GR3を手に入れてからずっとやりたいと思っていたことがある。それは光学ビューファインダーを取り付けることだ。
と言っても、実用品としてではない。ドレスアップアイテムというか、見た目を格好良くするための飾りみたいなものだ。なんだか、光学ビューファインダーがついた小さなカメラでパチッと写真を撮っている姿を想像すると、デキるカメラマンみたいではないか。
うん、そんな風になりたい、格好だけでも。そういう年頃なのだ。
RICOHのGR用純正外付け光学ファインダーは、GV-1とGV-2の2種類ある。これらはGR3用と言うことではなく、歴代GRシリーズ共用で昔からあるアクセサリーだ。GV-1はGRシリーズに標準搭載されている28mm相当だけでなく、ワイコンを取り付けた状態の21mm相当のフレームにも対応している。そのかわりにとてもデカい。GV-2はワイコンには非対応で28mm相当しかカバーしないがその分小さい。なお、値段はなぜか小さいGV-2の方がかなり高い。
ということで、GV-1のワイコン対応はちょっと惹かれたが、GV-2を手に入れてみた。冒頭に書いたように実用よりも格好を求めているのだから。
そして届いた箱は↑こんな感じで、最近のリコーイメージング仕様の化粧箱ではなく、純リコー時代というか、GR Digitalの時代のものであることが分かる。
で、GV-2の実物はこんな感じ。筐体は金属なのかプラスチックなのか判然としないが、質感はとても良くて作りはしっかりしている。ほとんどホットシューと同じサイズなのでとても小さいが、何とも言えない高級感というか、良いモノ感に溢れている。
これ以外にスウェード調の生地でできた小さなキャリングポーチが付属していた。取り外したときの保管用ということだが、あまりに小さくてすぐになくしてしまいそうだ。気をつけなくてはならない。
なお同梱されていた説明書によると、光学系はアルバタ式逆ガリレオタイプでレンズ5枚構成、倍率は0.5倍、視野率は3mに対して85%となっている。重量はスペックがないのだが実測で12gだった。Gr3との組み合わせでは頭でっかちでバランスが崩れるようなことはない。
格好良すぎる。期待通りだ。
試しに覗いてみるとどうかと言えば、まぁ懐かしい光学ビューファインダーだな、としか言えない。一眼レフとかEVFの感覚でいると、アイポイントが意外に短くて(レンズ後面から13mm)眼鏡をかけているとフレーム全体を見渡すのは難しい。コンタクトなら何とかなりそうだ。
奥行き方向のサイズもGR本体とぴったり合うようにできている。前にも後ろにも出っ張らない。さすが純正!
純正品でなくてもアクセサリーシューに取り付けるタイプの光学ビューファインダーは、他社製品から怪しげなサードパーティ品まで山ほどの製品が見つかるし、もちろんどれでも付けることはできる。見た目をもっと盛りたい人には大人しすぎて物足りないかも知れないが、やはり純正品の相性は最高だ。さりげな感じが特に良い。
一点だけ気になると言えば、微妙にGR3の外装と色というか質感というか仕上げが合っていない。素材の違いかも知れないし、GR Digital時代との差なのかも知れない。
格好優先とは言ってみたものの、やはり使えるものなら使ってみたいと思っている。その場合、普通に背面液晶を見ながら撮るのとでは、ガラッと撮影スタイルというか意識を変えないといけないだろう。何しろ、フレーミングもあやふやだしピントに至ってはどこに合っているのか分からないし、撮影情報も一切見えなくなるのだ。
ピント合わせは特にポイントで、オートエリアAFにしてカメラにまかせてしまうか、中央一点に固定してしまうか、もしくはスナップモードでピント位置は固定し、絞りで深度をコントロールした方が良いかもしれない。いずれにしても結局は勘頼りになるはずだ。パララックスの問題もあるので近距離はバッサリ諦めるしかない。
ということで、実はまだ撮影は試していない。いろいろなことが落ち着いて、安心して大手を振って写真撮影に出かけられるようになったら、光学ファインダー縛りでどんな写真が撮れるのか試してみたいと思っている。
さて、GV-2に合わせてケースも新調した。GR3に光学ファインダーを付けたまま収納できるケースがSUONOから販売されている。もっと大きいGV-1にも対応しているので、GV-2だとちょっと深すぎるくらいだ。
実物を手にして初めて気がついたのだが、このケースを使う場合はストラップの処置がちょっと困ったことになるかも知れない。ピークデザインのアンカーを付けた状態だと↑こうなってしまう。
一応、ハンドストラップのCUFFを付けた状態でなんとか収まる。LEASHでも問題ないだろう。
SUONOのケースはちょっとお高いが、素材も縫製もしっかりしていて出し入れもしやすく、GRシリーズにはオススメだ。