夕暮れの羽田空港を PENTAX K-3 Mark III で撮ってきた

2021-05-06

 連休中の良く晴れた日、再びPENTAX K-3 Mark IIIを持って羽田空港へ行ってきた。今回の狙いは夕景ということで午後の遅い時間に第一ターミナルの展望デッキへ。ここへ来るのはずいぶん久しぶりな気がする。

 Flightradar24で確認するとこの日も南風運用で、午後3時過ぎから新ルートが使われていた。前回同様に羽田イノベーションシティから見る夕陽を浴びて離陸していく飛行機もさぞかし綺麗だろう。だが、今回は新ルート運用の状態で第一ターミナルからどう見えるのか、どう撮れるのか確認しておきたい。

夕陽に輝くJAL A350-900PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f8.0, 1/800sec, ISO100, -0.3EV
 午後から夕方にかけては第一ターミナルからの眺めはド逆光になるのだが、それがかえって機体に光と影の強いコントラストを生み、とても印象的な光景になりやすくて好きだ。

 まだ真新しいJAL A350-900のピカピカの機体は特に美しく輝いている。
 

ANA B787-8 羽田の16Rへ着陸PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(380mm), f5.6, 1/400sec, ISO160, -0.3EV
 A滑走路16Rに降りてくるANAのB787-8。京浜島と昭和島、東京流通センターなどを掠めて降りてくる。なるほど! これはこれでとても新鮮な光景だ。京浜島海浜公園からの景色もだいぶ今までと違うだろう。今度行ってみようと思う。
 

JAL A350-900 羽田の16RにタッチダウンPENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(290mm), f6.3, 1/500sec, ISO125, -0.3EV
 そしてタッチダウンした瞬間、タイヤスモークを上げるJALのA350-900。逆光のおかげでスモークが派手に見える。

 なおこのA350-900の4号機(JA04XJ)は導入されていきなり嵐JETになっていたが、今はもうノーマルに戻っている。活動休止だしそりゃそうか。塗装ではなくラッピングだったので戻すのも簡単だっただろう。
 

都心バックにアプローチするJAL A350-900PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f7.1, 1/500sec, ISO100, -0.3EV
 今度は海側のC滑走路16Lに降りてくるJALのA350-900。こっち側はこうして都心沿岸部、青海埠頭のキリンやお台場の観覧車、晴海から豊洲一帯の高層マンションなどのビル群を背景に望むことが出来る。残念ながら東京スカイツリーとは上手く絡まない。第2ターミナルから見るとどうなるのかも確認しに行かなくてはならない。
 

羽田の22から離陸するANA B787-9PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(380mm), f20, 1/200sec, ISO100, -0.3EV
 そしてB滑走路22から離陸していく飛行機はこんな感じだ。第2ターミナルからD滑走路の離陸機をまともに撮ることはほぼ出来ない(レンズの焦点距離および空気の揺らぎ的に)が、こっちはかなり近い。B787クラスだとフルサイズで500mmくらいで画面からはみ出してしまうだろう。

 背後は武蔵小杉のタワーマンション街だ。この季節は夕陽がちょうど落ちる方向に当たる。機体のシルエットと霞んだ夕景の街並みは想像していたとおりでとても良い。もうちょっと太陽が低い方が良いのだが、これからは日が長くなる一方、新ルート運用時間は変わらず、たいていの場合午後6時頃に終わってしまうので、季節を合わせないといけないだろう。
 

夕陽に霞む羽田空港PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(270mm), f4.5, 1/320sec, ISO100, -0.3EV
 武蔵小杉方面は空港の地上風景と絡めるのも良い。コロナ渦でストアされてる機体も多いからなのだが。

 この時間帯は地面も夕陽の色に染まって画面全体が金色になる。冬ほど空気も澄んでいないが、モヤッとした感じやフレアっぽさはむしろ都会の空気っぽい。
 

太陽を横切るB767PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f29, 1/1000sec, ISO100, -0.3EV
 なお、B滑走路からの離陸機のコースと沈んでいく太陽の位置がぴったり合うとこういうことも起こる。離陸性能の高さで定評のあるB767は、B787のように武蔵小杉のビル群を背景にすることなく、早い段階から急角度でぐんぐんと上昇していき、まだかなり高い位置にある思っていた太陽を横切っていった。

 予想していなかったのでNDフィルターもしてない中、いろいろな面で望遠レンズを太陽に向けるのは危険だが、一瞬のことだろうということでかまわずシャッターを押しっぱなしにして撮りきった。よい子は真似しないで欲しい。
 

太陽を横切るB767PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f29, 1/1000sec, ISO100, -0.3EV
 上の続きでもう1枚。こういう場合に連写速度がものを言う。なんとかバッファー詰まりも起こさずに済んだ。

 なお、シャッター速度優先モードで撮影していたので、太陽を横切るかも?と思った瞬間に前ダイヤルを適当にぐりぐりと回してシャッター速度を上げたが、間に合わずに1/000secまでしか上げられなかった。そのおかげでひどいF値になってしまったが、なんとか連動範囲外になることなく撮れただけ良しとしよう。

 また、今回のような逆光などの条件ではAFが迷ったり、明後日の方向に飛んでいくことがペンタックス機の常だったが、K-3 Mark IIIのAFはまったく動じることなく安定していた。
 

川崎の工場地帯を背景に離陸するANA B787-8PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f5.6, 1/125sec, ISO400, -0.3EV
 C滑走路16Rからの離陸機は今まで通りで、川崎の工場群を背景に飛んでいくシーンもおなじみだ。

 日没前後の微妙な時間帯の濁った色味だが、そのまま素直に写っていてこれはこれで悪くない。まだISO400程度とはいえ、このくらいの微妙な光量だと結構ノイズは目立ちやすくなる場合があるのだが、APS-Cの高画素機とは思えないくらい十分に綺麗だとと思う。
 

スカイマークB737の離陸流し撮りPENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(360mm), f5.6, 1/125sec, ISO320, -0.3EV
 同じくC滑走路を離陸して行くスカイマークのB737-800。ここからは流し撮りの練習をしてみた。
 

ANA A320neo離陸流し撮りPENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(250mm), f4.8, 1/100sec, ISO800, -0.3EV
 なおこの日は非常に風が強かった。ちゃんと着けていたマスクが風に飛んでいきそうになるくらいで、カメラを構えても煽られてしまいなかなか安定しない。流し撮りにはちょっと無茶なコンディションだった。そんな中、1/100sec前後とはいえ歩留まりはなかなか良かったと思う。

 旅客機の流し撮りはカメラを振る速度が遅いので、流し撮り難易度としてはかなり低い一方で、カメラ側の手ぶれ補正の自動検知が上手く働かずに失敗を量産することがある。K-3 Mark IIIの手ぶれ補正に新たに加わった「流し撮りモード」は、いまだに詳細な動作原理が分かってないのだが、結果を見ると上手く働いているのではないかと思う。
 

夕陽に輝くJAL A350の翼PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(310mm), f9.0, 1/160sec, ISO100, -0.3EV
 ということで、ここから暗くなるにしたがってさらにシャッター速度を落としていって、手ぶれ補正の効き具合やAFの暗所性能や高感度画質などいろいろ試そうと思っていたのだが、強風はさておくとしても、実は痛恨のミスをしてしまい撮影はここまでで切り上げざるを得なかった。

 と言うのは、予備のバッテリーを持っていくのを忘れてしまったのだ。しかも撮影開始時点でカメラ内の電池残量表示は黄色になっていた。小まめに電源を切り、結果確認を最小限にし、背面液晶もOFFにするなど節電を心がけつつ、最終的に黄色ゲージの状態から800カットほど撮影することが出来た。もちろん、連写だからなのだが、それを勘案しても電池の持ちとしてはなかなか良い方ではないかと思う。

 夜間の流し撮りへの挑戦ははまた近いうち、別の日に出直すことにしよう。


 

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