函館旅行1日目:トラピスト修道院に立ち寄り函館山からの夜景を楽しむ

2023-02-11

 函館旅行の1日目。主たる目的地は松前城だったわけだが、それ以外にもいくつか見て回り、写真を撮ったりしてきたので、それらについてまとめておく。

みそぎ浜付近

 函館空港から松前城まで距離にして約100km。慣れない雪道で神経をすり減らしながらの運転は疲れる。途中で少し休んだ場所はみそぎ浜というところだった。近くに道の駅もあったが、冬の津軽海峡を眺めたくて敢えて何もないところに車を停めてみた。

レンタカー みそぎ浜の鳥居

みそぎ浜Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(34mm), f5.6, 1/2500, ISO100
 車を降りて雪景色にしばし見とれる。そして降りっぱなしの新雪の上に足跡をつける感覚を楽しみながら少し歩き回った。この辺の海岸からは、天気が良ければ正面には下北半島、左手には函館山などが見えるらしい。

 何もないところだと思っていたら海に向かって鳥居が立っていた。ここでは1月中旬に神事として寒中沐浴が行われるらしい。こんな天気で海に入るなんて信じられないが、もしかしたらこの時期は水の中の方が暖かいのかもしれない(水から上がった瞬間のことは考えない)。
 

トラピスト修道院

 松前城で目的を果たして函館に帰る途中、函館江差自動車道には入らず海岸線沿いの国道228号線をそのまま進み、北斗市にあるトラピスト修道院へ立ち寄ってきた。

トラピスト修道院周辺の雪原 トラピスト修道院周辺の雪原

トラピスト修道院とポプラ並木Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(120mm), f8.0, 1/30, ISO125
 ここは古くから定番の北海道土産、トラピストクッキーとかトラピストバターを製造している修道院だ。100年以上の歴史があって、今も修道院として現役なので中を見学できるわけではない。しかし一度訪れてみたかった。

 修道院へ至る長い一本道はポプラ並木になっていて、北海道新幹線開業時の広告でも使われた映えスポットだ。この並木のさらに両側は一面の原っぱ(あるいは畑)になっていて、そこに深々と降る真っ白な雪の景色は猛烈に美しかった。

 なお入り口脇には修道院で製造されている食品などを直売している売店がある。こんな雪の中でもちゃんと営業していたので、山ほどお土産を買い込んできた。
 

サラキ岬

 トラピスト修道院の近く、国道228号線沿いにサラキ岬という場所がある。ここは公園になっていて海が見える展望台がある。

咸臨丸最期の地Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(120mm), f9.0, 1/60, ISO100
 このサラキ岬沖に咸臨丸が沈んでいるらしい。江差にある開陽丸のように記念館や復元船があるわけではないのだが、幕末史には欠かせない船の最期の地ということで、ちょっと立ち寄って見ようと思った……のだが、冬季は完全に閉鎖されていて、岬まで行くことは出来なかった。

 ということで、公園内にある咸臨丸の模型(実物よりかなり小さい&陸上にある)を遠くから眺めて証拠写真だけ撮ってきた。
 

道南いさりび鉄道を走る貨物列車Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(120mm), f4.0, 1/125, ISO100
 とぼとぼと車に戻る途中、道路脇を併走する道南いさりび鉄道の線路上に何かがやってくるのが見えた。北海道のローカル線となれば偶然列車に出会う確率はものすごく低いと思って気にしていなかったのだが! これはチャンスであると同時にカメラの設定を検討する時間が無いというピンチ!

 仕方なくとにかく適当にシャッターを切ったらこれもまた一応証拠写真が撮れた、ということでここに貼っておく。雪煙を巻き上げながら走る電気機関車は力強くて超格好イイ。

函館山から見る函館の夜景

 なんとか夕方までに函館に戻ってきた。幸い天気はそんなに悪くはない。となればやはり函館山には登っておかなくてはなるまい。

函館山へ登る坂道Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(24mm), f6.3, 1/30, ISO1600
 当初の計画ではまずホテルにチェックインしてから徒歩で函館山ロープウェイ乗り場まで行こうと思っていたのだが、時間が押しているのでチェックインは後回しにして、急いで函館山に直行することにした。

 ちょうど日没を迎えた頃だろうか? 山頂から夜景を見るならマジックアワーからブルーアワーにかけてが一番良いと聞いていたのだが、ちょっと間に合いそうにない。慣れない雪の坂道を急いで登っていく。上りよりも下りが怖いがそういうことは後で考えることにしよう。幸いロープウェイはそれほど混雑していなくてすぐに乗ることが出来た。
 

函館山からの夜景Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(24mm), f4.0, 1/8, ISO1600
 展望台に到着した。やはり一番見頃の時間帯と言うこともあってそれなりに混んでいるが、隙間がないと言うほどではない。そしてなんとか空に光が残っているうちに1枚撮ることができた。

 ただし右の方から真っ黒い雪雲がやってきている。あれが函館市街上空に到達するともしかしたら何も見えなくなるかも知れない、と言ってる人がいて周囲がザワつく。
 

函館山からの夜景Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(36mm), f4.5, 1/10, ISO1600
 予言通り、雪雲はやってきて一瞬景色は真っ白に霞んだものの、すぐにまた函館の美しい夜景が再び姿を現した。少し霞んでいるけれどそれはそれで雰囲気ある。そして展望台もいつしか雪が舞っていた。

 なお三脚などは持ってきていないので手持ちで撮っている。感度が上がりすぎないようにISO1600に固定し、あとは気合いと運と手ぶれ補正とノイズリダクションのソフトウェアにまかせることにした。現像でティール&オレンジ風味に仕上げている。
 

函館山からの夜景(多重露光)Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(24mm), f4.0, 1/13, ISO1600, 多重露光
 夜景と言えばということで、多重露光もやってみた。玉ボケは望遠側にズームしてMFでわざとボカして作っている。露出の加減が相変わらず分からなくて、コントラストが下がりすぎで今ひとつかもしれない。

 下りのロープウェイは少し混雑したが、それでも十分に常識的な待ち時間で降りてくることが出来た。この日は朝から無人の雪景色ばかり眺めていたが、こうして有名な観光地で多くの観光客で賑わう中に紛れるのも悪くない。それはそれで旅情が感じられるものだと思う。

 真冬の函館山展望台は恐ろしく寒いが、興奮で寒さを感じている暇はなかった。澄んだ空気に輝く雪の函館の夜景はとても美しい。そしてこの時期はたっぷり夜景を楽しんで山を下りてもまだ時刻は午後6時過ぎだった。夜の函館を楽しむ時間はまだたっぷりある。

北海道産の美味しい料理とサッポロクラシック

 函館山から無事に下ってきて(坂道も転ばずに降りてこられた)ホテルにチェックインした。一休みしたら夕飯を食べるお店を探しながら少しホテル周辺の散歩に出た。車を降りたのでビールも飲める!

ホッキ貝刺身 ホタテバター焼き

サッポロクラシックNikon Z 5, NIKKOR Z 40mmF2, f2.8, 1/15sec, ISO320
 ということで敢えてネットで口コミなどを調べずに、自分の勘と嗅覚に頼って「北斗房」という海鮮料理メインの居酒屋さんに入ってみた。店内は清潔でテーブルもカウンターも広々としていてとても良い。芸能人のサイン色紙がたくさん飾ってあったが有名店なのだろうか?

 ホッキ刺身とかホタテバター焼きとかルスツ豚の肩ロース焼きなど、わりとベタなものを頂いた。どれも目の前の厨房で捌いたり焼いたりしているのが分かるし、実際にどれも超美味しかった。思ったよりお値段が高めで少しドキドキしていたのだけど。

 そして当然のようにサッポロクラシックをジョッキで飲んだ。なんだかんだで疲れていたのか、1杯目はあまりの美味しさに一口目がとまらずにあっという間に飲み干してしまったので、摂取カロリーと翌日を心配しつつお代わりもしてしまった。

 冷えたビールは暑い夏に飲んでこそ美味しいというのはウソだと思う、寒い冬に飲んだって超美味い。

金森赤レンガ倉庫街付近を散歩

 美味しいものを食べてお腹いっぱい&ほろ酔い気味で店を出たら、真っ直ぐホテルには帰らず、しばし夜の函館の町を歩き回ってみた。
 

金森赤レンガ倉庫 夜の函館の倉庫街

夜の函館の倉庫街Nikon Z 5, NIKKOR Z 40mmF2, f2.8, 1/40sec, ISO1600
 金森赤レンガ倉庫周辺は観光地ではあるけれども、基本的に昼の町らしくこの時間帯になると多くのお店が閉まっていてひっそりとしていた。でもそんな静かな倉庫街はまた一段と良い雰囲気だ。さきほど函館山の上から眺めたとおり、函館の中心部は黄色い街灯が多くてとてもフォトジェニックだ。

 そして雪の上を歩くのが楽しくてあてもなくけっこう歩き回ってしまった。氷点下の冷たい空気に刺されて酔いが覚めるのも早いような気がして、どこかバーでも見つけたら入ってしまいそうな気分だったが、幸か不幸か良さげなバーは見つからなかった。
 

函館国際ホテル 開港通りの看板

函館の除雪車Nikon Z 5, NIKKOR Z 40mmF2, f2.8, 1/30sec, ISO1000
 あと夜になって交通量が減った道路には東京人が見たこともないようなカッコイイ働く車が出てきて除雪作業をしていた。それでも路面のアスファルトが出てくることはない程度に雪は分厚く積もっているのだが、轍などをならして走りやすくするために必要な作業なのだろう。

 いい加減に身体が冷えてきたし疲れも出てきたので、大人しくホテルに戻ってきた。宿泊したのは開港通り沿いにある函館国際ホテルという老舗ホテルだ。宿泊者専用の温泉大浴場も付いている。雪に囲まれて……みたいな風情はないが、極寒の中で入る露天風呂はとても良い。

 温泉でよく温まったし、ビールも飲んでほどよい疲れでぐっすり眠れるかと思ったら、ちょうど睡眠サイクルが一番乱れている時期に当たってしまい、眠れずに夜中中ずっと起きていたのだけど、まぁそういうこともある。

 そんなこともあろうかとKindleを持ってきたので、ずっと函館出身の作家、宇江佐真理さんの本を読んでいた。ここは彼女が生まれて育ち、小説を書き、そして亡くなっていった町なんだな、と思いを噛みしめながら。
 
 なお函館旅行のエントリーはもう一つだけ書く予定だ(ということで2日目に続く)。


 

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