2021年のソメイヨシノ:Nikon Z 5 編

2021-03-29

 前回からの続き。被写体は同じく今年の桜(ソメイヨシノ)なのだが、今回は機材を入れ替えてミラーレス機のNikon Z 5を持ち出してみることにした。

 PENTAX K-1 Mark IIに大口径単焦点レンズを付けて桜を撮っていると、その結果がどうだったかはともかく、ファインダースクリーンに浮かぶ映像の美しさにウットリしてしまう。だから桜の撮影はOVFに限るな〜 と思っていたのだが、果たして本当にそうだろうか?

 ということでNikon Z 5を持ち出してみることにした。ミラーレス機であることよりはレンズの方が問題かも知れない。開放F値のくらい高倍率ズームと、超広角ズームしか持っていないのだ。中望遠の切り取りやすい画角、ふんわりした圧縮効果と強力なボケに頼ることはもはや出来ない。

木場公園の桜と東京スカイツリーNikon Z 5, NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR(49mm), f8.0, 1/500sec, ISO100, 0EV
木場公園の桜と木場公園大橋と東京スカイツリーNikon Z 5, NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR(155mm), f11, 1/250sec, ISO100, + +0.3EV
 東京スカイツリーと桜。便利ズームは本当に便利(なお語彙不足)。そして何度も言うが、このレンズは本当に高倍率ズームだから…という欠点が撮影結果に感じられない。
 

木場公園の桜Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR(175mm), f8.0, 1/160sec, ISO100, + +0.3EV
黒バックの桜Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR(175mm), f6.3, 1/800sec, ISO100, + -1.3EV
 せっかく広角側も24mmから使えるのに、どちらかと言うと望遠側を使ってしまいがちだ。しかしExifを見てみると、テレ端200mmにほぼ固定しているわけではないのが自分でもちょっと意外だった。

 なおミラーレスだとピント精度の心配がほとんどないし、極端な露出補正が必要な場合も、補正結果がリアルタイムにEVFに見えるので確かに便利だ。細かいパターンの描写(EVF表示上の)に当初は違和感を感じていたが、それも今はもう気にならなくなった。
 

大横川のカヌーと桜Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR(200mm), f6.3, 1/400sec, ISO100, +0.7EV
 この季節は大横川にお花見目的と思われるカヌーや遊覧船がやってくる。門前仲町付近から小名木川あたりまで、ずっと水上からお花見が楽しめるようだ。もしかしたら東京スカイツリーの方まで行くのかも知れない。

 この一帯の川は潮の満ち引きの影響を直接受けるので、時間帯によって水面の高さが変わる。もちろん満潮に近い方が桜までの距離が近くて良い眺めになるのだろう。この写真を撮ったときは引き潮気味でイマイチだったのではないかと思う。
 

超広角で桜と青空Nikon Z 5, NIKKOR Z 14-30mm f/4 S(14mm), f11, 1/100sec, ISO100, 0EV
 さて、次は超広角ズームに付け替えてみた。桜を超広角で撮るのは初めてかも知れない。なお、せっかくだからPLフィルターを使った。14mmでPLがこんなに気楽に使えるなんて素晴らしい。
 

木場公園BBQ広場の桜Nikon Z 5, NIKKOR Z 14-30mm f/4 S(14mm), f16, 1/80sec, ISO100, +0.3EV
一本桜の根元Nikon Z 5, NIKKOR Z 14-30mm f/4 S(14mm), f11, 1/125sec, ISO100, +0.3EV
 満開の桜でも超広角ではスカスカになってしまうのではないかと心配していたが、そんなことはなかった。木場公園のバーベキュー広場の桜並木は思ったよりみっちり咲いている。素晴らしい。迫力がある。

 このレンズの場合はやはりワイド端ばかり使いがちだ。でもそれは仕方がない。やはり14mmのパース感はそれだけでインパクトが強い。
 

木場公園大橋と桜Nikon Z 5, NIKKOR Z 14-30mm f/4 S(26.5mm), f5.6, 1/640sec, ISO100, +0.7EV
 超広角で寄るとより遠近感が強調されると思ってやってみたのだが、背景を気にしてズームリング回していたら、わりと普通の画角になってしまった。ま、いいか。
 

木場公園の広場Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR(24mm), f8.0, 1/400sec, ISO100, +0.3EV
 さて、冒頭に書いた「桜を撮るならOVF云々…」というのは、当初はわりと本気で思っていて、軽くて便利なのを分かっていながらも、Nikon Z 5を持ち出す気にはなれなかったのだが、いざ使ってみると当たり前ながら全然問題ない。というか十分に楽しい。そんなことは当たり前なのだが。

 当たり前ついでに言うと、カメラがどうかEVFとOVFの違いがどうとか言うことよりも、やはりレンズの違いの方が写る結果に与える影響は大きい。便利ズームはこういう場合使っていてもつまらないのではないかと思っていたが、絞りの選択範囲が狭くなる代わりに画角の選択範囲がぐっと広がるわけで、使っていて不満というか不足は感じなかった。

 ただ、EVFで見てシャッターを切った時の印象が頭の中に残っているせいか、Lightroomで現像した感じがバキバキになってしまう気がする。決してZ5やZレンズの描写がこうだというわけではないはずなのだが…

 ということで、今年の桜の写真はこれで終わりだ(多分…)。また来年!


 

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