千葉県各地の素晴らしい絶景を思い出し復興を願う

2019-09-17

 先週の台風15号によって千葉県内が大変なことになっている。東京東部に長年暮らす一人として、千葉県は物理的にも心理的にも非常に身近な土地だ。そして知り合いもたくさん住んでいる。だからと言ってできることはあまりないのだが、とても心配している。

 千葉県には観光地も多く、絶景ポイントがたくさんある。写真機材のレビューで有名なフォトヨドバシのとある記事にも以下のように書かれていた。

PYのロケ地として一番よく使われるのは千葉県ではないだろうか。都心からのアクセスがいい上、海あり山あり(とは言え、千葉県の最高峰は愛宕山の408m。これは全都道府県中で最低である)。旧所名跡も多い。ついでに美味しいものもたくさんある。ロケでは限られた時間内にどれだけ多くのバリエーションを撮れるかがポイントになるが、その点で千葉県ほど効率のよい場所はない。編集部員はみんな千葉県ラブだ。

 そう、困ったときの千葉。暇なときにはとりあえず千葉。自分も過去そんな風な気持ちでカメラを担いで何度も千葉に通っている。東京から2時間もかからないところに非日常の美しい世界が広がっている。

 ふと思いついてTwitterに千葉で撮った写真を連投してみたのだが、流れて行ってしまうのが勿体ないのでブログに書き留めておこうと思った。

原岡桟橋PENTAX K-1, HD D FA24-70mmF2.8ED SDM WR(24mm), f13, 15sec, ISO100, 0EV
 甚大な被害が伝えられている鋸南町。その海岸沿いにある原岡桟橋は、電球が灯る海上電柱列として有名だ。しかも真正面の海の向こうには富士山も見えるのだ(この写真を撮った日は残念ながら雲に隠れていた)。台風の度に破壊されて修復が繰り返されているようだが、今回はどんな状況なのだろうか?

 ここは有名になりすぎて、もしかしたら写真目当てに訪れるカメラマン達は、地元にとって観光公害なのかも知れないと心配はしている。でも復活して欲しい。いつかまた必ず行きたい。
 

大山千枚田PENTAX K-1 Mark II, DA FISH-EYE 10-17mmF3.5-5.6ED [IF](14mm), f5.6, 30sec, ISO400, 0EV
 千葉県は高い山がないわりに、実際に足を踏み入れてみるととても山深い。鴨川市と言えば海沿いの街というイメージがあるが、少し内陸に入ればこんな景色が広がっている。ここは大山千枚田という棚田で有名な場所だ。

 季節と時間によって全く違う顔を見せる。この時は田植えが行われている春先、わざと月の出ている夜に出かけていった。素晴らしい幻想的な風景が広がっていて、何時間でもボーッとできそうだ。虫との戦いにさえ耐えられるなら。
 

タケノコ狩りPENTAX K-30, DA18-135mmF3.5-5.6ED AL[IF] DC WR(18mm), f3.5, 1/160sec, ISO200, +1.0EV
 小湊鐵道といすみ鉄道が通る千葉県の最深部、大多喜町にタケノコ狩りに出かけたことがある。ナビに誘導されて進む道は、いつしか手彫りのトンネルが続く車ちょうど一台分しか通れない山道だった。泣きながら運転して到着したそこは、携帯の電波も通じず、まるで「桃源郷」のようだった。

 慣れないタケノコ掘りに悪戦苦闘し、崖を滑り落ち、カメラのフードを割り、山ヒルと戦いつつ手に入れたタケノコは、その場でお昼ご飯に焼いてもらった。タケノコがこんなに美味しいなんて!
 

養老渓谷PENTAX K-3, HD DA16-85mmF3.5-5.6 ED DC WR(85mm), f8.0, 1/160sec, ISO200, -0.3EV
 そして千葉県有数の観光地、養老渓谷。これも大多喜町にある。紅葉のシーズンに何度か行ったが、ここは温暖な房総半島にあって標高も高くないので、関東でも一番遅くに紅葉が楽しめる渓谷として有名だ。例年11月末から12月あたりに本格的に紅葉するのだ。植生も違うので、高山の紅葉とはまた違った色合いが楽しめる。
 

さくらの山FUJIFILM X-H1, XF35mmF1.4 R, f2.8, 1/5800sec, ISO200, 0EV
 何度も何度も通ってると言えば成田空港周辺だ。中でも「さくらの山公園」には数え切れないほど訪れている。名前の通り、桜の名所なのだが、その時期は猛烈に混むので一度しか行ったことがない。見事なソメイヨシノと菜の花と飛行機が同時に楽しめるのは、全国の空港でも数少ない成田ならではの風景だ。
 

外房の海とサーファーby フィルム一眼レフ(詳細不明)
 外房はサーファーに人気がある。が、自分はサーフィンとかマリンスポーツは全くやらないのでよく分からない。でも外房の海はいつの時代も青くて綺麗で、太平洋から直接押し寄せてくる良い波があるのだろうと思う。
 
 この写真は真冬に九十九里へ遊びに行ったときに撮ったものだ。しかも多分20年以上前にフィルムで撮ったものだ。どこでどんなカメラとレンズとフィルムで撮ったかは思い出せない。
 

東金ほるもんセンターPENTAX Q-S1, 01 STANDARD PRIME, f1.9, 1/60sec, ISO200, 0EV
 絶景とはちょっと違うのだが、千葉の東金に「ほるもんセンター」という名の、肉好きの間では有名なお店がある。電車に乗ってはるばると何度か出かけた。この店は本当に素晴らしい。また美味しいホルモンを食べに行きたい。

 もちろんホルモンだけでなく、千葉県には美味しい海産物が食べられるお店がたくさんあるし、お米だって野菜だってフルーツだって採れる。美味しいものをまた食べに行きたい。
 

江川海岸PENTAX K-1, HD D FA70-200mmF2.8 ED DC AW(200mm), f8.0, 30sec, ISO100, 0EV
 最後は木更津の江川海岸だ。この風景は海中電柱列ですっかり有名になった。潮干狩りができる遠浅の海で、水面はとても穏やかだ。そして対岸には君津の工場地帯が並んでいる。ただ、ここも観光公害の問題が出ていると聞くのでちょっと心配だ。でも、こんなに千葉県らしい景色もなかなかないと思う。

【2019年9月29日追記】
 江川海岸の電柱は現在撤去されているそうです。

 ということでざっと自分のNASと過去ブログの中から、千葉県の思い出を集めてみた。もちろんこれだけではないし、行ったことのない場所、見たことのない景色もたくさんあるはずだ。電気が完全に戻って落ち着いたら、また千葉のどこかへひとっ走りして写真を撮りに行きたいと思う。


 

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