単体発売されたRICOH GR IIIx Urban Editionを手に入れる

2022-07-27

 GR IIIの派生モデルとして昨年登場したGR IIIxをようやく手に入れることができた。欲しいとは思いつつも自分の中では優先順位はあまり高くなくて先送りしていたのだ。その口実として「カラバリの単体モデルが出たら買う」ということにしていたのだが、このたびGR IIIxのカラバリたるUrban Editionの単体売りが始まってしまった。

 Unrban Editionは先に革ストラップと文字入れ可能なホットシューカバー付きのSpecial Limited Kitなるものが数量限定で出ていたのだが、そういった特別な付属品がないUrban Edition単品モデルは、なぜか数量限定ではなくレギュラーモデルになるという。GR IIIのStreet Editionは単体モデルも台数限定だったのに。

RICOH GR IIIx Urban Editon

 ならば今じゃなくてもいいか……と、再先送りの可能性を考えつつ、どうせ買うなら早い方が良いかと思い直して予約開始日にポチった。

 その後「想定を上回るご注文をいただき〜」という決まり文句とともに納期遅れの可能性が発表されたが、自分はかなり早い段階で発注したのでちゃんと発売日に届いた。配達が夕方遅くなってからでヤキモキしたけれど。
 

RICOH GR IIIx Urban Editonの箱

 そういえばGR IIIの箱もこんな感じだったな、という渋い色調の箱だ。Urban Editionの専用箱になってるところは芸が細かい。こういうところは手を抜いても良いのに、と思う派だがもちろん悪い気はしない。

 同梱物一覧写真はざっくり割愛する。本体とUSB Type-A出力のACアダプター、USB A to Cケーブル、専用充電池DB-110、ストラップと分厚い紙の説明書が入っていた。充電は本体充電が基本で、USB Type-C入力の充電器BJ-11は別売りだ(既に持っている)。電池以外は使わないので箱にそのまましまっておいた。
 

RICOH GR IIIx Urban Editon 前面

 さて本体を早速取りだして眺めてみる。全体的に青みが強くかかったダークグレーの外装に暗めのブルーのリングがついている。なかなか渋い外観だ。

 この塗装はアスファルトをイメージしたものだそうだ。そう言われるとそう見えてくる気がする。レンズユニットやボタン、ダイヤルなどのパーツは特に特別な塗装はされておらず標準品とおなじブラックだ。

RICOH GR IIIx Urban Edition ロゴ画面

 あと、電源OFF時にアスファルトのテクスチャ付きのUrban Editionロゴが一瞬表示されるという小技も入っている。そういうところは手を抜いても……(以下略
 

RICOH GR IIIx Urban Editon 背面 
RICOH GR IIIx Urban Editon の上面

 背面と上面。操作系はもちろん変わらない。良いモノ感に溢れていて超格好イイ。もちろんマグネシウム合金製なのは変わらず、とても手触りも良い。
 

RICOH GR IIIx Urban Editon のGRロゴ

 そしてボディ正面に向かって右下にある大きなGRロゴが黒い(標準品はグレー)。だからカラバリとは言え、ボディカラー含め全体的にスナップシューターとして目立たないことを重視したGRのコンセプトには沿っている。

 ちなみに個人的な意見だが「Urban Edition」というのはちょっとダサい名前だなと感じている。アーバンって。原単語の意味とは別に日本語の文脈では使われすぎ、擦られすぎていて野暮ったい印象しかない。
 

RICOH GR IIIとGR IIIx Urban Editon

 GR IIIと並べてみた。赤いリングはGRのコンセプトに反してるかも知れないが、好きで勝手に付けたものだ。レンズの出っ張り具合など細かい違いはあるのだが、この通りIIIとIIIxはほぼ同じフォルムをしている。操作系も機能も全く同じで、両方ともブラックボディだとかなり混乱しそうだ。GR IIIxを買うならカラバリと決めいていたのはそういう意味もある。

 なお、これは自分の個体の問題だと思うのだが、古いIIIと新品のIIIxを並べて使ってみると、IIIxのほうが液晶が明るい。気がするレベルではなく明確に明るい。もちろんアウトドアモニターは両方ゼロの状態でだ。なにか改善が入ってるのか、単に手持ちのIIIが古くて劣化してるだけなのかは分からない。

 あと、自分のIIIの無線関連機能はやはりおかしいと言うことを確信した。IIIxは本来の仕様通り適切な設定をしてあればImage Syncの操作だけで画像を安定して転送することができる。IIIはBluetooth経由のWi-Fi起動に5回中4回くらい失敗する。これは電源の問題で修理に出していこうデグレードしたものだ。一度再修理してもらったのだが、もっと粘って再々修理してもらうべきだったか……
 

RICOH GR IIIx Urban Editon 黒リング

 さて閑話休題。Urban Editionのパッケージには実は通常品と同じと思われるブラックのリングもついている。より渋く、目立たずに使いたいならこっちに付け替えるのもアリだと思う。
  

 ということで、さっそく少しGR IIIxで写真を撮ってみた。フルサイズ換算40mm相当のGRというのはどんな感じなのだろうか?
爽やかな青空RICOH GR3x, f8.0, 1/160, ISO100
 爽やかな青空。夏天とは真逆の爽やかさ。もちろんオーバー目で撮ってそう仕上げたからなのだが。
 

市原SAのアイス屋RICOH GR3x, f5.6, 1/320, ISO100
 千葉のとあるサービスエリアの売店。暑そう。

日陰のレモラRICOH GR3x, f2.8, 1/800, ISO100
 微妙に暑い日陰で飲むサイダー。暑そう?涼しそう?
 

ソテツの雄花RICOH GR3x, f2.8, 1/800, ISO100
 ソテツの雄花。グロい感じがしなくもない。でも南国の夏らしい雰囲気だ。大きなものなのでマクロモードではないが、グイッと近づいて前ボケも入れてみた。思ったほど量は多くないが穏やかで悪くない。
 

海を見るRICOH GR3x, f8.0, 1/80, ISO100
 海を見ながらアイスを食べたら美味しいよね。敢えて色を消してしまう。
 

東京湾RICOH GR3x, f5.6, 1/500, ISO100
 毎夏ごとに何度も書いてる気がするけど、東京湾の景色も悪くない。というかとても綺麗だ。これも明るく爽やかにしてみた。
 

RICOH GR3x

 まだ使い始めて1週間も経っていないのだが、何というか「なんかカメラはもうこれだけで良いんじゃないかな?」と思い始めている。それは最近写欲減退中であることが多分に影響しているとは分かってはいるのだが。それにしても40mm相当の画角はしっくりくる。

 だがそれは画角だけの問題ではない。K-1 Mark IIに40mmや43mmをつけても、Z 5に40mmをつけてもこういう感覚にはならない。これはこのサイズ、重さ、使用感の中に40mmという少し狭い画角が組み合わさっているからだと思う。つまりGRのパッケージだからこそなのだろう。それを言ったら28mmのGRからずっとそうだった訳で何を今更という話なのだが、ともかく画角を揃えたごっこ遊びは遊びに過ぎなかった。

 そう考えていくと、もはやセンサーサイズがどうとか、そこから生み出されるボケがどうとか、そういうことはGRにとってどうでも良いことなんだと何となく分かってきた。GRをフルサイズ化することはたぶん(ほとんど)意味がない。むしろ1インチに縮小してでもこのサイズの中にEVFが入ってると良いとさえ思えてくる。もちろんAPS-Cのままで来たら最高だけど。

 いきなりGRを分かったようなことを書き並べたが、28mm相当のGR IIIでは今ひとつ理解し切れていなかった「GRの良さ」なるものが、このGR IIIxを触った瞬間にいろいろと感じるところが出てきたのが我ながら面白いと思っている。GR IIIにはあまり嵌まらなかったのだが、こっちは嵌まるかも知れない、と。

 なにもスナップを撮る、それもストリートスナップを撮るだけがGRではない。日常持ち歩いて「あ!」と思った瞬間にスマホではなくてGRを取り出して写真を撮る……みたいな生活が豊かな写真ライフ(のひとつのあり方)ではないかと思えてきた。そういう人に私はなりたい。

 「カメラはもうこれだけで良いんじゃないか」と思ったとりとめのない思考の流れはそんな感じだ。もちろん本当に「これだけで済む」とはまったく思っていない。
 



 

2022-07-27|タグ: ,
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