先週の金曜日(6月23日)に突如ニコンから以下のような発表があった。
ニコンミラーレスカメラ「Z 8」ご愛用のお客様へ | ニコンイメージング
どうやらZ 8の一部ロットにおいてマウント周りに不具合の可能性があるらしい。現象としてはレンズを装着してもロックされず、動作しないあるいは脱落の危険があると言ったところだろうか。「希な現象」と書いてあるのは多分その通りで、この問題が話題になっているようなことは自分の観測範囲ではまったくなかった。
もちろん自分のZ 8でもそのような現象が起きたことはない。所有しているレンズはすべてニコン純正のZマウントレンズばかり4本。使用頻度に偏りはあるが、この1ヶ月ほどの間に一通り取っ替え引っ替え使っていろいろやってみたが、レンズの装着で不審な現象が起きたことはない。
お手元のZ 8は本現象の……
ということで「まぁ大丈夫でしょ?」と思いながら↑上記のページから該当製品かどうか製造番号を入力して検索してみたところ……
当たっている!
その後Twitterなどでみていると、どうやら現時点で出荷されているほとんどのZ 8、特に発売日から数日以内に出荷されたと思われる初期ロットのZ 8はほとんどもれなく対象となっているようだ。なんということだ!
ニコンプラザ東京の修理サービスは予約制
実際のところ問題は出ていないし、まだ手に入れて1ヶ月しか経っていない蜜月期にZ 8が手元から離れてしまうのは寂しい。だから、そのうち様子を見てから修理に出そうというのが常識的な判断で、以下の事情がなければそうしていただろうと思う。
だが幸か不幸か(多分前者)、ちょうどこの問題が発表された翌日の土曜日(6月24日)に、ニコンプラザ東京の修理サービス受付の予約を別件で取っていた。
コロナ対策から始まった修理受付の予約制度は今も引き続き行われている。週末の予約枠はわりと一杯で、ふと思い立って予約をしようと思っても2週間先くらい先になってしまう。この6月24日の予約を取ったのもたしか3週間くらい前だった。それは自分の都合もあってそうしただけで3週間後しか取れなかったというわけではないのだが。
いずれにしろ絶妙なタイミングだったとしか言いようがない。
この予約を取った当初の目的はZ 5のクリーニングと点検だった。購入してから2年半、Z 5についてはこれが初めてのセンサークリーニングとなる。今でも普通に使ってる分にはゴミが目立つことはないのだが、たまにF16位まで絞るとポツポツとダストが見えるようになってきたので、そろそろやってもらおうと思っていたところだった。
当初の予定通りZ 5のクリーニングを依頼すると同時に、恐る恐るZ 8を取り出して「この件も一緒に受け付けてもらえますか?」と切り出したら、受付の方は「あっ!」という顔をされて「も、申し訳ありません!」と平身低頭平謝りされたという感じだ。
プリプリと怒る人もそりゃいるのだろう。あまりに謝られるのでこっちが恐縮して「とんでもないです、全然大丈夫です」と言っていたら、何かそれも変だな?と思い直したけどけどまぁいいか。
中2日でスピード修理&リターン
これから2週間くらいZ 8なしで過ごすのかー、しばらく写真はお休みだな…… と思っていたのだが、予想外のスピードで修理が完了しあっという間に手元に戻ってきてしまった。「しまった」というのはおかしいけど、実際そんな感じだ。
時系列で言うと以下のような流れとなる。
- 6月24日 午後1時頃:ニコンプラザ東京の修理窓口に預ける
- 6月26日 午後3時頃:SMSにてZ 8の修理が終わり返送した旨のメッセージが届く
- 6月27日 午後5時頃:自宅に修理が完了したZ 8が届く
とまぁ、こんな感じで日曜日を含む中2日で手元に戻ってきたことになる。「2週間」というのはかなりマージンをみたワーストケースだろうとは思っていたが、こんなに早いとは思わなかった。
恐らくタイミング的に本件に関する受付開始直後だったこともあり、まだそれほどキューがつまっていなかったのだろう。それにしても「なるはやで!」というニコンの意志はは感じた。
どこが修理されたのか?
さて具体的にどの部品が交換されたのか? あるいは調整されたのか?は明確にはわからない。一応窓口で「何を交換するのですか?」とは聞いたのだが、だいぶぼんやりとした感じで「マウントのロックピンやその裏にあるスプリングなどをごにょごにょ……」という感じだった。それ以上問い詰めてはいない。
修理から戻ってきたZ 8のマウント周りをざっと見たところ、マウントのリング自体は交換されていないように見える。まだほとんど新品同様と言いながら、レンズ交換した跡が少し残っているようなので、これはこの1ヶ月の使用中についた痕跡だろう。
窓口の人が言っていたとおり、その裏側にあるもっと細かい部品を交換するなり、あるいはもしかしたら「交換の必要がない」ことを確認するなりしたのだろうと思う。
Nikon Z 8, NIKKOR Z26mm f/2.8, f5.6, 1/125, ISO64
戻ってきたZ 8で一応試し撮りをした。もちろんだが普通に写る。
マウント周りを一度分解したと仮定すると、組み戻したときに精度がちゃんと出ているのか?という心配があるが、それはこれから使っていく中で確認していくしかない。そんなことはメーカー側がよく分かっているはずなので大丈夫だと思っている。
なおカスタマイズしまくったメニューもそのままの状態で戻ってきた。というより、メニューを開いたらメニューデータの保存とリストアの項目にフォーカスが合ったので、修理作業の前後でメニューの保存と復元が行われたものと思われる。さらに言うと、撮影データの連番もそのままだった。
おまけ:Z180-600mmに触ってきた
ニコンプラザ東京に行ったついでに最近発表されたばかりの新レンズZ180-600mm f/5.6-6.3 VRのサンプルが置いてあったので触ってきた。人気で行列になってるかと思えばそんなこともなく、すぐに触ってみることができた。
こんな感じでZ 9に装着されていた。フードも含めて見た目はやはり大きい。手にしてみるとそれなりに重たい。とは言え、手に持ってファインダーを覗いてしまえばスッとピントが合ってファインダー像も安定していて、操作感やホールディング含めてごく自然に扱うことができる。回転角に気を使ったというズームリングはほどよい重さで、特に苦労なくスッと回してあっというまに600mmの世界が眼前に広がる。
画像については見てないので分からない。ごく短時間触った感じでは実際に撮影現場で手持ち運用するのには何の問題もなく使いやすい超望遠レンズだろうなと感じた。フルサイズで600mm、APS-Cクロップすれば900mm相当となるこのレンズの威力は、超望遠を使いたい多くのアマチュアに取っては代え難い一本になるだろう。
もちろん欲しいとは思うのだが、このレンズを持ち運ぶ手段を別途用意しないといけないという「些細なこと」が今は気になっている。防湿庫のどこに納める?とかそういったこと含めて全体の運用を考えたときに自分にはまるだろうか?と。
せっかくZ100-400mmという素晴らしいレンズを手にれたばかりなところだし、導入はしばらく見送ってよく考えたいと思う。最近は入手困難な製品も減ってきたことだし、一通り行き渡って落ち着けばFマウントの200-500mmのように潤沢に出回るのではないかと期待している。