HD DA20-40mm F2.8-4ED Limited DC WRをプチカスタマイズする

2022-03-25

 昨年K-3 Mark III用に買い戻した HD DA20-40mm F2.8-4ED Limited DC WR にプチカスタマイズを施してみた。

 K-3時代にもやはりシルバー版の同レンズを使っていたのだが、その時から別売りの専用フードMH-RA55のブラック仕様を追加購入し、わざと付け替えてパンダ仕様にしていた。そのブラックのフードがまだ手元に残っていたので、買い戻したレンズも同様にブラック版フードに付け替えていた。ちょっとした自己主張というやつだ。
 

 このフードはごく浅いリング状のもので、光学的に効果があるのかどうかは甚だ疑問なのだが、見た目重視のドレスアップアイテムとしてはとても効いている。カメラボディからレンズ鏡胴までシルバー尽くしの姿のなかで、レンズ先端部だけブラックにすることで少し引き締まって良い感じだと、個人的には気に入っている。

 しかし! 最近Twitterで衝撃の事実を知らされた。

 バヨネット式とは違ってねじ込み式フード刻印の位置合わせは個体バラツキが出やすいのは想像つくが、最初からレンズに同梱されてるものは一番良いところに合うように組み合わせているらしい。これはDA20-40mmだけでなく、FA43mmやDA40mmなども同じだという。知らんかった……
 

 と思って、手元のDA20-40mmを確かめてみた。
K-3 Mark III + DA20-40mm シルバー

 これがデフォルトのシルバー尽くしの状態。レンズの先端部にあるMH-RA55は常識的なトルクで取り付けてある。すると確かに”HD PENTAX-DA…”というレンズ名の刻印部が上部に来るようになっている。カタログ写真の通りだ。
 

 すべてそうなるようにネジの切り方を揃えて作ってあるんじゃないのか? と思いつつ、昔買ったブラック仕様のMH-RA55に付け替えてみると…
K-3 Mark III + DA20-40mm シルバー + ブラックフード

K-3 Mark III + DA20-40mm シルバー + ブラックフード

 なるほど、確かにレンズ名は裏側へ行ってしまいフード自体の品番 MH-RA55 の刻印が何とも中途半端な位置で上側に現れている。これが位置が合ってないと言うことか。これ以上ねじ込むことも緩めることもできないので、どうにもならない。

 ここでふと思いついたのは、もはやこのフードに刻印など要らないのでは?ということだ。パテ的なもので埋め戻すと言うことも技術的には可能かも知れないが、ここはまず初級者編として黒く塗りつぶしてみるという対策を思いついた。
 

タミヤのプラモデル用塗料

 プラモデルをやる人などは当然のように塗料自体も塗装技術も知識も持っているものだと思うが、こちらは何しろその手の工作をまったくやらない素人だ。ネットで色々調べて、量販店のプラモデル売り場で必要最低限の塗料と道具を買ってきた。

 色が合うかどうかとか、そもそも相手はプラスチックではないので、ちゃんと塗れるのか(塗料が乗るか)どうかなど分からないことが多いが、ものは試しとエナメル系のつや消しブラックと溶剤を使ってみることにした。溝への墨入れなどで使われるらしく、今回の用途に近いのではないか?と素人なりに考えた。

 これに適当に極細の筆も買って、合わせて1000円もしないからコスト的な問題は無い。失敗してもそれほど痛手はないので気軽に挑戦できる。
 

 とは言え、手をプルプルと震わせながら慣れない塗装作業をした結果は以下の通りだ。
K-3 Mark III + DA20-40mm シルバー + ブラックフード塗装後

 おぉ! フードだけなんちゃってJet Black仕様になった!

 遠目にはまったく問題がなく完璧に文字の彫り込みを黒く塗りつぶすことができた。うむ、想像していたとおりなかなか格好イイ。細かすぎるカスタマイズだが自己満足度も高い。
 

DA20-40mm Limited 黒フード塗装後

 レンズ品名まわりもこの通りだ。赤字だった”HD”も”Limited”も、それ以外の白文字もすべて真っ黒になった。

 本来は溝に塗料を流し込みつつ、周辺に溢れた塗料を溶剤で拭き取るというのが墨入れ作業の正しい手順のようなのだが、思いのほかこのフラットブラックが良い感じなので、ベタッと側面全てに塗ったままにした。なので塗りムラもあるのだが気にしない。

 被せ式のフードを付けたり外したりしているうちに自然に剥がれていくかも知れないが、なすがままにしようと思っている。
 

 そう言えば、このレンズはせっかく買い戻したのにあまり稼働率が高くない。防湿庫から取り出したついでに久々に少し撮ってみた。 
禁煙 禁スケートボードPENTAX K-3 III, HD DA20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR(27mm), f4.0, 1/250sec, ISO200

コクーンタワーPENTAX K-3 III, HD DA20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR(40mm), f8.0, 1/500sec, ISO200
 なんだかただの試し撮りみたいになってしまった。

 同じK-3 Mark III用の標準域のレンズと言っても、DA★16-50mmF2.8PLMはとにかく性能に過度な期待をしてしまい、ついガチピンでカリカリの描写を求めがちなのだが、このレンズはゆるかろうがフワッとしようがそういうものだという気軽さがある。実際軽くて小さいし、Limitedだし、何しろ格好イイ。

 K-3 Mark III自体も何となくまだわかり合えてる気がしないのだが、レンズ含めてカリカリと気持ちを詰めすぎているのかも知れない。こういうレンズを付けてもっとゆるく付き合う方向を探していきたいと思う。


 

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