空気が澄んでいる冬の夕焼けは黄色くなる

2022-01-26

 「夕焼け」は俳句の世界で夏の季語だそうだ。夏と言っても旧暦を指しているのか、現代の感覚で言うと梅雨明けから初夏くらいのイメージだろうか?(いや逆かも? ググっただけで想像で書いてるので正しい解釈ではない可能性アリ)

 確かに空が焼けるのは夏の方が多い。NASに溜まった過去写真を見ていても明らかに6月から8月にかけて赤い空を撮っている。空気中の水蒸気だったり埃だったりが焼け方に影響するのだろう。あとは雲の状態によっても見え方は変わってくる。夏の夕暮れは大きな雲が湧いていることが多い。

夏の真っ赤な夕焼けPENTAX K-1 II SE, HD DFA*70-200mmF2.8 ED DC AW(160mm), f4.0, 1/200sec, ISO1600
 これは昨年の8月初旬。ちょっとPENTAX色(CTE由来)とLightroom現像でかなり盛ってある気もするが、多分こう仕上げたくなるほど実物も赤い夕焼だったのだろうと、撮影者の心情を察して欲しい。
 

PENTAX K-3 III, HD DA*16-50mmF2.8ED PLM AW(43mm), f5.6, 1/640sec, ISO100
 一方これは11月中旬。もはや夏とは言えない完全な秋というか初冬だが、雨上がりだったりして空気が霞んで雲が出ているとやはり赤く焼ける。でも8月よりはちょっと赤味が弱い気がする。

 もちろんカメラもレンズも違えば時間も設定も現像も違うので、上の2枚をそのまま比べるのは意味ない。……かもしれないが、こう言う仕上げにしようとした撮影者の心情を察して欲しい(2回目)。
 

冬の黄色い夕焼けPENTAX K-1 II SE, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(410mm), f5.6, 1/320sec, ISO100
 そして1月。冬至も過ぎ季節は春に向かいつつある。日没の位置も北にずれてきた。地上近くの空は黄色く、その色を映したビル群も黄色く染まっている。

 真冬の東京は空気が澄んでいて雲ひとつ無い快晴の日が多い。北から風が吹いてくるので乾燥もしている。天気が良いと景色はきれいに見えるが夕焼けだけは何となく物足りないというのは、多くの人が体感していたのではないかと思う。でも美しいことに変わりはない。
 

黄色い冬の夕焼と飛行機PENTAX K-1 II SE, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f8.0, 1/1000sec, ISO100
 真冬に羽田空港が南風運用される日は少ない。良く晴れた典型的な冬空の日ならなおさらだ。1月中旬のある日、珍しく夕方になって都心上空ルートを飛行機がやってきた。視程が良いので遠くからでもその機影がクッキリとよく見える。

 このシルエットは多分A350だろう。しかし鳥のシルエットを見分ける目は持っていない。カモかサギかカモメか? もしかしたらカラス?
 

極細三日月PENTAX K-1 II SE, HD DFA*70-200mmF2.8 ED DC AW(83mm), f4.0, 1/125sec, ISO1600
 1月上旬。極細の三日月が空の低いところに浮かんでいた。まだ日没後間もなく空は明るいが、黄色く色づいた帯はとても狭い。淡いピンクを挟んですぐに深いブルーになるグラデーションは、この季節の夕空でしか見られないと思う。

 そしてなんの苦労もなくこの色を出せるK-1 Mark IIとDFA★70-200mmF2.8は本当に素晴らしい。


 

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