東京の桜は散った。ここで言う「桜」とはソメイヨシノのことだが、今年は咲き始めてから一気に満開を迎えたと思ったらすぐに散り始めてしまったし、お天気もイマイチ恵まれなかった。
たぶん散るのも早くてすぐに桜の木は緑色になり、そこに桜があったことも忘れるような初夏の景色が間もなくやってくるのだろう…と思っていたのだが、1週間以上経って散歩に出かけてみると、まだあたりには桜吹雪が舞っていた。
なんだ、桜の季節はまだ続いていたのか。今年の花は意外に長持ちしたようだ。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 40mmF2, f3.5, 1/2000sec, ISO100
4月ももう中旬になろうとしており、夏日かというほど気温が上がる日も増えてきた。空は花粉が飛んでいるのかスッキリとせず霞んでいる。そんな淡い光の中に咲き遅れたソメイヨシノは溶け込んでいる。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 40mmF2, f2.2, 1/1000sec, ISO100
その他のほとんどの木ではすでにこんな状態になっている。赤い額が残っている上にまだ葉がそんなに出てきていないので、遠目にはソメイヨシノの木はまだ赤く見えたりする。しかしこの状態こそほんのわずかな一時のことで、来週には新緑にかき消されているかも知れない。
PENTAX K-1 II SE, HD FA31mmF1.8 Limited, f8.0, 1/400sec, ISO100
八重のしだれ桜はまだ十分に花が残っていた。しかし、やはりピークは過ぎている。しだれ桜越しの木場公園大橋と花壇と東京スカイツリーの景色には今まで気がついていなかった。それこそ毎年見ているはずの場所なのに。来年もっとピークの時に再挑戦したいと思う。
さて、いい加減に桜はこのくらいにしておいて、いつもの散歩コースを巡ってみる。うっかりパーカーを羽織ってきてしまったら汗をかくくらいの陽気だった。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 40mmF2, f2.2, 1/1000sec, ISO100
いつの間にかチューリップも咲いていた。これもまた青空に良く合う。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 40mmF2, f2.0, 1/6400sec, ISO100
見上げるくらいの大きさの木に白い花がたくさん咲いていた。木の幹にかかってた札には「マルメロ」と書かれていた。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 40mmF2, f6.3, 1/320sec, ISO100
すでにすっかり葉を付けた梅の木が並ぶ一角に、今ごろ赤い花を咲かせている妙な木があるな… と思って見に行ったのだが、こちらには名前が書かれた札はかかっていなかった。後で調べてみると、どうやら梅ではなくて桃の仲間で菊桃というらしい。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 40mmF2, f2.0, 1/8000sec, ISO100
そして4月の中旬から後半の花と言えば定番になってきたのがネモフィラ。最近植えられるようになったのか、以前からあったのに自分が最近気がつくようになっただけなのかは分からないが、ちょっとした花壇的なところで見かけるようになった。ひたち海浜公園の見渡す限りの青い丘とはだいぶスケールが違うけれども、寄って撮ってしまえばだいたい同じになる。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 40mmF2, f2.0, 1/2500sec, ISO100
秋から冬にかけては、立ち枯れた草の残骸のようになってまったくその存在感を感じさせない紫陽花にいつの間にか新たな葉が付いていた。昨年咲いたビンテージの花はそのままに。1ヶ月もすれば雨を待ち望む紫陽花の気配がかなり強まってくるのだろう。
まったく1年なんてあっという間に過ぎてしまうわけだ。