行き先は海外ではなく新宮〜小豆島を巡ってくるそうだ。
 

飛鳥IIを見送る人々PENTAX K-1改, HD D FA 15-30mm F2.8ED SDM WR(15mm), f2.8, 1/30sec, ISO3200, 0EV
 大さん橋に取り残された見物客が見送る中、「飛鳥II」は巨体のわりに身軽にスイスイと動き出し、あっという間にベイブリッジをくぐって横浜を後にしていった。

 「飛鳥II」は横浜を母港としており、全長241mで総トン数は50,124トン、日本籍の客船としては最大だ。そもそもは「クリスタルハーモニー」という名で1990年に就航したと言うから、もう30年近いそこそこの老船だが、あと10年は現役の予定だそうだ。
 

出港間近のセレブリティミレニアムPENTAX K-1改, HD D FA 15-30mm F2.8ED SDM WR(21mm), f2.8, 1/40sec, ISO3200, 0EV
 「飛鳥II」に遅れること1時間、午後6時には「セレブリティミレニアム」も出航する。すでに日は沈んで1時間ほど経過している。空の色は濃さを増し、満月手前の月も輝きはじめた。
 

大さん橋のブルーの照明と客船PENTAX K-1改, HD D FA 15-30mm F2.8ED SDM WR(15mm), f2.8, 1/13sec, ISO3200, 0EV
 大さん橋屋上はブルーの艶容な照明が灯り、なにやらロマンチックな雰囲気になって来た。まさにマジックアワーで、何もかもがすごい綺麗な時間帯だ。

 セレブリティミレニアムはアメリカの会社が運航している客船で、全長は294m、総トン数は91,000トンと、ベイブリッジをくぐることが出来る中では最大級の船だ。その名前の通り2000年に就航したそうだ。
 

出港していくセレブリティミレニアムPENTAX K-1改, HD D FA 15-30mm F2.8ED SDM WR(15mm), f2.8, 1/20sec, ISO3200, -0.7EV
 予定時刻ぴったりの午後6時に動き出し、これもまた軽々とした身のこなしであっという間に出港していった。隣にいた見知らぬ女性は「カッコイイ〜!すごい~!乗りたい~!」とずっと連呼していた。

 空はいつの間にか真っ暗になっていた。
 

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