100名城巡り再開!上信越道沿いの3城を一気にハシゴする

2021-11-07

 日本100名城スタンプ集めを再開した。5年前から始めて年10城を目標に進めてきたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け昨年は3城のみ、今年はここまでまだ0城という状態で停滞していた。

 ここからこの2年分の遅れをなんとか取り返したい… ということで、2021年も11月になって再開した100名城攻めは、3城を一気に1日で巡ることにした。上信越道沿いのとても行きやすい場所に3つの名城が並んでいるのは前からチェック済みだった。ここはいつか1日で巡れるぞ!と思っていたのだ。

江戸時代を生きた真田家の居城:松代城

 まずは上信越道を一気に北上し長野ICを降りるとすぐの場所に「松代城(まつしろじょう)」がある。ここは大河ドラマ真田丸のモデルになった真田信繁(真田幸村)の兄で、関ヶ原で徳川方に付いた真田信之が上田から移封されて以降、江戸時代約250年を通じて真田家の居城となっていた城跡だ。

松代城太鼓門PENTAX K-3 III, HD DA*16-50mm f2.8 ED PLM AW(19mm), f8.0, 1/250sec, ISO200
 城跡として整備されたエリアはそれほど広くはない。この内堀と太鼓門をくぐった先にある本丸跡といくつかの門や土塁が復元整備されている。真田家が入る以前は武田の支配下にあって海津城と呼ばれていたそうで、本丸跡の石碑には「松代城」ではなく「海津城」と彫られていた。
 

松代城二の丸土塁跡PENTAX K-3 III, HD DA*16-50mm f2.8 ED PLM AW(16mm), f8.0, 1/250sec, ISO200
 内堀の外に二の丸跡がある。復元された土塁が囲われた広場になってて何もない。変に色んなものを復元して建ててしまうより、こうして何もない景色はむしろ城跡としての風情があると思う。
 

松代城内堀と石垣PENTAX K-3 III, HD DA*16-50mm f2.8 ED PLM AW(16mm), f8.0, 1/200sec, ISO100
 この石垣の上に生えているのは桜の木だろうか? 春に満開になるとわりと絶景になるのではないかと思う。流れもなく風もない城の堀は鏡のようになるのでリフレクションも綺麗だろう。

 ということで、松代城跡自体は規模も小さく真っ平らで歩きやすいので、ほんの15分くらいで回れてしまうこぢんまり城跡だった。しかし周囲の景色も開けていてとても気持ちの良い場所だ。
 

松代 真田邸跡 真田信之改名の書

 しかし松代城周辺には多くの歴史的遺構が並んでいる。真田邸跡や文武学校などは江戸時代からの現存建築物などがあるし、いくつかの武家屋敷もあって見学できるようになっている。歴史的遺構を楽しむならばむしろそっちの方がメインかも知れない。

 なお上の写真にある「真田伊豆守信之」と書かれた書は、NHKの大河ドラマ真田丸の撮影で使われたものであって古いものではない。

 あと、新潟県の十日町に同じ漢字を書く「松代城(まつだいじょう)」がある。滅多にないと思うが、過去に間違えてそちらを訪れ、スタンプが押せなかった人はゼロではないかも知れない。

徳川の大軍を追い返した不落の城:上田城

 続いて長野から東京方面に戻りつつ、上田菅平ICで再び上信越道を降りて上田城跡へ向かった。真田家ゆかりの城としてはこちらの方が全国的に有名だろう。二度にわたって真田対徳川の戦が行われた逸話の現場でもある。

上田城東虎口櫓門PENTAX K-3 III, HD DA*16-50mm f2.8 ED PLM AW(16mm), f6.3, 1/500sec, ISO200
 こちらも基本的に残っているのは本丸跡だけだ。その入り口となる東虎口櫓門とその両側に聳える北櫓、南櫓の構えがもっとも典型的な上田城の姿だろう。24mm相当の画角では入りきらなかった。

 この東虎口櫓門の石垣には真田石と呼ばれる巨石も使われている。櫓は中も公開されているのだが、残念ながらこの日は定休日だった。
 
 なお上田城は江戸時代を迎え、真田信之が沼田や松代に移ったあと、仙石氏により再興された城なので、必ずしもすべてが真田の遺構というわけではない。
 

真田幸村像と西櫓PENTAX K-3 III, HD DA*16-50mm f2.8 ED PLM AW(19mm), f8.0, 1/500sec, ISO200
 上田城にいた頃の真田幸村の青年時代の像と奥には西櫓がある。城跡では多いのだが、本丸跡は神社になってしまっている。徳川の大軍に攻められ絶体絶命のピンチでも「落ちなかった」城跡ということで、この神社は受験関連の参拝が多いそうだ。なるほど!
 

尼ヶ淵の下から南櫓を見上げるPENTAX K-3 III, HD DA*16-50mm f2.8 ED PLM AW(26mm), f11, 1/100sec, ISO200
 尼ヶ淵と呼ばれる断崖の上に上田城の本丸はある。石垣が複雑に積まれていたりするが、元々どういう姿をしていたのかよく分からない。いずれにしてもこうした自然の地形を生かして防御をした城だったのだろう。
 

上田城本丸土塁の上 上田城石垣とケヤキの紅葉

 本丸周囲の土塁やさらにその外側、二の丸を囲む土塁の上や外堀跡には見事なケヤキ並木があり、ちょうど紅葉が美しい時期だった。特に外堀の底には昭和初期には鉄道が通っていたそうだ。今は遊歩道になっている。
 

紅葉と古い石垣が美しい:小諸城

 さらに小諸市にやってきた。小諸は浅間山の裾野をなす緩やかな南斜面に広がっている。小諸城はそんな斜面の下端にある珍しい立地の城だ。上田から近いのだが真田とは関わりがない。古くは武田信玄が整備した城で、その後は仙石氏のものとなった。

小諸城の石垣と紅葉PENTAX K-3 III, HD DA*16-50mm f2.8 ED PLM AW(16mm), f8.0, 1/80sec, ISO200

小諸城の石垣と紅葉PENTAX K-3 III, HD DA*16-50mm f2.8 ED PLM AW(18mm), f8.0, 1/100sec, ISO200
 小諸城趾と言えば懐古園。明治の廃城令で破却され荒廃した城は多いが、懐古園は旧小諸藩士たちが買い戻し整備した公園だそうだ。それでも残念ながら多くの建物は失われている。そして本丸にはやはり神社が建っている。

 それにしても園内は見事な紅葉だった。本丸と天守台の石垣はかなり古い時代のものらしく、それほど高さのない野面積みの美しい石垣だが、これが紅葉にとても映えていた。古城と紅葉の取り合わせは素晴らしい。建物がない場合は桜より似合うのではないだろうか

 とにかく見とれてしまった上にやたらにシャッターを切りまくってしまった。
 

小諸城天守台 小諸城天守台

 天守台の上に登れるのは他の城跡と同様だが、小諸城がすごいのは石垣の上に柵が一切ないことだ。景観を重視しているのだろうか? とても素晴らしい。それほど高くないとは言え石垣の縁に立つとかなりゾワゾワする。落ちたら高い確率で命はないだろう。
 

小諸城大手門PENTAX K-3 III, HD DA*16-50mm f2.8 ED PLM AW(16mm), f8.0, 1/125sec, ISO200
 懐古園の中は基本的に石垣しか残されていないが、その外側にある三の門とさらに線路を挟んだ駐車場の隅にひっそりと大手門がある。これらは現役時代の現存建築物で、どちらも国の重要文化財になっている。小諸城跡の遺構目当てなら是非見ておきたい。

 大手門は中に入って見物することも出来る。明治時代には改築されて料亭のお座敷に使われていたらしい。現在はさらに改築し元の姿に戻されているが、戦がなくなった江戸時代には実際に畳と襖が入れられて座敷として使われていたそうだ。
 

スタンプは間もなく折り返し

 ということで、長野県の上信越道沿い3城を一気に巡ってきた。城下町含めゆっくり見るならもっと時間が必要だが、スタンプ集めが目的なら1日で十分に巡ることが出来る。

100名城スタンプ長野県

 この結果、今年集めたスタンプは3城で去年と並んだ。そして過去約5年半で合計49個に達した。計算上の折り返しとなる50個まであとひとつに迫った。

 冒頭で計画より遅れていると書いたが、実際のところ年10城ペースを保てるとは思っていなくて、そこそこ良いペースで進んでいると思っている。また、これから先は行きづらい場所が増えていきペースを上げるのは難しくなりそうだが、のんびりやっていきたい。
 

↓紅葉編もあります


 


 

関連記事