少し前のことになるのだがまたもや焼肉を食べてきた。関西に行かなくてももちろん東京にも美味しい焼肉店はたくさんある。
今回はごく身近な仲間内だけの忘年会ということで、少し奮発することにした。お店は神戸牛を売りにしている老舗店「神戸牛焼肉 日本橋イタダキ」で初訪問となる。日本橋と言っても本当の日本橋ではなく、東日本橋というかほとんど馬喰町のオフィス街の一角にひっそりとある。
実際のところ「神戸牛焼肉」の響きだけに惹かれたと言っても過言ではない(結局関西なのかよ!)
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田村牛のイチボ約100g。
最初のうちはタン塩とかミノとかいつものようにメニューから1品ずつ頼んでいたのだが、黒板に掲示されていたその日限りのスペシャルメニューがやはり気になる。神戸牛や但馬牛、田村牛など兵庫県産のものがずらっと並んでいて目移りするのだが、その中から(このときは)渾身の一品のつもりでこれを選んだ。
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炭火の上で焼けてきたイチボ。美しすぎる。
ちなみにこの手の塊肉は焼き方が難しい。なのでお店の人がちゃんと適切に焼いてくれる。どんな高級肉も焼き方ひとつで台無しになってしまうから。
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焼き上がったらいったん下げられ、切り分けて再びテーブルにやってくる。その際、少し休ませて熱を抜いてきたようで、最高の食べ頃になっていた。焼肉だとつい熱々で食べたくなるが、それが一番美味しいとは限らない。これはもう焼肉というよりはステーキだ。
刺しもしっかりしているのでたっぷりのワサビと一緒に食べられる。塩でももちろん美味い。これは本当にすごい。
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良いものを食べたと一同満足し、レギュラーメニューに戻った… つもりだった。白米とともにハラミでも食べようかと思ったのだが、せっかくだからと「特上サガリ」を頼んだら、またもやこんな肉塊で出てきた。
そして同じようにお店の人が最高の状態に焼き上げてくれた。サガリがこんなに美味しいなんて! いや、赤身と内臓の良いところを取ったいかにもサガリ(あるいはハラミ)らしい味わいだった。
これでもう十分満足した!と思っていたのだが…
通路を挟んだ反対側のテーブルに 若造 若者のグループがいて、彼らがなにやら見るからに高級肉を頼んだのが見えていた。高そうなワインも開けているし注文ぶりがかなり豪快だ。
我々おじさんおばさん達は「あの羽振りの良さはきっとIT系だろう」などと勝手な噂話をヒソヒソしていたのだが、結局のところ「あんな 若造 若者があんな良い肉を食べられるなら自分たちも食べるべきだ。人生経験がちがう!」などと意味不明なことを話し合い、意を決して店員さんに発注した。
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神戸牛のシャトーブリアンをください!と。
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美しすぎる。今まで食べたお肉とは見るからに格が違う…。これは大変なものを発注してしまった。
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最高の状態に焼き上げられた神戸牛のシャトーブリアン。これこそまさにステーキだ。しかも超高級ステーキ。ワサビすら不要で塩だけで食べろというお店の自信がうかがえる。
良いお肉は「口の中で溶ける」と表現されることがあるが、そんなことはない。刺しはとろけつつもしっかりの肉塊が感じられる。そしてヒレ肉の極上の旨味に溢れている。
もう彼らがお店のサクラだったとしてもかまわない。中年の卑しい嫉妬心と言われようとなんだろうとかまわない。これは食べたもの勝ちだ。
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最後にはこういう禁断の食べ物もいただいた。なにこれひどい(褒め言葉)。思った以上に肉感が強く、ウニはあっさり風味だけという非常に贅沢な食べ物だった。
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焼肉となるとどうしても白米が欲しくなるのだが、今回はむしろステーキだったのでご飯を食べるタイミングがなかった。なので、最後に〆でTKGをいただいた。ただのTKGではなく牛肉のしぐれ煮と海苔がかかっている。お肉でお腹いっぱいだったのだがご飯は別腹だ。
ということで、少し早いのだが自分としてはこれで年末は締めたという気分でいる。秋口まで外食はほぼゼロだった反動か、ちょっとはしゃぎすぎた嫌いがあるが、まぁ良いだろう。また来年!