横田基地に飛来したE-4Bナイトウォッチを撮りに行く

2021-03-20

 3月17日水曜日に仕事をさぼって横田基地に出かけてきた。月曜日にアメリカの国防長官を乗せてやってきた”E−4Bナイトウォッチ”が、2日足らずの滞在で慌ただしく次の訪問地韓国へ向けて飛び立つので撮りに行こう!と飛行機写真仲間から久しぶりに誘われたのだ。

 都内にあって近いはずなのに横田基地に行くのは初めてだし、軍用機を撮りに行くのはものすごく久しぶりだ。しかも今はあまりこの分野に適した機材を持っていない。特にレンズは300mmより長いものを持っていないのだが、E-4Bは超大型機だし、あまり気合いを入れることなく、ロケハンのつもりで気軽に撮ることにした。

E-4Bナイトウォッチ離陸

 まずはお目当てのE-4Bだ。どこから情報を手に入れたのか、誘ってくれた知人によると離陸予想時刻は午前9時から11時半とのことだった。

E-4B離陸PENTAX K-1 II SE, DA*300mmF4 ED [IF] SDM, f8.0, 1/1250sec, ISO200, −0.7EV
 そしてその予想通り、10時20分過ぎにRWY36から北に向けて離陸滑走開始してきた。どの辺が離陸ポイントなのかよく分からなかったが、ちょうど上手い具合に障害物をよけて上がってきてくれそうだ。
 

E-4B上昇中PENTAX K-1 II SE, DA*300mmF4 ED [IF] SDM, f8.0, 1/1250sec, ISO200, −0.7EV
 300mmでフレーム一杯のところにやってきた。

 E-4Bは見ての通りB747をベースにしている。しかも民間機ではほぼ絶滅したクラシック型の-200だ。実際、配備されてからすでに45年くらい経過しており、同じB747-200をベースとした現役のエアフォースワンよりも10年以上古い。

 大統領専用機のエアフォースワンが「空飛ぶ執務室」だとしたら、こちらのナイトウォッチは「空飛ぶ司令室」と呼ばれ、より軍事的な任務に近い。冷戦時代の産物なので核戦争での運用などを具体的に考慮していると言われている。
 

E-4BギアアップPENTAX K-1 II SE, DA*300mmF4 ED [IF] SDM, f9.0, 1/1250sec, ISO200, −0.7EV
 頭の上のコブは衛星通信用のアンテナらしい。機首には空中給油用の受け口も付いている。そして窓がほとんど潰されているのも特徴だ。

 それにしてもやはりB747は美しい。離着陸性能も運動性能も大きさの割にとても良く、そして巡航速度が現代の双発機と比べるとかなり速い。やはり4発機は正義だ。
 

E-4BバックショットPENTAX K-1 II SE, DA*300mmF4 ED [IF] SDM, f10, 1/1250sec, ISO200, −0.7EV
 ということで、E-4Bナイトウォッチはあっという間に北の空に去って行ってしまった。

 前方の巨大なコブ以外にも、ボディ上部には小さなアンテナがいくつも付いており、さらに何かワイヤーが垂直尾翼との間に引かれている。これもアンテナだろうか。

 ちなみにエアフォースワンはB747-8ベースに更新が決まっているが、ナイトウォッチはどうなのだろう? 冷戦の終結後、世界情勢の変化により実はもう不要だったりするのだろうか?
 

TITAN25 Flightradar24

 軍用機は通常Flightradar24には現れないのだが、なぜかこの日のE-4Bは見えていた。発地(横田)と着地(烏山)は設定されていないが、コールサインのTITAN25は表示されていた。
 

国務長官のVC-32Aは撮れなかった

 E-4Bを見送ったらもう目的は果たしたも同然なのだが、せっかくだから同時に訪日していて、やはりこの後韓国に向かう国務長官用のVC-32Aも撮っておきたい。

 ということで、横田基地を離陸する他の飛行機も撮りながらVC-32Aが離陸するのを待っていた。

C-17PENTAX K-1 II SE, DA*300mmF4 ED [IF] SDM, f10, 1/1000sec, ISO200, −0.7EV
 C-17グローブマスターIIIとか。初めて実機を見たが、全体的にずんぐりしていて大きさの割に迫力がある。
 

C-130PENTAX K-1 II SE, DA*300mmF4 ED [IF] SDM, f5.6, 1/1200sec, ISO100, 0EV
 C-130ハーキュリーズはひっきりなしに飛んでいた。プロペラ機やヘリコプターはローターをブラさないとそれっぽく写らないので、シャッター速度を下げる必要がある。その辺の勘所を思い出すのに時間がかかって、いろいろまごまごしてしまった。
 

ATI B767PENTAX K-1 II SE, DA*300mmF4 ED [IF] SDM, f8.0, 1/1250sec, ISO200, −0.7EV
 そして、貨物機や兵員輸送用の民間チャーター機が多いのも横田基地の特徴だろう。成田や羽田などでは見かけない、主に軍の仕事を請け負っているような、見たことないカラーリングのB767が飛んでいく。
 

横田基地から望む富士山とC-130PENTAX K-1 II SE, DA*300mmF4 ED [IF] SDM, f9.0, 1/1250sec, ISO200, −0.7EV
 この日は穏やかに晴れていたので富士山がよく見えた。撮影位置と飛行機の離着陸ルートによっては富士山背景で米軍機を撮ることができたりもするらしい。が、今日は難しかったようだ。E-4Bの離陸が早すぎるという周囲のため息も、富士山都の絡みを狙っていた人達のものかも知れない。
 
 さて、国務長官の乗るVC-32Aは、駐機位置から動いて滑走路端に向かったのは見えたのだが、その後1時間以上経ってもなぜか離陸しなかった。周囲の同業の人達人達も三々五々諦めていなくなっていく。そして2時間近く経過したところで自分も諦め、帰途についた。

 が、どうやらその直後くらいに飛んだらしい。この世界ではあるあるな話だが、こればかりは仕方がない。また今度の宿題ということにしよう。
 


 今回の撮影地はこの辺だ。他にももちろん撮影ポイントはたくさんあるので機会があればまた別のところも行ってみたい。


 

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