今年はこんな状況なので日本100名城のスタンプ集めが捗っていない。
そんな中、11月初めの休日の谷間に仕事を休み、埼玉県は寄居町にある鉢形城跡に行ってきた。本当はこの日は紅葉でも撮りに行きたいと思っていたのだが、天気が悪いので紅葉は諦めた。城攻めなら曇りでも何とかなる。
さて、鉢形城は伊豆山中城同様に、戦国時代関東一帯を支配していた北条家に縁がある城で、当時の関東の城らしく、石垣ではなく土塁で囲われた縄張りを持っている。
そして北条家滅亡とともに廃城となって約400年経つ古城跡でもある。当然建物の類いはもはや何もないが、とても雰囲気のある「兵どもが夢のあと」感に溢れていた。
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鉢形城歴史館の駐車場に車を置いた。なお歴史館は休館日でやっていなかった。
そのまま地図を見ながら歩き始めると、いきなりこんな鬱蒼とした森の中に入っていく。遊歩道は整備されているが、この山谷は人工物だろうか? これはもう土塁と掘切なのではないか? と思うが特に何も書かれていない。
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進んでいくと少し開けたところに出た。うむ、これは明らかに土塁だ。土塁の斜面から生えている写真真ん中の木は、エドヒガンだ。春には見事な花を咲かせるので有名だそうだ。
うん、たしかにこれは良い。古城の土塁に咲く一本桜なんて最高ではないか。想像するだけでも絶景だ。来春に再訪したいと思った。
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二の曲輪跡にやってきた。ただの平地と土塁がずっと続いている。
これらは復元されたものだろうか? それとも開梱されるでもなく町屋が出来るでもなく、土塁が道路にされるでもなく、この400年ずっとこの廃墟のままだったのだろうか? 放置されているようでいて、木は生えず草も刈り込まれて手入れされているようだ。だが、特に囲いがされているわけでもなく、ただの空き地のようでもある。
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三の曲輪跡にやってきた。ここは明らかにいろいろと復元作業が行われているのがわかる。鉢形城の100名城スタンプの意匠にもなっているのがこの四脚門だ。唯一の復元建造物と言っても良い。石段と門柱の礎石が発掘され、そこから想像で復元されたものらしい。
だからどんな姿だったのかはともかく、ここにこのくらいのサイズの門があったのは確かなのだろう。
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四脚門の奥にはこんな石積み土塁がある。これもある程度は発掘されたものだが、全体的には復元整備されたものだそうだ。比較的小ぶりな河原石を階段状に積み上げたもので、構造的には土塁でありいわゆる石垣とは違う。
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江戸時代よりも前、戦国時代というか北条氏と関わりのある関東の城はやはりこうなのだ。小田原城の総構え自体からして土塁だったのだから。石垣を高く積み上げるのは西日本の様式だということを実感する。
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二の曲輪と三の曲輪の間にまたがる土塁と空堀。山中城のワッフルほどハッキリしたものではないが、小さな畝があるところにやはり時代や地域の共通点を見いだしてしまう。
山中城や金山城の土塁も良かったが、この二つは山城だった。しかしここは平城だ。だからむしろ土塁と堀による凸凹が目立つ気がする。なんだか格好良い。
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その後、本曲輪跡をまわってぐるっと外曲輪まで巡ってきた。この城跡の見所はどこまで行っても土塁だ。特に外曲輪の土塁は規模が大きい。が、三の曲輪や二の曲輪とちがって、特に復元整備されたようでもなく(いや、ちゃんとされているのかも知れないが)、放置されている感じがかえって良い。
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ということで、約1時間半ほどかけてぐるっと1周し歴史館に戻ってきた。
なお、100名城スタンプは歴史館の受付にあると聞いていたので、休館日の看板を見て「しまった!」と一瞬思ったのだが、ちゃんと駐車場の入り口に24時間いつでも押せるように100名城スタンプが設置されていたので助かった。
これでようやく今年2つめ、合計で45個目のスタンプだ。当初の目論見では今年中に50個獲得を目指していたが、このままではちょっと難しい。まぁ期限が明確にあるものではないので気長にやるしかない。