内房の西ヶ崎で東京湾に沈む夕陽を眺めてきた

2022-02-20

 とある2月の休日。前日から降り続いた雨が上がり、空気も洗われた良い天気の青空を見て、ふと夕陽を見に行くことを思いついた。内房沿岸には夕陽の絶景ポイントはたくさんあるのだが、今回はその中から今まで行ったことのない「西ヶ崎」というポイントを目指してみた。

 ここは鋸南町にあって岩井海岸が近い。海釣りでは非常に有名なポイントのようだが、あまり写真は見かけたことがない。小さな漁港があるだけの鄙びた場所らしく、都内から1時間で行ける距離にしては、非日常感も味わえそうだ。
 

西ヶ崎の岩場PENTAX K-1 II SE, HD DFA21mmF2.4ED Limited DC WR, f11, 1/100sec, ISO100
 到着した時はまだ日が高く気持ちのいい青空が広がっていた。西ヶ崎はこうしたノコギリ状の岩場が広がっている。事前の噂通り釣り人が沢山いた。海上に見える島は「浮島」という無人島だ。

 風もなく波も比較的穏やかで、潮の飛沫を浴びるようなこともない。居心地は良いが、少し荒れている方が景色としては面白かったかも(危ない)。
 

岩井袋漁港PENTAX K-3 III, HD DA55-300mmF4.5-6.3 ED PLM WR RE(85mm), f5.6, 1/500sec, ISO200
 すぐそばには岩井袋漁港という小さな集落がある。港の入り口にも斜めになった板状の岩が露頭していて面白い風景だ。
 

岩場のウミウと沖をゆく船PENTAX K-3 III, HD DA55-300mmF4.5-6.3 ED PLM WR RE(300mm), f6.3, 1/2000sec, ISO200
 岩場はずっと細長く飛びだしていて、その先っちょにはウミウが固まって休んでいた。沖には東京湾を出て行くタンカーが見えている。とても東京湾らしい美しい風景だ。
 

西ヶ崎背後の岩山PENTAX K-1 II SE, HD FA31mmF1.8 Limited, f2.0, 1/3200sec, ISO100 
 岩場のすぐ後は切り立った岩山が聳えている。山側だけ見ていると海沿いとは思えない風景だ。それにしても空が青い(現像で盛ったわけではない)。
 

西ヶ崎の奇岩PENTAX K-1 II SE, HD DFA21mmF2.4ED Limited DC WR, f8.0, 1/250sec, ISO100
 再度岩場に出てみた。岩はまるで葛飾北斎の浮世絵に描かれた波のような形をしている。硬い岩でできた地層と柔らかい地層が交互に重なり、それが斜めに隆起してきて波で侵食されたものだろうか? ブラタモリあたりで解説して欲しい。
 

西ヶ崎の岩場PENTAX K-1 II SE, HD DFA21mmF2.4ED Limited DC WR, f11, 1/400sec, ISO100
 日が長くなってきたとは言えまだ2月。良い感じに陽が傾いてきた。この頃までは水平線上もクリアで雲ひとつなかった…… のだが、ちょっと雲行きが怪しくなってきた。
 

沖を行くジェットフォイルPENTAX K-3 III, HD DA55-300mmF4.5-6.3 ED PLM WR RE(300mm), f8.0, 1/800sec, ISO100
 沖合を東海汽船のジェットフォイルが竹芝に向けて走ってゆく。右に蜃気楼のように見えるのは三浦半島の先端だ。

 西ヶ崎自体はとても長閑なところだが、沖を大きな船がひっきりなしに行き交う様子を見ていると、ここが東京湾であることを思い出す。 
 

ホオジロ アオジ?

トビPENTAX K-3 III, HD DA55-300mmF4.5-6.3 ED PLM WR RE(300mm), f6.3, 1/1000sec, ISO1000
 ウミウ以外にもトビが沢山いた。猛禽類がいる場所には他の鳥はあまり近寄らないのかも?と思っていたが、良く見てると小鳥たちが低い木や草むらにいた。ほとんど保護色みたいで声はするのに姿が見えるようになるまで時間がかかった。
 

西ヶ崎の夕陽PENTAX K-1 II SE, HD DFA21mmF2.4ED Limited DC WR, f16, 1/60sec, ISO100, x100コンポジット
 日没を間もなく迎える。海に落ちていく夕陽を眺めるのはなんと久しぶりだろう。……と思っていたのだが、残念ながら水平線上には雲が湧いていたので、スッキリと日没の様子を見通すことはできなかった。

 さらに、この画面の右の方には富士山もあるはずなのだがそちらも厚い雲に隠れている。三浦半島は見えているのでその先の天気が悪かったのだろう。残念だが仕方がない。

 ちなみにこの写真は敢えてインターバル合成機能を使って100枚を比較明合成している。NDフィルターなしで長時間露光したかのように海をフワフワにしてみたいと思ってやってみた。まぁ何となくそれ風になったが、やはりインターバル合成では妙なパターンが残ってしまう。枚数を増やせばと思うが、そうすると今度は太陽が動きすぎる。こういう景色を撮るにはNDフィルター(というよりハーフNDか)は必須だなと思った。
 

西ヶ崎のブルーアワーPENTAX K-1 II SE, HD DFA21mmF2.4ED Limited DC WR, f4.0, 1/25sec, ISO100
 日没後もしばらく粘ってみたが雲は厚くなってくるばかり。そろそろ引き上げることにしよう。

 ということで、西ヶ崎は鄙びた漁港の風景や不思議な岩場、海鳥たちや東京湾の景色などなど、釣りだけではなくカメラを持ってブラブラするにもとても良いところだ。何より人がいない穴場なのがとても良い。
 

海辺のプジョー308

 ただ、通いたくなるかと言われると少し微妙だ。本当に富士山が見通せるくらい晴れた日なら、もう少し南の原岡海岸まで行った方がやはり良いだろう。あるいは内房沿岸にはまだまだ穴場が無数にありそうなので、新規開拓を目指してまたフラッと訪れてみたい。
 


 

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