梅雨の晴れ間には小岩菖蒲園の花菖蒲を撮りに行く

2021-06-11

 本当のところ東京はいまだ梅雨入りの発表はされていない。が、前回も書いた通り事実上梅雨入りしているのではないかと思っている(ここ1週間くらい真夏のように暑い日が続いているのだが)。それはともかく、一般的に梅雨のこの時期、雨の日は紫陽花日和なのに対し、晴れの日は花菖蒲日和ではないかと思う。

 昨年は見逃してしまったのだが、今年はそろそろかと思い、よく晴れた日に江戸川の河川敷にある小岩菖蒲園に出かけてみた。ここは区営で柵も塀もないので、いつでも自由に出入りすることができる。しかしそこに咲く花菖蒲は野生ではなく、ちゃんと手入れと管理がされている。だから無料のわりに、かなり見事な規模と質の菖蒲園なのだ。

花菖蒲と鉄橋PENTAX K-1 II SE, HD DFA*85mmF1.4ED SDM AW, f2.8, 1/2000sec, ISO100, +0.3EV
 この時はまだ全体的に5分咲きくらいだったが、まぁまぁ見応え撮り応えがあった。お決まりのシーンもこんな感じだ。

 ボカしまくるつもりで85mmF1.4を持っていったが、背景の京成線が見える程度に絞らなくてはならない。けど前ボケは欲しい。苦渋の決断でF2.8にした。
 

菖蒲園と鉄橋PENTAX K-1 II SE, HD DFA*85mmF1.4ED SDM AW, f5.6, 1/400sec, ISO100, +0.3EV
 いやどっちつかずは良くないので、もっと絞ってF5.6くらいがちょうど良いだろうか? うん、この方が良いような気がしてきた。でも、このレンズをここまで絞るのは冒涜だと思う。
 

黄色い花菖蒲の前ボケPENTAX K-1 II SE, HD DFA*85mmF1.4ED SDM AW, f1.4, 1/8000sec, ISO100, 0EV
 そうそう、本当はこのくらいボカしたかった。鉄橋のことなんか気にせずに。なお実は露出連動範囲外になっていて、補正はしてないけどオーバー目に撮れたかも知れない。

 なおアヤメ科の植物は英語でIrisという。Irisと言えば”絞り”のことではないか(一般的にスチルでは”Aperture”を使うが)。写真とは深い縁があると言えるのではないだろうか?
 

花菖蒲の産地看板PENTAX K-1 II SE, HD DFA*85mmF1.4ED SDM AW, f2.8, 1/500sec, ISO100, +0.3EV
 非常に多くの種類の花菖蒲が植えられていて、一つ一つ名前と産地が表示されている。概ね肥後(熊本)産が多いようだ。色と模様くらいならぱっと見て違いは素人でも分かるが、それ以外は見分けがつかないものも多い。
 

花菖蒲マクロPENTAX K-3 Mark III, DFA MACRO 100mmF2.8 WR, f4.0, 1/400sec, ISO100, 0EV
 さて、次はK-3 Mark IIIにDFAマクロ100mmを付けて撮ってみた。前回この組み合わせを試したときは、長すぎると感じたが、開き直ってその長さを楽しもうではないか。花菖蒲はグイッと寄り甲斐がありそうだ。
 

花菖蒲マクロPENTAX K-3 Mark III, DFA MACRO 100mmF2.8 WR, f4.0, 1/400sec, ISO100, 0EV
 おぉ… ウサギの耳みたいなのがある。よくよく見るととても複雑な造形で、種類によってまったく形が違うことに今さらながら気がつく。なるほど…

 マクロの目は観察眼として重要だ。
 

花菖蒲マクロPENTAX K-3 Mark III, DFA MACRO 100mmF2.8 WR, f4.0, 1/400sec, ISO100, 0EV
 花菖蒲は全体の姿はゴージャスで「美しい」のだが、細部を切り取ってみると意外に「かわいい」ところがある。そういう発見があるマクロはやっぱり楽しい。
 

菖蒲田のカルガモPENTAX K-3 Mark III, HD DFA*70-200mmF2.8 ED DC AW(70mm), f2.8, 1/640sec, ISO100, 0EV
 菖蒲田にはたくさんの生き物がいる。だから子ども達もたくさん来ている。主にカエル(とかオタマジャクシ)とかアメンボのような、小さな生き物がほとんどなのだ。

 そんな中に今回はカルガモがいた。ここでカルガモに出会ったのは初めてかも知れない。残念ながら子ガモはいなかった。成鳥が2羽で水の底を突いたりして花菖蒲の間を歩き回っていた。夫婦だろうか?
 

菖蒲田のカルガモ後ろ姿PENTAX K-3 Mark III, HD DFA*70-200mmF2.8 ED DC AW(200mm), f2.8, 1/1250sec, ISO100, 0EV
 人間は水の中まで入ってこないことを経験的に知っているのだろうか? 人だかりができてスマホやカメラを突きつけられても、もわりとお構いなしに自由にしていた。カルガモはどこにいるやつでもわりと人との距離感が近い方ではあるけれど。

 この後、良い気持ちになってきたのか、菖蒲田の真ん中あたりで眠ってしまった。
 

菖蒲田ENTAX K-3 Mark III, HD DFA*70-200mmF2.8 ED DC AW(200mm), f2.8, 1/1000sec, ISO100, 0EV
 ということで、先週と先々週の2回通って撮ってきた。先週の段階でまだ7分咲きくらい。蕾もたくさんあったので、今週末あたりがちょうど満開で見頃となっているかもしれない。
 


 



 

関連記事