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2020年に買ったものと撮った写真各4選

雪と桜@大横川

 新型コロナウィルスに振り回され続けた2020年がもうすぐ暮れてゆく。いつもと雰囲気の違う大晦日を迎えているが、例年通り年末恒例の一年の振り返りをしておこう。

 今年に関しては公私もオンラインもオフラインもいろいろな面で思うことはたくさんあるのだが、昨年の年末振り返り記事のフォーマットをそのまま流用することにして、2020年に撮った写真と買ったもののなかから、それぞれベスト4を選んでみることにする。

買ったものベスト4

 まずは買い物から。主にカメラや写真関連に関しては今年も物欲が抑えきれなかった。反省はしていない。

 写真歴はかれこれ30年を超え、カメラもレンズもそれなりにたくさん持ってる方だという自覚はあるのだが、なぜか今まで防湿庫はおろかドライボックスも使っていなかった。よく使うカメラやレンズは机の上に転がっているし、あまり使わないレンズも棚の上に置きっぱなしで、いずれもホコリよけをしてあるだけだった。 ...
初めての防湿庫は東洋リビングの ED-160CAWP2を導入する - 酔人日月抄外伝

 まず一つ目は防湿庫だ。これは思ってた以上に素晴らしい。防湿庫を使っていなくてもレンズにカビを生やしたことはないのだが、それでも圧倒的に機材管理が楽になった。目にも楽しく機材を置いてある部屋の中が華やかになった。

 ただ、同じ防湿庫に使用頻度の高い機材と、ほとんど使わない機材が同居しているのはもしかしたら良くないのかも知れない。よく使う機材の出し入れに伴って湿度の変動が激しくなる。常用機材は今まで通り外に出しておいても良いのかも知れない、とちょっと思っている。

 なお容量にはまだ余裕がある。来年はさらに機材が増えることが確定的だが、問題なく収容できるだろう。
 

 写真を撮ることを趣味としている以上、プリンターがあった方が良いのではないか?と、実はわりと昔からずっと考えていた。いや、プリンターは持っている。8年前に買った複合機EPSON EPー805Aだ。サポート期間は終わってしまったが、どこも壊れていないしまだちゃんと印刷できる。6色染料インクで写真だってそこそこいけ...
写真用の高画質A3ノビプリンター EPSON SC-PX1V を導入した - 酔人日月抄外伝

 つぎはプリンターだ。プリントをする使うようになって写真の楽しみ方がまた一段深くなったような気がする。やはり最終的に紙に出力された写真というのは強い。説得力がある。自己満足感も非常に高い。

 プリントするのは最初だけで途中で結局飽きてしまうかも?と少し心配していたがそれは杞憂だった。今では紙の沼にはまりかけ、インクのランニングコストが気になるようになってきた。

 なお、年末になってSC-PX1Vは調子が悪くなり、いまはEPSONの松本工場に里帰りしている。年が明けたら元気になって戻ってくるはずだ。
 

 確か、自分に言い聞かせるように「買わない」と敢えて何度か宣言をした記憶があるのだが、気がついたら HD PENTAX-D FA★85mmF1.4ED SDM AW を買っていた。あらかじめ予約して発売日に手に入れたわけではないのだが、結局それに限りなく近い状態になった。なんだよ、結局そうなるのかよ。 買ってしまった理由はいくつ...
HD PENTAX-D FA★85mmF1.4ED SDM AW は買わないと言ってたのはウソ - 酔人日月抄外伝

 続いてはレンズだ。発売されるまで買うつもりはまったくなかったのに、結局DFA★85mmF1.4を買ってしまった。ポートレートとか撮らないし、そもそもこんなに巨大なレンズ無理だろ! 20万超えとか高すぎ! と思っていたのに。

 しかしながら実際に使ってみるとこれは本当に素晴らしい。何でもない写真を撮ってもいちいちすごい。何を撮っていても楽しい。ファインダーを覗いてるだけでウットリする。こういうレンズで光学的な暴力をただ楽しむのも趣味としては良いのではないかと思う。
 

 今から約1年前、2019年の9月末と言えばPENTAX100周年を記念するイベントが開催されていた。東京の第1回に参加したのはとても良い思い出だ。新しいAPS-Cフラッグシップの試作機が姿を現したのもその時だった。すごい昔のような気がするけど、たった1年前のことだ。 その新しいAPS-Cフラッグシップの試作機を目の前にし...
それでもやっぱりフルサイズ ! PENTAX K-1 Mark II Silver Edition を買う - 酔人日月抄外伝

 最後はやはりカメラ。PENTAX K-1 Mark II Silver Editionだろう。まさかというタイミングで今さら出てきた銀色のK-1 Mark II。こんなもの今さら発売する方も買う方もバカじゃないの?と思いながら買った。ここ最近はタイミングが合わずに手に入れることができなかったシルバーボディーだ。うん、やはりPENTAXのシルバーボディは良い。

 PENTAX界隈は今年一年いろいろあったが、結局のところ自分は今やフルサイズ原理主義に洗脳されていることをハッキリ自覚し、開き直ることにした。そういう気づきと諦めを突きつけられたカメラだ。

 K-1 Mark IIIが出るまではこれで生きていくことにする。
 

撮った写真ベスト4

 次に自分で撮った写真の中からベスト4を選んでみる。写真の出来と言うよりは個人的に思い入れと思い出のある4枚を選んでみた。

OLYMPUS TG-5 4.5mm, f8.0, 1/160sec, ISO100, +0.7EV
 まずはこれ。今年の1月下旬。ルスツのスキー場から撮った二つの羊蹄山だ。この眺めは本当に最高で羊蹄山ビューとしてはニセコ側よりも絶景だと思う。

 毎冬恒例の北海道スキー旅行に行ってきた。昨年まではニセコのヒラフに滞在し、バックカントリーの真似事をするのが恒例だったのだが、今年は少し思うところあってニセコを外し、羊蹄山を挟んでニセコの反対側にあるルスツに行くことにした。 ニセコは今やインバウンドのバブルに沸いていて、その影響はルスツにも及...
今年の北海道スキーは初めてのルスツリゾートへ行ってきた - 酔人日月抄外伝

 この頃すでに新型コロナウィルスの話題は出ていたが、まだどこか対岸の火事だった。「古い」生活様式だった時代最後の思い出とも言える。

 残念ながら、今冬はとても北海道に遊びには行けそうにない。また心置きなく北海道へ行けるのはいつになるだろうか?
 

PENTAX K-1改, HD DFA 70-200mm F2.8ED DC AW(200mm), f4.0, 1/200sec, ISO400, 0EV
 3月末、東京では満開の桜に雪が降った。この頃は「不要不急の外出をしないように」と叫ばれていて、世間がとてもピリピリしていた時期だった。

 今年は記録的な暖冬で東京のソメイヨシノ開花宣言も過去最速だったそうだが、我が家の近くにあるソメイヨシノ並木は相変わらず開花が遅い。本当に都心のソメイヨシノと同じDNAを持っているのかと不思議になる。もしかしてこの並木にあるのはソメイヨシノではないのか? または江東区は千代田区と気候が違うのだろうか...
東京のソメイヨシノに雪が降った - 酔人日月抄外伝

 だから、自宅のすぐ目の前でコンビニへの通り道だからと言ったところで、雪と桜の写真を撮ったなんて少し後ろめたく、おおっぴらには言えない状況だった。いや、結局この写真はTwitterに上げてしまったのだけど。

 この写真を改めて見ると、桜と雪という東京では滅多にない光景が見られたことよりも、あの頃の変な緊張感を思い出してしまう。自分にとっては2020年春の象徴的な1枚だ。
 

PENTAX K-1改, HD DFA★85mmF1.4ED SDM AW, f1.4, 1/2500sec, ISO100, 0EV
 いろいろなことが改善に向かっていると思ってた7月。久しぶりに旅に出た先の神戸で撮った野良猫さん。

 「動物ポートレート」という言葉が世の中に存在するのかどうか分からないが、写真をやってる人ならだいたい意味は分かってもらえるのではないかと思う。 85mmF1.4と言えば定番のポートレート向けレンズと言われているわけだが、それは人を撮るばかりではなく、犬や猫などの身近な動物たちを、ふんわりと浮き立たせて...
HD PENTAX-D FA★85mmF1.4ED SDM AWで身近な動物ポートレートを撮る - 酔人日月抄外伝

 DFA★85mmF1.4を手にしたばかりで、何でもいいから何かを撮りたくて、これ一本で旅先の街歩きをしていたときに撮ったものだ。ピント面の素晴らしいシャープさと文字通りとろける背景がすごい。美形な猫さんの被写体力もすごい。

 これはその後リコーイメージングの とっておきPHOTO+ にも採用してもらえた。見知らぬ街角の見知らぬ猫さんだが、とても気に入ってる一枚だ。
 

PENTAX K-1 II SE, FA77mm F1.8 Limited, f4.0, 1/100sec, ISO100, −0.7EV
 最後の一枚はこれにしておく。

 夏が過ぎ、秋になると空の様子もだいぶ変わってくる。空気が澄んできて空はいっそう高く青く感じられるが、夕焼けの赤い色も心なしか鮮やかになるようだ。いや、雲ひとつない快晴だと実はそんなに焼けないのだが、うろこ雲とか鰯雲とか、風にたなびくような秋らしい雲が出ていると、日値没直後のマジックアワーには、...
秋の雲が真っ赤に染まる夕焼け空がとても綺麗だったから... - 酔人日月抄外伝

 そんなこんなで今年は遠出する機会がガクッと減ってしまったので、近所で写真を撮ることが多かった。なかでも東京の空をよく撮った気がする。虹が出たり変わった雲が出たり、きれいな夕焼けが出たり。

 在宅勤務が長期にわたっていることもあって、地元で見られる絶景に気付くことが増えた。写真なんてどこにいても撮れるもんだな、と。

 
 いずれにせよ、この状況はまだしばらく続きそうだ。だが、年明け早々にようやく待望の新機種PENTAX K-3 Mark IIIが出るはずだ。それもこれも含めて今年よりも写真的にも買い物的にも、そして世の中的にも良い一年になることを願っている。
 

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