もうはるか昔のことに思えるゴールデンウィークのこと。5月4日はみどりの日ということで、都立庭園はすべて入場料が無料となっていた。とはいえそもそも都立庭園の入場料は大人で割引なしでもだいたい150円とかなので、無料だから行ってみよう!と思い立ったということではない。
そうではなくて、旧古河庭園の春バラがちょうど満開を迎えたところでお天気もとても良い日だったので出かけてみた。
バラは晴れの日…… よりももしかしたら曇りや雨の日の方が妖艶で良いのかもしれない、と思ったのは現地に着いてからだ。いやでも晴れているに越したことはないか。
色とりどり、形もいろいろ、100種類以上のバラが咲いている。それぞれちゃんと名前が付いていて表示がされているが、ちゃんと自分が何を撮っているのかは気にせず記録していない。なので以下も、赤いバラとか白いバラとか、そういう薄い説明しかないことを断っておく。
それにしても連休中だしお天気は良いし、見事なまでに見頃を迎えているし、多くの人が訪れていた。旧古河庭園を訪れた経験の中では一番多くの人がいたと言えるかも。洋館前のイングリッシュガーデンはあまり広くないので、日傘禁止となっていて、警備の人がそのへんの注意をしていた。帽子とか他の日焼け対策を持ってきてないと大変だが、実際日傘は危険だし邪魔なので仕方がない。
どこにカメラ向けても美しい。密度高く咲いているので前ボケも後ボケもやりたい放題。バラは色も濃いし押し出しが強くて撮っていて楽しい。種類や名前を知らなくても十分に楽しめてしまう。でも訪れている人のなかにはバラマニアな人たちも当然リルらしく、そっち方面の会話がたくさん聞こえてくる。
この日はMC105mmをメインレンズとして持ってきた。なので当然頼元ななくてはならない。もちろん手持ちなのだがAF-Cで何枚か撮れば多少風に揺られていても、身体が動いてもピントは問題ない。
光が強いがワーキングディスタンスがそこそこ取れるので、それほど陰で苦労したりしていない。本当はもっと絞って深度を稼ぐと違う世界が見えてくるのかもしれないが、手持ちではあまりシャッター速度を落としたくないので、まむしろ豊富なボケ量に期待して開放付近で使った。どこにピントを置くべきか相変わらず難しい。
引きの絵も撮らねば、と考えていたらポツンと咲いているバラを見つけた。他にもカメラを向けている人が何人かいる。みんな考えることは同じか。あるいはこれも狙って作られた景色なのかもしれない。
旧古河庭園のイングリッシュガーデンといえば洋館を背景にした景色が定番だ。そのために超広角ズームも持ってきた。24mmくらいでも十分間に合うのだが、10ミリ台の強烈なパースも捨てがたい。混雑しているので、隙間を狙ってシャッターを切る。
レンズを変えて2周くらいしてだいたい満足したので、一休みして涼むために日本庭園の方に降りてみた。ここから見え上げる洋館の風景がまた良い。大木に囲まれて頭上を覆う新緑が輝いている。そうだ、紅葉をここに見に来たいと以前から思っていたのだった。今年こそ挑戦してみたい。
ということでまた秋バラの時期に訪れたいと思う。