昨夏以来約半年ぶりに城南島海浜公園に出かけてきた。人工浜がある海沿いの公園で、海や空をながめてボケッとするにはとても良い場所だ。交通の便が悪いのに夏はとても混んでいたりするのだが、冬はさすがに人は多くない。でも冬の海の景色もとても良いものだ。東京湾だけど。
そしてこの公園は羽田空港のビュースポットでもある。とくにB滑走路22への着陸機はすぐ頭上を通過するので最高なのだが、この時期は風向きの関係でそういう運用がされることは少ない。実際この日もそうだった。
C滑走路34Rからの離陸機が頭上を通過していくが、機体が遠くなり少し迫力が物足りない。しかし一方で夕方近くなればそれはそれで写真的には悪くないはずだ…… と過去の経験から考え、敢えて撮ってみることにした。
PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(290mm), f5.6, 1/1000sec, ISO320
34Rから離陸した飛行機は東京都心を避けるようにすぐに右へ旋回を始める。城南島はその円心側に位置するので、そこそこ高度は稼いでいるのにほとんど機体を真横から撮ったかのような姿を撮ることができる。普通の写真のように見えてちょっと面白い。
PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f5.6, 1/800sec, ISO100
ルフトハンザのフランクフルト行きがやってきた。A340-300を再び羽田で見られるとは思っていなかったのだが、それもこれもコロナ渦のせい(おかげと言うべきか?)だ。正常になったらまたB747-8かA350あたりに戻るのだろう。いずれにしても今となっては4発機はとても貴重だ。
PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f5.6, 1/500sec, ISO100
さすがに戦闘機の機動のように背中が丸見えなんてことはないが、上昇しながら旋回していくので翼上面が見えている。
冒頭ではやや遠くて迫力に欠けると書いたが、実際のところ近すぎず遠すぎず何とも絶妙な距離感だと思う。順光で撮れるのは午前中なのだが、逆光でもそんなに悪くない。
PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(230mm), f10, 1/1000sec, ISO200
むしろ午後の遅い時間になると太陽は離陸して行く機体を下から照らすようになる。フレームに入ってない太陽を強烈に感じるのは、レンズのフレアが作った幻だろうか? それとも空気中の塵によるものだろうか?
PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(150mm), f7.1, 1/1600sec, ISO200
日没近い夕陽が機体を下から照らすので機体下面が輝く。まだ比較的新しいA350-900の機体もきれいだ。この日午後遅くになってわざわざ出かけてきたのは、これを狙ってのことだ。
APS-Cだと150mmでA350クラスの機体はフレームからはみ出るかどうかのギリギリとなる。そんなに極端な望遠レンズは必要ない。
PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(250mm), f5.0, 1/1250sec, ISO200
北風の日はD滑走路05も離陸で使われているが、さすがに城南島からは遠い。というかD滑走路は陸上からではまともに撮れるポイントはない。でももちろん離陸して行く機体がJALのA350-900の1号機であることは十分分かる。
そして地上付近は汚れた空気が堆積しているかのようにモヤッとして色が濁った感じがあるのだが、東京湾の反対側、木更津か袖ケ浦沿岸まで見通すことができた。夏なら大きな雲があったりするともっと綺麗かもしれないが、夏は夏で05離陸で使われることがほとんどなくなる。
PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(150mm), f7.1, 1/1600sec, ISO200
さっきよりさらに陽が傾いてきた。北海道のどこかに向けてAIR DOのB737-700が夕陽を下から浴びて離陸して行く。うん、やっぱりとても綺麗だ。目的が果たせて満足だ。
PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f5.6, 1/800sec, ISO100
昭和島寄りの隅っこにはANAとJALのB777が並んでストアされていた。PW4000エンジン問題で飛べなくなったB777-200(ER)だろう。良く見るとエンジンが取り外されたり、細部をシールされていたりしてしばらく動かされていない、動かす予定がないことがわかる。
しかし、昨年末から条件付きで飛行停止措置が解除され、徐々にアメリカの砂漠に向けたフェリーフライトが始まっている。だから次に見に行った時にはもうここにはB777は並んでいないかも知れない。