あしかがフラワーパークのイルミネーションを見てきた

2019-12-27

 巨大な藤棚で有名な「あしかがフラワーパーク」では、花の乏しい冬のこの時期になるとイルミネーションで客を集めている。その人気は大藤満開の時期にも匹敵するほどだ。一昨年に一度イルミネーションの時期に訪れたことがあるのだが、今回混雑を承知の上で2年ぶりにまた行ってみることにした。

 誰が決めているのかよく分からないが、日本三大イルミネーションのひとつに数えられ、イルミネーションアワードなる賞でも第1位を4年連続で獲得しているというのだから、イルミネーションとしては規模も質もかなり高いと言える。

大藤棚イルミネーションの多重露光PENTAX K-1改, HD DFA 15-30mm F2.8ED SDM WR(15mm), f5.6, 1/4sec, ISO200, +0.3EV
 大藤棚はそのまま藤をイメージしていて、青いLEDがたくさんぶら下がっている。本物も良いけれどもこれもなかなか幻想的だ。ちなみにこの写真は、多重露光というか玉ボケの別カットと比較明合成してみた。
 

藤のイルミネーション電球PENTAX K-1改, FA 31mm F1.8AL Limited, f2.0, 1/400sec, ISO200, -0.3EV
 ただLEDを光らせているだけではなく、一つ一つはちゃんと藤の花の形をしているという手の込みようだ。そして長さもだいたい本物と同じくらいだ。大人なら普通に歩いていると頭に当たる程度に低く垂れている。
  

黄藤のイルミネーションPENTAX K-1改, HD DFA* 50mm F1.4 SDM AW, f1.4, 1/125sec, ISO100, +0.7EV
 大藤が見頃の時期はまだ黄藤が咲いていない。なので実は黄藤のトンネルは本物を見たことがないのだが、イルミネーションはこの通り、黄藤のトンネルは黄色いLEDに覆われていた。なんだかすごい!
 

大長藤イルミネーションのリフレクションPENTAX K-1改, HD DFA 15-30mm F2.8ED SDM WR(19mm), f4.5, 1/40sec, ISO800, 0EV
 大長藤の棚もこの通り。輝度が高いだけにもしかして本物よりも写真映えするかも…? などと思ってしまう。微妙な大長藤の色の再現度もかなり高い。
 

藤の木の幹とイルミネーションPENTAX K-1改, FA 31mm F1.8AL Limited, f5.6, 1/60sec, ISO400, -0.3EV
 まばゆい光を放つイルミネーションを支えているのは藤の木だ。台風19号であしかがフラワーパークも浸水したというニュースがあったので心配していたのだが、どうやら木は大丈夫そうだ。来年もしっかりきれいな花を咲かせて欲しい。
 

幻想的なイルミネーションPENTAX K-1改, HD DFA 15-30mm F2.8ED SDM WR(15mm), f7.1, 1/30sec, ISO1600, 0EV
 藤棚以外にもたくさんイルミネーションがある。というか、園内全域光り輝いている。どこもかしこも映えすぎていてとにかくすごい。
 
 ちなみにこれは後処理ではなく、撮影時に多重露光モードに設定しカメラ内で合成している。しかもベース画像は15-30mmで撮影し、そのまま2枚目撮影前にレンズ交換し、玉ボケは50mmF1.4で撮るという小細工をした。ちょっと玉ボケがうるさいがまぁまぁ思った通りの仕上がりだ。
 

バラのイルミネーションPENTAX K-1改, FA 31mm F1.8AL Limited, f5.6, 1/60sec, ISO400, -0.3EV
 多重露光なんてしなくても、明るいレンズがあれば背景の玉ボケはたっぷり楽しめる。

 DFA24-70mmは非球面レンズの特性が強く、玉ボケが年輪状になりやすいが、FA31mmは非球面レンズを使ってるとは言えそれほどでもない。
 

玉ボケPENTAX K-1改, HD DFA* 50mm F1.4 SDM AW, f1.4, 1/60sec, ISO200, -1EV
 そしてDFA★50mmF1.4に至っては、本当にボケがクリーンで綺麗だ(良ーく見ると年輪はあるけど)。周辺部のラグビーボール形状も穏やかできれいだ。このサイズと重量の意味はこういう部分にあるのだろう。
  

大藤棚のイルミネーションPENTAX K-1改, FA 31mm F1.8AL Limited, f5.6, 1/60sec, ISO800, -0.3EV
 他にもまだまだ一杯きれいなイルミネーションがあったのだけど、やっぱり藤をイメージしたヤツが一番好きだ。

 青いLEDは輝度も色純度も高いので、カラーフィルターによる色分離式のセンサーにとってはかなり厳しい被写体だ。画像処理およびJPEGエンコードと相まって階調がまったく出なくなる。14ビットRAWをストレートにデモザイクしただけならまだちゃんと見れたりするのだが、見た目どおりの写真に仕上げることは難しい。

 イルミネーション撮影は、ほとんど被写体力に頼ることになるのだけど、とても極端な条件だし上手く撮るのは難しくて結構楽しい。特に大きな玉ボケを作るのは本当に楽しい。

 六本木とか表参道とか渋谷とか丸の内とか、都内にもイルミネーションスポットはいくつもあるし、またイルミネーション写真に挑戦したい! …と言いたいところだが、もう今冬分はこれで十分満足した気がする。また来冬!
 


 あじかがフラワーパークのイルミネーションは2月6日までやっている。ちなみに駐車場入場の混雑を避けるには開園前(午後3〜4時)に到着することをお勧めする。着いてから日が暮れるまで中でゆっくり待っていれば良いのだ。この時期、せいぜい日没まで1時間程度だ。

 園内の混雑はピーク時間帯でも藤の時期ほどではないからあまり心配は必要はない。ゆっくり見て回るのはもちろん、手持ちで写真撮るのにそんなに苦労はしないと思う(三脚立ててじっくり… というのは無理)。
 

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