リコーイメージングスクエア東京の思い出と一眼レフの未来

2022-03-20

 ここ最近(と言っても数ヶ月単位の話)、リコーイメージングというかPENTAXブランドの一眼レフカメラの将来に関わる重要な発表がいくつかあった。

 1月20日に「生まれ変わります!」という宣言があり、3月1日にはそれに関連すると思われる、いくつかの具体的な動きが発表された。全体的には(何度目かの)事業再編が行われていることを感じさせる内容だが、中でも界隈を少しザワつかせたのは、東京と大阪にあるリコーイメージングスクエアの再編の話だ。

リコーイメージングスクエア東京

 3月1日付けのリリースの文章は回りくどくてどうも理解しにくいのだが、どうやらリコーイメージングスクエア東京は、今年中に現在の新宿センタービルを引き払い、規模を縮小した上で別の場所へ移動するようだ(引っ越し先は未定)。そして大阪については残念ながら閉鎖されると思われる。

 ということで、サービス窓口に相談したい野暮用もあったので、3月上旬のある日、これが最後になるかも知れないという思いで、新宿のリコーイメージングスクエア東京へ訪れてみた。
 

リコーイメージングスクエア東京の思い出

 そもそも長い歴史を持つPENTAXなので、サービス拠点の変遷もいろいろあるわけだが、自分がK-7を初めて手にしてから、何かの理由でサービス窓口を利用したときはもうすでに現在の場所にあった。当時はまだリコーとは無関係な時代であり、名前も「ペンタックスフォーラム」と呼んでいたと思う。

リコーイメジングスクエア東京サービスカウンターと展示品

 その後の変遷とともに名前や展示物や内装は変わりつつも、サービス窓口のカウンターは相変わらずずっと同じところにあって、基本的には入り口を入ってすぐの景色はあまり変わっていないような印象を持っている。

 SNSやブログには書かなかった(書けなかった)ことを含め、このカウンターではいろいろな相談やクレームやお願いをしたことを思い出す。幸いここで嫌な思いをしたことはほぼない(カウンターの向こうの人たちには嫌な思いをさせたかも知れない)。
 

リコーイメジングスクエア東京奥の部屋

 奥の部屋はセミナーやちょっとしたイベントなどが行われる多目的スペースとなっており、物販などの展示と販売も行われている。昔はこっち側でも製品の展示が行われていたこともあったと思う。
 

リコーイメジングスクエア東京書棚

 リコーイメージング公式のYoutube動画(特に対談もの)などでも登場する大きな書棚も奥の部屋にある。写真集などがずらっと並んでいて、見る人が見ればお宝の山なのかも知れない。

 そして写真はないのだが、ギャラリーも2部屋併設されている。ギャラリーは引っ越しを待たず今月末で終了してしまうそうだ。写真文化に携わるカメラメーカーとしてギャラリーを手放すのは苦渋の決断だったと想像する。ただ、常設はたしかに難しい時代なのかも知れない。
 

リコーイメジングスクエア東京 在庫一掃セール

 さて、3月に入ってから感謝祭と銘打ってアウトレット品等の一掃セールが行われている。ちょうど訪れた時には、惜しまれつつもディスコンとなってしまった5656も2本出ていた。幸か不幸か縁のあるレンズではなかった。ちなみにこの5656はその後まもなくこの台の上から消えたようなので、売れたのだろうか?

 縁がなかったと言えばKPもそうだ。今さら手にしても良いかも?とちょっとだけ思ったのだが、衝動買いするには至らなかった(シルバーだったらあるいは…)。

 感謝祭はまだしばらくは行われていて、出品される商品も随時追加や入れ替えがされているらしい。タイミングが上手く合ってしまうと気絶してカードを差し出すことになっていたかも知れない。
 

PENTAXマグカップ

 結局のところ新宿のリコーイメージングスクエア東京の記念品としては、シンプルなPENTAXマグカップを買ってきた。以後、毎朝のコーヒーはこのマグカップで飲むことにしている。

 実はスクエアで買い物をしたのはこれが初めてだったと思う。なのでこのマグカップを買う際に初めてポイントカードなるものをもらった。このタイミングでわざわざ作ってくれたと言うことは、引っ越し後の新しいサービス拠点でも物販は行われるのだろうか。
 
 幸い東京に住んでいるので、よほど変な場所でなければ引っ越し後も今まで同様に必要なときには窓口まで行くことができるはずだ。小さくなるのは仕方がないが、まだこれからもリコーイメージング製品で写真を撮り続ける限りはお世話になることだろう。とりあえず引っ越し先がどこなのかが気になる……。

一眼レフの未来とは?

 以下はおまけの戯れ言だ。

 そんな状況の中、3月13日には「一眼レフミーティング2022」なるオンラインイベントが開催された。これまでの「PENTAXミーティング」的なイベントとは違い「一眼レフ」という大きな主語を持ってきたことにやや驚きを感じた。

 事実上他社が一眼レフから撤退してしまった今こそ、そこに取り残されてしまった一眼レフユーザーを根こそぎ刈り取る!ということだろうか。そのくらいしたたかであって欲しいと思う。

 そして3月13日の午後、約2時間半に及ぶこの「一眼レフミーティング2022」を視聴した結果、正直な感想を言うと……自分が(勝手に)期待していたものとはちょっと違っていた。K-1 Mark IIIや新レンズの情報が何もなかったとか、そういう「いつもの文句」を言いたいのではない(いや言いたい)。
 
 それよりも、このイベントからはリコーイメージングの考える「一眼レフの未来」がどっちの方向を向いているのかが良く分からなかった。もっと端的に言うと、過去を向いている?とさえ感じられてモヤモヤとしたものだけが残った。 

リコーイメージングスクエア東京のディスプレイ

 フィルム/デジタルを問わずオールドレンズやクラシックカメラを楽しむという文化は昔からあるし、もちろんこれからもあるだろう。むしろあるべきだ。「一眼レフ」そのものが望むと望まざるとに関わらず、そういうノスタルジーで語られる括りに片足を突っ込んでいるという現実も分かる。でもでも……

 しかし「一眼レフの未来を創る」と宣言した PENTAX STATEMENT はそういう流れに抵抗し、一眼レフ機の進化を世に問い続けていくものだと理解している。昨年登場したK-3 Mark IIIがそうであったように。そしてまだ見ぬK-1 Mark IIIもそうであって欲しいと期待している。

※ 私個人の感想です。一眼レフに期待するものは人それぞれであり、異論が多々あることは十分に理解しており、また尊重いたします ※
 
【2022年3月22日追記】
Youtube上にイベント動画が公開されたので以下に貼っておきます。


 

2022-03-20|タグ:
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