秋の雲が真っ赤に染まる夕焼け空がとても綺麗だったから…

2020-11-14

 夏が過ぎ、秋になると空の様子もだいぶ変わってくる。空気が澄んできて空はいっそう高く青く感じられるが、夕焼けの赤い色も心なしか鮮やかになるようだ。いや、雲ひとつない快晴だと実はそんなに焼けないのだが、うろこ雲とか鰯雲とか、風にたなびくような秋らしい雲が出ていると、日値没直後のマジックアワーには、空一面が真っ赤に染まることもある。

 この時期日没は午後4時台だから、会社に出ていると気がついたら辺りは暗くなってることがほとんどだが、在宅勤務が増えるとそんな夕焼け空を見るチャンスが圧倒的に増えた。そして「今日は綺麗に焼けそうだ」と、空模様を読む力がついてきた気がする。

東京のビル街の日没PENTAX K-1 II SE, HD D FA*70-200mmF2.8 ED DC AW(200mm), f5.6, 1/640sec, ISO100, -1.0EV
 10月上旬のある日。東京のビル街に落ちていく太陽。これは良い夕日だ。
 

東京のビル街の夕空PENTAX K-1 II SE, DA*300mmF2.8 ED [IF] SDM, f4.0, 1/250sec, ISO400, -1.0EV
 でもこれでは焼ける感じはしない。まだちょっと雲の表情が足りない。むしろ日が沈むまでの時間が勝負という感じだ。望遠レンズで地平付近の雲を切り取るととても綺麗だった。
 

雲の隙間から差す薄明光線PENTAX K-1 II SE, HD D FA28-105mmF3.5-5.6ED DC WR(58mm), f8.0, 1/640sec, ISO100, -1.0EV
 10月の中旬、日中は厚い雲に覆われていた空が、夕方になると雲の切れ目から日が差すようになってきた。これは「天子の梯子」が綺麗に出るかも!と、思ってカメラを持って外に飛び出し観察とスタンバイ開始。
 

日没の夕日に染まる雲PENTAX K-1 II SE, HD D FA28-105mmF3.5-5.6ED DC WR(80mm), f8.0, 1/320sec, ISO100, -1.0EV
 で、結局期待したような「梯子」は出なかったのだが、日没まで粘っていると… おぉぉ! これはもしかしたら良い感じに焼けるかも!
 

東京のビル街と夕焼け雲PENTAX K-1 II SE, HD D FA*85mmF1.4ED SDM AW, f4.0, 1/200sec, ISO100, −0.3EV
 やった! 良い感じに焼けてきた。

 しかし、この日のハイライトはこのあとにやってきた。
 

焼けた雲のテクスチャーPENTAX K-1改, HD D FA*85mmF1.4ED SDM AW, f4.0, 1/125sec, ISO200, −0.7EV
 さらっと滑らかに見えていた雲の底は、実はこんなにゴツゴツしたテクスチャを持っていた。その凹凸にちょうど影が出来た時間帯はほんの一瞬。すでに沈んだ夕日の赤い光を反射して空がこんな色に染まった。なんかちょっとグロくて怖いような気もしてくる。
 

秋の雲と夕暮れPENTAX K-1 II SE, FA31mm F1.8AL Limited, f5.6, 1/100sec, ISO100, −0.7EV
 さて、さらに半月経過して11月初旬。気温もぐっと下がり秋も深まってきたある日、やはり綺麗に焼けそうな気配の雲が広がっている。

 タイトルには「うろこ雲」と書いたが、そう言えば他にもいわし雲とかひつじ雲という呼び方もある。正確にはちゃんと区別があるのだろうが、よく分からない。でもこういう細かいパターンが現れるのは秋の雲だ。
 

一面焼ける秋の雲PENTAX K-1 II SE, FA77mm F1.8 Limited, f4.0, 1/100sec, ISO100, −0.7EV
 日没からまつこと数10分、前回と同じように焼けてきた。より目が細かくてガサガサした感じの雲だった。

 なお、今回ももちろんホワイトバランスはCTEにしている。RAW現像はしているが、実際撮って出しでもこんな感じになる。実際のところ、見た目よりはかなり派手で濃い目あることは白状しておく。

 もっと季節が進んで真冬になるとまた空の表情は変わってくるだろう。STAY HOMEしていても季節を目で感じられるのは、写真という趣味をやっているおかげかだな、と思っている。


 

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