Zマウントで一番欲しかったレンズ NIKKOR Z 14-30mm f/4 S を手に入れた

2021-03-06

 昨年末にサブマウントとしてZマウントを導入して3ヶ月。ようやくと言うべきか、もうというべきか、2本目のレンズを手に入れた。このレンズは実は最初からずっと気になっていた一本で、むしろこのレンズが欲しくてZマウントにしたという面も少なからずある。そのレンズとは、超広角ズームのNIKKOR Z 14-30mm f/4 Sだ。


 Zマウントが登場した当初からロードマップに載っており、一昨年の春に発売されたので、情報も十分に出回っており評価は非常に高い。まさに大口径マウントの特長を存分に生かした設計で、ミラーレスだからこそ可能になった仕様のレンズだと言える。

 しかし製品情報を一見しただけではその特徴は分かりづらいかも知れない。もともとZマウントの製品にはそういう分かりにくい製品が多く、Z 5もその代表格だと思う。分かりにくいけど実は良いボディとレンズの組み合わせは、これまた最高にわかりにくくて良い。

NIKKOR Z 14-30mm f/4 S 開封

 ということで、いきなり最初にボディと一緒に買っても良いと思っていたのだが、そこはちょっといろいろな事情もあり3ヶ月たってようやく手にすることが出来た。どんなレンズなのか見ておこう。

NIKKOR Z14-30mm f/4 S の箱

 まずは箱だが、特になんてことはない。
 

NIKKOR Z14-30mm f/4 S の同梱品

 中身は紙類を除くとだいたいこんな感じだ。前後キャップはもちろんとして、フードとポーチが付いてくる。ポーチは緩衝用と言うより傷防止的な感じの、柔らかい素材で出来た袋になっている。このポーチはなかなか実用的ではないかと思う。
 

NIKKOR Z14-30mm f/4 S 鏡胴NIKKOR Z14-30mm f/4 S 前玉側と後玉側

 レンズ本体はこんな感じだ。超広角ズームでしかもワイド端が14mmなのに前玉が出目金になっていない。鏡胴は沈胴した状態で全長85mm、最大径は89mm、重量は485gしかない。

 そして開放F値は全域にわたってF4固定で、いわゆる小三元を構成する一本となる(Zマウントにはまだ小三元クラスの望遠ズームがない)。絞り羽根は7枚で円形絞りとなっているので、夜景撮影時の光条(光芒)は期待できない。
 

NIKKOR Z14-30mm f/4 S Sラインバッジ

 光学系は12群14枚のうち、EDレンズ4枚と非球面レンズも4枚使うという贅沢さ。ナノクリスタルコートも施されている。インナーフォーカス式で最短撮影距離は28cm(撮像面から)と、最大撮影倍率を云々するタイプのレンズではないが、十分に寄れる。

 Zマウントレンズの中では高級シリーズとなるS-Lineのレンズなのだが、小さなバッジが付いてるだけで外観は至ってシンプルだ。もしかしたら素材などに違いがあるのかも知れないが、S-Lineではない24-200mmと比べてもほとんど変わらない。レンズのデザインがイマイチなのはZマウントの大きな欠点のひとつだ。
 

Nikon Z 5 + NIKKOR Z14-30mm f/4 SNikon Z 5 + NIKKOR Z14-30mm f/4 S

 さっそくZ 5に取り付けてみた。フードが浅くて大きいくらいで、サイズ感としてはごく普通の標準ズームと言われたら信じてしまうくらいだ。Zシリーズのボディにぴったりで取り回しも良い。この組み合わせで約1kg程度となる。

 沈胴式で撮影開始に一手間かかるのはちょっと面倒かも知れないが、NIKKOR Zには沈胴式ズームがけっこう多い。光学設計に妥協せず、しかも持ち運びの利便性を考えてのことだろう。なお、使用時はワイド端で最長となるが、ズーム倍率は大きくないのでそんなに出っ張りはしない。
 

NIKKOR Z14-30mm f/4 S フィルター

 さて、このレンズの最大の特徴はワイド端14mmという超広角でありながら普通のねじ込みフィルターが使えるという点だ。前玉が巨大でな出目金ではないことが効いている。フィルター径は82mmとやや大きいが、PENTAX DFA 24-70mm F2.8と同じだったりするし特殊サイズではない。

 あまり枠が分厚いとダメかも知れないが、とりあえずDFA24-70mm用に持っているC-PLとND16は使えるようだ。普段保護フィルターなどは使わない派だが、ここぞというときにC-PLやNDが使えるのはとても嬉しい。森の中の渓流のようなところでサラサラと水が流れる奥入瀬っぽい写真を超広角で撮りたいではないか。
 

さっそく少し撮ってみた

 超広角レンズは、その辺の散歩に持ち出しても気軽に使えるわけではないのだが、試し撮りを一通りしてみた。

木場公園大橋Nikon Z 5, NIKKOR Z 14-30mm f/4 S(14mm), f11, 1/640sec, ISO100, -0.3EV

袖ケ浦から眺める東京湾と夕陽Nikon Z 5, NIKKOR Z 14-30mm f/4 S(25.5mm), f16, 1/250sec, ISO100, -1.0EV

超広角の河津桜Nikon Z 5, NIKKOR Z 14-30mm f/4 S(14.5mm), f4.0, 1/1000sec, ISO100, +0.3EV
 とまぁ、こんな感じだ。遠景を絞り込んでも良いし、グイッと近寄ってパースを強調するのもいい。F4開放にすればそれなりにボケるし、デジタル補正されてるとは思うのだが縦横真っ直ぐビシッとしている。もちろん解像も隅々までカッチリだ。太陽をフレームの端っこに入れてもゴーストの気配さえない。その辺はさすがに最新のレンズだ。

 それがこんなに小さくて軽くて、まだ試してはいないがC-PLだってNDだって使えるのだから最高だ。これを持ってどこかに出かけてみたい。

早くも次の一本を考える

 ということで、これでZマウントのレンズは14-30mmと24-200mmの2本となった。フルサイズで14mmから200mmまでカバーする超小型軽量お気軽セットのできあがりだ。

Nikon Z 5

 これで重量はわずか1.7kgほど。愛用しているPeak Designの10Lスリングバッグなら余裕で収まる。ミラーレスであれば他社でも同じようなものだと思うが、こんなにカジュアルにフルサイズを楽しめるというのは、なかなかすごいことだと今さらながら関心してしまったのは、一眼レフに固執していたが故かも知れない。

 それはわざと一眼レフでは体験できないようなレンズを選んでいるからなのだが、こうなると次の一本がまた欲しくなってくる。さてさて、どうしたものか?
 


 

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