タイトルは石垣島出身のエンタメバンド「きいやま商店」の「Sea side 島 drive」という曲にインスパイアされている。この曲を聴きながら実際に石垣島の西海岸をドライブするというささやかな目標を達成してきた。
実際にはそれ以外のところもあちこち行ったので、その話だけということではなく、今回の旅でも拠点とした石垣島であったあれこれ、特に食事に関して記録しておこうと思う。時間の前後関係はバラバラだ。
雨の川平湾はそれでも美しかった
ここ最近たびたび訪れている石垣島だが、毎回必ず足を運んでいるのがなんだかんだで川平湾だ。石垣島一の景勝地であり、ここはどうしても外すことが出来ない。
しかし残念ながら今回は到着時点で「豪雨」と言っていいほどの雨が降っていた。何とか展望台までたどりついて川平湾を一望してみたが、これが負け惜しみでも何でもなく、何とも言えない風情のある美しさだった。
もちろん晴れているのが一番良い。夏のスコール直後で虹でも出たら最高だろう。しかし雨でも浜は真っ白で海はエメラルドグリーンだった。
さて大雨であちこち絶景ポイントを散策というのは難しいので、こういう場合はどこかお店に入って食べ物を楽しもうということで、やってきたのは川平湾周辺の有名店、公園茶屋だ。川平湾には何度も来たことあると言うのに、このお店に入るのは今回が初めてだ。お昼時だったがそんなに混んでいなかった。
前日に訪れた西表島の星砂の浜の食堂と同様にローカル感にあふれている。こちらは店員の方々の愛想がとてもよい(どっちが良いとか悪いとかではなくキャラが違う、という意味で)。ここでは「ソーキそば」にしようと思っていたのだが、メニューを見ていて気が変わってしまった。

意を決して注文し、目の前にやってきたのは「てびちそば」だ。その名の通り「てびち」が入っている。「てびち」とは要するに豚足のことだ。地域によって料理の仕方に少しずつ違いがあるのかもしれないが、豚足含めて何しろ初めて食べるのでよく分からない。「骨はここに出してね」と小皿が付いてきた。
豚の足と分かっているせいか、見るからにそうとしか見えないビジュアルがちょっとアレだが、ホロホロでプルプルのコラーゲンの塊だった。肉感もないし、かと言って脂とは違って全然しつこくない。これは今後沖縄や八重山に来てメニューに「てびち」を見つけたらとりあえず発注してしまいそうだ。
初心者にとってもスープから麺に至るまですべてがバランスしていて美味しかった。特に麺は今まで食べた中ではもっとも気に入ったと言っても過言ではない。メニューにはそば以外にも定食類が揃っている。あとカレーとか。次回はぜひ「ポークたまご」あたりを食べてみたい。
裏川平にも初めて訪れてみた。なるほど、こういうところなのか。県道79号線沿いにある小さな駐車場から500mくらい歩いて行くと海に出ることができる。恐らく川平湾の一番奥深いところに位置しており、対岸にはグラスボートが並び展望台のある中心地が見通せる。
なるほど、天気が良ければここからの眺めは素晴らしいだろう。管理されていない割りに砂も真白で綺麗だった。漂着物もあまり見かけないのは湾の奥だからとは思うが、実はちゃんと管理されているのかもしれない。
駐車場へ戻る道は緩やかな上りになる。分かっていたことだがこれが地味に足に効いてくる。無理せずゆっくり戻らなくては。
シトシトと雨が降る中、背の高い草木に囲まれた細いぬかるんだ道を歩いていると、なんだかちょっと心細くなるとともに、いかにも八重山の離島の遠い遠い場所へやってきたなとしみじみと感じられ、この空気感にじんわりと感動してしまう。周囲はさとうきび畑が点在しているようで、この道も本来は農道なのかもしれない。
この感覚はただきれいな珊瑚礁の海の絶景を見て感動するのとはまた違う。どこかでみた写真と同じような景色のコピーを自分で手にしたカメラのファインダーの中に見てシャッターを切るのとは違う、初めて見るこの何でもない目の前の光景をすべて写し撮れる気がしなくて、不安になりながらシャッターを切る。
ここには人の生活と自然のせめぎ合いの痕跡があり、ただ美しいだけではない厳しい自然の一部なのだと。
大雨の底地ビーチをロケハンする
川平湾の観光地エリアからさらに集落の奥の方へ入っていった先に石垣島でも有名なビーチのひとつ、底地ビーチがある。周囲はリゾートホテルもなにもなく、入場料も駐車料金もない。遠くからやってきた観光客向けというよりは、地元石垣市民が利用するビーチとも言われている。
でも超有名。観光ガイドにも載っているし、冒頭に書いたように石垣島を歌った音楽の歌詞にも出てくる。だからどんなところなのか一度来てみたかった。
雨はさらに強くなりいろいろと厳しくなってきた。しかし底地ビーチを見ておかなくてはという使命感で、誰一人いない雨の中ウロウロと歩き回る。
このビーチの特徴は他と違って砂浜のすぐそこまで森になっていることだ。そして、海の家的なものからシャワー、トイレ、その他遊具などはすべて森の中にある。その先、砂浜の領域はほんの少しで(潮目によるかもしれない)決して広大な開けたビーチではない。しかし、ゆったりと弓なりの湾の奥にあり、海は遠浅なのだろう。風が吹いてそれなりに荒れた天候の中でも、海は静かで穏やかだ。
なお晴れていたらこんな景色が見られるらしい(Free素材より)。
この森を抜けた先に砂浜と海が広がているという独特の環境がこのビーチを特別なものにしているようだ。場所と雰囲気はだいたい分かったので、ハイシーズンとは行かなくても良く晴れた暑い日にやってきて、このビーチの本領を体験してみたい。そして日が暮れてきたらトンネルをくぐって米原ビーチに行って夕陽を見るのだ。
石垣の中心部を散策する
これまで石垣島を訪れたときはビーチ沿いのリゾートホテルにばかり泊まっていたが、今回は初めて市街地の真ん中あたりに宿をとった。離島ターミナルもユーグレナモールも730交差点もなんとか徒歩圏内だ。
昼は晴れていても夜になるとパラパラと雨が降るみたいな日も多かった。気温は暑くもなく寒くもなくちょうど良い感じ。むしろ着るものにちょっと迷うところだが、Tシャツ短パンサンダルで問題はない。
離島ターミナルから旧市役所、ユーグレナモール付近の中心部繁華街一帯を、時間を気にせずあてどもなく散歩して巡るということをしたのは初めてだった。昼と夜でやっているお店の様相はガラッと変わる。さらに深夜になるともう一段変わるのかもしれない。見知らぬ街の探索は楽しい。あれ?ここはさっきも来たぞ……みたいなことを何度か繰り返してしまう。
ここでもやはりそばを食べておきたい。ということで、「島そば一番地」という有名店にやってきた。思ったよりもこぢんまりとした店構え、内部の席数もそれほど多くない。ファストフード系だというのに、どこかのんびりとした雰囲気だ。夜営業の時間帯だったからだろうか。
接客はほしずな亭と公園茶屋のちょうど中間という感じのツンデレ具合だった(何度も書くがそれ自体どっちが良いとか悪いとかではない)
今度こそ「ソーキそば」を……と思っていたのだが、メニューには「三枚肉そば」という気になるものもあって、気がついたら結局「八重山そば」を頼んでいた。やはりベーシックをまずは確認しておきたい。あっさりしたスープ、少し角張った独特の麺、とても美味しかった。那覇に支店があるという人気ぶりがよく分かる。
一応夕食だったので、オリオンビールとともにおつまみのつもりで「海ぶどう」もいただいた。海ぶどうは値上がりしているのだろうか?この小さな小鉢で500円となっている。しかしただの添え物ではない本気のおつまみとしての海ぶどう。内地にはないし、かといって沖縄の人も食べないものの代表格らしいのだけど、食感とうっすら海の潮の香りがするところが大好きで、美味しくいただいた。
また別の日には、730交差点のすぐ近く、石亭というお店へアグー豚のしゃぶしゃぶを食べに行った。
バラ、ロース、モモと3種類の部位の盛り合わせ。それにシークヮーサーポン酢とごまダレの組み合わせすべてを試していると、あっという間になくなってしまった。どれも甲乙付けがたいがロースが一番食べ応えがあって、ごまダレにつけるのが好きだ。思いのほかビールが進んでしまった。
その他いろいろ
最後にその他の細かいトピックを並べておく。
玉取崎で食べた石垣牛バーガー。これがちょっと想像を超える美味しさだった。遠慮してシングルで頼んだのだけど、これならダブルでも食べられたかもしれない。
バンナ公園の一角にある八重山戦争マラリア犠牲者慰霊碑。西表島で忘勿石を見たからにはここにもお参りしておかなくてはならない。この場所は「石碑の森」と名付けられて、他にもいくつか戦争関連の慰霊碑が建っている。
八重山諸島は亜熱帯海洋性気候とあって、晩秋〜冬のこの時期でも意外なくらいいろいろな花が咲いている。ハイビスカスやブーゲンビリアは通年だし、トックリキワタとかオオベニゴウカンとか、今まであまり見たことないような花もたくさん目にした。
今回宿泊したホテル。八重山図書館のちょっと奥の方にある。旅系Youtubeを見ていて気になりチェックしてあったところだ。
朝食も美味しく、バータイムにはフロントロビーに無料ドリンク(主に泡盛)も豊富にあって、部屋も広くてなかなか居心地がよかった。土曜の夜は無料ライブも開催されるなどなかなかきめ細かいサービスがあるわりにそんなに高くない。市街地泊は初めてだったが、離島ターミナルを中心に行動するなら選択肢としては悪くないと思う。
空路は往復ともに那覇経由とした。遅れリスクを考慮して乗り継ぎ時間は+1時間余計にとっておいたので、那覇空港でゆっくり出来てむしろ楽ちんな気がする。
なお、那覇空港にはバス搭乗ゲート(28番ゲート)のフロアに2個目のサクララウンジがあるということを今回初めて知った。今回往路の那覇ー石垣便が沖留めスポットでバスによる搭乗だったので、たまたま発見し利用することができた。別にバス利用じゃなくても入れるらしいので、今後メインのラウンジが混雑して空気が悪いときの選択肢として覚えておこうと思う。
那覇周辺は行きも帰りも良く晴れていたのだが。左は那覇空港を石垣に向けて飛び立った直後に見えた座間味諸島。いつか行ってみたい。右は那覇空港の36Lへの着陸直前。那覇の周辺の海も離島に負けず劣らず美しい。
今回の石垣島、黒島、西表島の旅はあまり天気に恵まれなかったのが残念だが、これまでが恵まれすぎていたのだろう。特に今年は全国的に少し早めに冬が訪れているので、典型的な冬の沖縄の曇り空だったのかもしれない。いろいろと生活リズムの関係でこの時期に旅をすることが多いのだが、次回はいろいろ調整して別の季節にチャレンジしてみたいと思う。
2025年 八重山の旅 シリーズ




































