今年もまた遅咲きだった彼岸花を撮る -2025年版-

2025-10-05

 猛暑が長く続き9月中もほとんど夏みたいな気候だったせいか、彼岸花の開花は遅れに遅れ、その名にもなっているお彼岸の頃にはほとんどまだ影も形もない状態だったが、9月末になってようやくニョキニョキと地面から生えてきた(東京東部の場合。以下季節感についての言及はすべて同じ)。

 そしてあっという間に咲いてあっという間に萎れていく。旬は桜並に短い気がする。

 ……みたいな「彼岸花の開花が遅い」という話は、実は今年だけ特別だったわけではなく、昨年も一昨年も同じように遅咲きで、やはり9月末にようやく咲き始めて、ギリギリ10月まで持ったという記録が自分のブログに残っていた。そうだったっけ?

 今後はもうこういう季節感が当たり前になるのかもしれない。

9月21日:木場公園

 まずは近所で近場の木場公園。撮影日時は9月21日となっている。

彼岸花の雄しべフォーカス

 まだ咲いたばかりなので雄しべにたっぷり花粉がついていて瑞々しい。数株ずつ独立して咲いているようなところなので、ぐいっと寄るに限る。マイクロレンズは必須だ。
 

彼岸花のつぼみ

 でもまだこの時点では全体的に2分咲きという感じで、こんな感じでもうすぐ開きそうな蕾がほとんどだった。

 これは最近Z8にも搭載されたフレキシブルカラーピクチャーコントロールを使って撮ってみたやつだ。こうなると自力でLrでRAWから再現するのは難しいので、珍しくJPEGをそのまま取り込んだものだ。
 

彼岸花 モノクロ

 彼岸花といえば濃い赤が印象的だが、背景がシンプルならモノクロにしてもいけるのではないかと思ってやってみた。けっこう気に入っている。
 

9月27日:水元公園

 約1週間後の9月27日、良く晴れているが猛暑は去って気持ちいい季候になってきた。

彼岸花とアゲハチョウ

 そろそろ彼岸花も見頃を迎えただろうということで、数年ぶりに水元公園まで足を伸ばしてみた。いい感じに咲いている!
 

水元公園の彼岸花の丘

一面に咲く彼岸花

 そんなに規模が大きいわけではないのだが、緩やかな斜面に広がる彼岸花畑は、中望遠レンズでうまく切り取るとそこそこ見栄えがする感じになる。だが良く見るとまだ満開ではなく蕾の姿もちらほら。7〜8分咲きといったところだろうか。
 

彼岸花のコントラスト

 しかしカレンダー的にも天候的にも、この地域ではこの9月最後の週末が一番の彼岸花日和だったのではないかと思う。
 

木陰でひっそりと咲く彼岸花

 密集して咲くエリアの周辺には所々ポツンと咲く彼岸花もあって、そういうのも風情があってとてもよいのでカメラを向けてしまう。
 

9月28日:再び木場公園

 翌日の28日も良い天気だったので、ほんのお代わりくらいの軽い気持ちで、GR IIIxだけを持って木場公園に再び散歩に出かけてみた。

岩の隙間から彼岸花

 公園の片隅、誰も見ていなさそうな殺風景なところに塊で咲く彼岸花がある。日当たりが関係するのか、他より少し遅咲きだったようだ。この辺は蚊がすごいいるのであまり深入りも長居もできない。
 

真上から彼岸花

 真上から。地面は古い落ち葉だらけでキノコでも生えてきそうな場所だ。誰かが球根を植えたのだろうと思うが、管理されておらずほとんど野生と思われる。しかし目立たず人に踏まれることもないが故か、むしろとても元気で美しい。
 

日陰に密集する彼岸花

 本当は手にしたばかりのGR IVを使ってみたかったのだが、28mm(相当)の広いが価格でこの彼岸花をうまく撮れる気がしない。しかしGR IIIxの40mm(相当)なら何とかなる。

 なのでGR IIIxは手放せない、というより、やっぱりGR IVxが楽しみだ。そういう製品が今後出るかどうかは分からないのだが。
 

10月4日:再び水元公園

 ここまでで今年の彼岸花見物&撮影はもう十分かな?と思っていたのだが、さらに1週間経った10月最初の週末、東京は予報外の雨が降った。秋雨らしくシトシトと、しかしたっぷりグズグズと。

 朝起きてそんな雨模様の空を見ていたら、雨に濡れる彼岸花は美しいはずということを思い出してしまった。

雨粒を湛える彼岸花

雨に濡れる一面の彼岸花

 そこで再び水元公園へと向かった。こんな天気なので駐車場もガラガラだし、園内にもほとんど人はいない。彼岸花畑もほぼひとりじめに近い状態だった。
 

彼岸花の雄しべに連なる水滴 左

  そこには想像通り、宝石のような水滴を湛える彼岸花の世界があって、どこをどう見てもとても美しかった。レンズとなった水滴の中にもまた彼岸花の赤が映えている。
 

彼岸花の雄しべに連なる水滴 右

彼岸花の上に玉のような水滴

 しかし残念ながら前回の8分咲きの状態から1週間経過した彼岸花畑は、すでにかなりの花が萎れはじめていて、完全に見頃は過ぎていた。何とか持ちこたえている花も色が少し褪せていたように思える。それも暗くて柔らかい光と水の艶でなんとかカバーされている。
 

白い彼岸花と水滴

 白いというより、クリーム色の彼岸花もまだ咲いていた。周囲の緑を反射して微妙な色合いでとてもよい。
 

大木の根元に咲く彼岸花

 水元公園は大木の巨木が立ち並ぶ森があって、その下はとても薄暗い。雨の日は特に。そんな中にポツンと咲く数株の彼岸花。一面に咲く真っ赤な絨毯みたいな景色も良いけれど、やはりこういう詫び寂な感じにも惹かれる。

 ということで、思っていたよりも今年はたっぷり彼岸花を楽しめたと思う。また来年! できれば名前通りお彼岸の頃に最盛期を迎えるくらいのスケジュール感だとうれしいのだが。


 最後に動画も少し撮ったので、ただ繋いでBGMを適当に付けただけのやつを貼っておく。



 

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