使っているカメラバッグについてブログに書いたことはほとんどないのだが、実はピークデザイン製のカメラバッグを3種類も使っている。その中で一番小さいバッグがエブリデイスリング10L(BSL-10-BL-1:第1世代)だった。
ボディ1台にレンズ1〜2本程度と身の回りの小物を入れるのにぴったりなサイズで、斜めがけできるのが楽ちんだし、なんならカメラを持ち出さない普段使いもしていた。
3年愛用してきたエブリデイスリング10L V1故障
購入から約3年、概ね満足して使っていたのだが、先日とうとうメインのファスナーが壊れてしまった。
こんな感じでちょうど蓋の角のコマが2個ほど欠けている。なのでスライダーがここで引っかかって動かなくなってしまった。いや、強引に引っ張ると締まるのだが、コマが欠けた部分は穴が開いた状態になってしまう。せっかくの止水ファスナーなのにこれでは…
購入から約3年だし、当初は買い換えを考えていたのだが、いや待てよ… ピークデザイン製品は永久保証がついていて新品に交換してもらえる可能性があるという話しを聞いたな…。
ピークデザイン製品の「LIFETIME WARRANTY」を申請
ということで、ネットで色々調べた結果、日本におけるピークデザイン製品の正規輸入代理店である銀一さんの以下のページにたどり着いた。
ふむふむ、なるほど… ピークデザイン製品は保証期間に定めがなく「生涯保証」となっている、と。もちろん生涯保証を受けるには決まりがあるのだが、そんなに条件は厳しくはない。「機能が損なわれる」または「欠陥が見つかる」場合が対象であり、「汚れ」や「へたり」のようなものは対象とならない。
ならばファスナーの故障は十分「機能が損なわれる」に該当するのではないか?と思い、保証申請してみることにした。上記WEBページにあるリンクから、保証申請フォームに飛んで必要事項を記入するだけだ。
なお申請には購入を証明するものが必要になる。自分の場合はヨドバシ.comから購入したのだが、納品書の類いは保存していなかったので、↑このようなヨドバシ.comの購入履歴のページのスクリーンショットで代用した。
あとは故障状態を表す写真はトップに貼ったものを使い、QCナンバーは前ポケットの内側のタグに記載されているので、それを読み取って入力すればOKだ(保証申請フォームに各製品のQCナンバー記載場所へのリンクが張られているのでそれを見ればすぐに発見できる)。
ちなみに銀一さんで保証を受け付けているのは、日本への正規輸入品だけだ。ピークデザインから直接購入したものや海外での購入品、並行輸入品などはピークデザインに直接WARRANTY申請する必要がある。
新型のエブリデイスリングと交換してもらえた
申請から数日後、銀一さんからメールで連絡があり、ファスナーが壊れたエブリデイスリング10L V1実物を送付した。さらに数日してから「保証対象になることを確認した。V1はすでにディスコンなのでV2を代わりに送るよ」というメールが来た。やった!それを実は期待していたのだ。
なお故障品の送付と交換品の受け取りの送料はすべてこちら持ちになるので、費用として3千円弱かかっているが、逆に言うとそれだけのコストで、新型の新品に交換してもらえるなんてすごい!
巨大な段ボール箱からでてきたのは、ピークデザイン製バッグではおなじみのビニール袋パッケージだ。中身はエブリデイスリングの現行モデルBEDS-10-BK-2だ。
中身はこんな感じ。色はブラックにした(V1はチャコールだったがV2は同色がない)。ピークデザインらしいスタイリッシュでちょっと変わった外観だったV1と比べると、見た目はずいぶん普通になってしまった感じがする。が、その分使いやすくなっている。
細かい部分はざっくり割愛するが、一番改善されたと感じるのは、問題のファスナー部分だ。V1はシングルだったがV2はダブルになっている。これだけでかなり開け閉めしやすくなっている。
あとはV1最大の不満点だったストラップの長さ調節機構も改善されている(写真割愛)。
HD DA★16-50mmF2.8PLMを取り付けたPENTAX K-3 Mark III(バッテリーグリップなし)と HD DA55-300mmPLM と DFA★50mmF1.4 を入れてみるとこんな感じだ。見えてないがバックのポケットにiPad Pro 11インチも入ってる。
ただ、自分の用途では実際にこんなに機材を詰め込むことはない。レンズ+ボディに交換レンズを1本程度だろう。空いたスペースは眼鏡とか他のものを入れるのが普通の使い方だ。iPadは日帰り旅行だったら持っていくかも知れない。
製品の詳細はこの公式ビデオが詳しい。3Lと6L版も含めた紹介になっているが、16分にわたってエブリデイスリングV2の使い方やTIPSを説明してくれている。早口の英語を聞き取るのは大変だが、映像を見ていれば何を言ってるかだいたい分かると思う。
初めてピークデザイン製品に手を出す気になったのは、こうした製品を熱く語るビデオを見て感化されたからだ。それは単に格好イイ!というイメージを刷り込まれただけではなく、作り手が本当に写真を撮っていることが明確で、既存製品では解決できないちょっとした不満や、改善案やアイディアを具現化した製品であることをひしひしと感じたからだ。
5年くらい前のピークデザインは、まだ有名になりかけのベンチャー企業だったが、今では定番と言われるまでになって、だいぶ大企業化してきたのではないかと感じる。あれこれ手を出し過ぎとか、製品ラインナップ増やしすぎとか。
でも、こういう製品の使い方を地道に語るビデオを今でも撮って公開していることに少し安心した。
3年も使って壊れたバッグを新品交換してくれるというこの「生涯保証」制度も、もともとはクラウドファンディングなどを使って製品開発していた本当の意味でのベンチャー時代のものだろう。しかし、今後もこの制度が維持できるのかちょっと不安に思っている。
だって、理論上は最初に製品代金を払ったら、あとは送料程度を負担するだけで、永久に修理または新型の新品に交換してもらえることになる。製品価格にある程度上乗せされてるとは言え、そんな素晴らしいことが本当に持続可能なのだろうか?と、今回実際に「生涯保証」の素晴らしさを体験してみて思っている。
このスリングの他に、使用頻度が最も高いエブリデイバックパックがあるので、それもいつか壊れたら新型に交換してもらえたら良いな、と都合の良いことを考えている。