ブラックミストフィルターを使ってイルミネーションを多重露光する

2025-01-05

 真冬のこの時期は各地でイルミネーションが行われている。都内にも名所はいっぱいあって今年は今まで行ったことないところに出かけてみようかと思っていたのだが、気がついたらほとんどはクリスマスを最後に終了していた。以前はどこも年明けまでやっていたと思ったんだけどなぁ……

 ということで結局今年も毎年恒例の丸の内仲通りに出かけてきた。ここは例年通り2月までイルミネーションが行われている。もちろんクリスマスが最盛期でその頃がもっとも華やかだそうだが、その時期は当然ながら大混雑だろう。お正月過ぎになれば都内のイルミネーションスポットとしては夢のように空いている。

案内板とイルミネーション

 イルミネーションを撮影すると言えば多重露光。玉ボケでこれでもかというくらいに画面を埋め尽くしてみたい。もはやどっちがメインなのか分からないくらいに。

ブラックミストフィルターを試してみる

 その前に、毎年同じ場所で同じ写真ばかり撮っていても進歩がないと思い、今回は変化をつけるために新たにブラックミストフィルターを使ってみることにした。

丸の内仲通りのイルミネーション

 3年くらい前だっただろうか? ある時期から突然流行り出したミスト系のフィルターは、今となっては写真や動画の味付けに使用する定番となってきた。ブラックミストは夜景と相性が良く、光源がほわっと滲む感じになる。

 せっかくならNISIやマルミなどのマグネットを使用したフィルターシステムを導入してみようかとも思ったのだが、思いつきで買うにはコスト含めていろいろと考えることが多くハードルが高い。なのでまずはお試しということで、今回は普通のねじ込み式のフィルターにした。サイズは35mmF1.4とMC105mmF2.8で共用可能な62mm、ミストの強さはNo.5(ケンコーの場合:数字が小さくなるほど効果は強くなるらしい)にした。
 

自転車とイルミネーション

 路駐自転車。灯りがぼんやり滲んで良い感じだ。
 

ビーム

 逆光みたいな強い光源があるとその眩しさが寄り強調される(なお人混みで大きなカメラをローアングルに構えるのは、今どき非常に高リスクなので周囲の状況に十分な注意と配慮が必要だ)。
 

丸の内二丁目ビル

 そんなに強い光源でなくても明暗差があれば綺麗に滲みが出る。モノクロでもそれは変わらない。

 なるほど! ブラックミストはなかなか面白い。大流行した理由が分かってきた。さらにGR IIIシリーズのHDFバージョンにもちょっと興味が沸いてきた。

ブラックミスト×多重露光

 ということで、ブラックミストを付けて撮ったイルミネーションに、さらにわざとボカして撮ったカットを多重露光してみよう。

丸の内仲通りのイルミネーションと路駐している車のリフレクション多重露光

丸の内仲通りのイルミネーション多重露光

 これが今回の最終目標というか、やってみたかったことだ。ちょっとくどいだろうか? でもイルミネーションなんてこんな感じでちょうど良いのではないかと思う。

 Z8の場合、合成方式を加算だけでなく加算平均、比較明合成や比較暗合成も選べるし、2枚目以降の撮影時にファインダー像にうっすら合成前画像をオーバーレイしてくれるので、結果がイメージしやすい。ただしカメラ内で合成した画像はJPEGになってしまう。でも同時に合成前の個別カットのRAWも保存しておけるので、今回はそれらのファイルを使用してPhotoshopで再度合成している。

 以下、同じようにブラックミストフィルターを使い、ボケ画像を合成した写真を並べていく。

ウィンドウ内のディスプレイ多重露光

 丸ビルの1階に飾り付けられていたマリオのディスプレイ。
 

キラキラした壁

 何を撮ったか全然伝わらないけれど、右側はキラキラした壁に寄ってわざと画面半分を埋めた。その結果左半分だけ合成したみたいだし、最近一部ではやっているハーフ判のサイド・バイ・サイドみたいにも見えるが一発撮りだ。
 

丸の内仲通りのイルミネーション多重露光

 玉ボケではなく画面上下方向にグラデーションになるようなボケ画像を2枚目に撮って多重露光した。効果の非常に強いミスト系のフィルターを使ったみたいになったのだが、そうかミスト系のフィルターもある意味ボケ画像の多重露光みたいな効果なんだな(正確には全然違うけど方向性が似ているという意味で)と改めて気がつく。

 結局こういう場合にNIKKOR Zマウントみたいなキレキレの高コントラストなレンズは味気なさすぎるわけで、むしろこうやって一生懸命その光学性能を無駄にする努力を重ねていることになる。光学設計した人に申し訳ない。
 

丸の内仲通りのイルミネーション モノクロ多重露光

 ボカした玉ボケ画像の多重露光ばかりでは飽きてきたので、ブレ画像の多重露光などを試してみる。何がなんだか分からなくなってしまったが、もしかしてモノクロにするとまだ見られるかも?と思ってやってみたがどうにもならない。
 

丸の内仲通りにあるオブジェ 低速シャッター

 ブレ画像を多重露光するくらいならスローシャッターでいいのでは?と思い、ちょっと試してみた。流し撮りなんかで上手い人がやるブレ表現をイメージしたが、なるほど難しいわけだ。明確な意図とそれを再現する技術がないと無理らしい。
 

東京駅多重露光

 東京駅から有楽町方面に一往復してきた。東京駅もただ撮るだけではつまらないのでいろいろ多重露光などで遊んでみたくなる。まぁまぁではないかと自己満足している。

 なおお正月の間はウェディングの前撮りもお休みのようだ。一組も見かけなかった。
 

ハチワレとイルミネーション

 カメラを持ったハチワレのぬいぐるみを高々と掲げて写真を撮っていても全く恥ずかしくない。もともと浮かれた雰囲気の場だし、ハチワレだし仕方がない。
 



 

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