久しぶりの100名城巡りで群馬県高崎市にある箕輪城をめぐったあと、そのまま帰るのは勿体ないくらいの快晴だったので、もう少しドライブと観光を楽しむことにした。
地図を眺めて目についたのは伊香保温泉だ。関東周辺というか群馬県の有名温泉地は草津温泉はじめだいたい行った気になっていたが、伊香保は記憶にない。是非行かなくては!
とその前に、同じく地図を見ていて気になった榛名高原方面に山道を登ってみた。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 14-30mm f/4 S(14mm), f8.0, 1/250, ISO100
榛名高原には榛名山と榛名湖がある。もちろん火山でありカルデラ湖だ。高原というよりは山だろう?と思っていたのだが、車で九十九折りの山道を登り切った先は少し開けて確かに高原のように長閑な風景が広がっていた。
目の前にあるお椀をひっくり返したような”The 山”が榛名富士と呼ばれる溶岩ドーム。ここから見ると小山に見えるが標高は1390mほどになる。榛名富士の山頂まではロープウェイ(というかゴンドラ)があるようなので登ってみた。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(28mm), f8.0, 1/400, ISO100
ロープウェイの終点部にある山頂からは関東平野が一望できる。この写真のほぼ真正面方向には東京スカイツリーがあるらしいが、これだけ天気が良いながらも夏の空気はそこまで見通せるほど澄んではいなかった。写真を後から拡大してガリガリに明瞭度とかコントラスト上げるとうっすら写ってるかも?と思ったが、それも無理だった。
なお右手の方には富士山があり、さらに右には浅間山が間近に見える。なるほど、これは絶景だ。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(120mm), f5.6, 1/1000, ISO100
快晴の真夏の日だったがこの標高になると風が涼しい。本当の山頂部にある榛名神社への参道階段脇には、紫色のこんな花が咲いていた。山でしか見られないものかと思って写真だけ撮ってきたが、あとで調べたらマツムシソウというわりと一般的な花らしい。
なおZ24-120mmはかなり寄れるので、出先でブラブラしてるときに、ふと見つけたものを切り取って記録しておくのにもとても便利だ。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(27mm), f8.0, 1/200, ISO100
さて、山を下りてきたらぐるっと榛名湖岸を一周してみた。小さな湖なので車やバイクだったらほんの30分くらいで一周できてしまう。湖岸に出られるところも多く、どこから見てもとても綺麗だ。
風は穏やかなれどもさざ波が立っていて「逆さ榛名富士」とまではいかなかったが、青空が映った湖面は美しい。PLフィルターを持ってこなかったのを少し悔やんだが、使ったからといってどんな結果になったかは分からない。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 14-30mm f/4 S(30mm), f5.6, 1/500, ISO100
湖岸の遊歩道脇にも紫色の花が咲いていた。これもとりあえず記録しておいて後で調べてみると、ミソハギ(背が低かったのでエゾミソハギではないはず?)という名のやはりごく一般的な花らしい。でも、ここでも標高1000mくらいあるので下界よりは少し季節が進んでいるのは確かだろう。
それにしても青空が濃い、PENTAXの夏天で撮ったらどうなっていたことだろうか?
Nikon Z 5, NIKKOR Z 14-30mm f/4 S(26mm), f8.0, 1/200, ISO100
ということで、榛名湖周辺をぐるっと一回りして高地の涼しい空気と綺麗な風景を楽しんだ後は、高崎方面から登って来た山道とは違う山道を伊香保温泉に向かってく下っていく。
ここで何となくうっすらと思い出したことがある。平日の真っ昼間でいかにもそういう車が走っていたわけではないのだが、榛名山から伊香保に下る道といえば、かの有名な漫画「頭文字D」の舞台ではないか?と。そうだ、そうに違いない。
基本的に今も昔も漫画は読まない方のだが、これだけはなぜか友達からお下がりの本をもらって一部だけだが読んだことがある。具体的なシーンを覚えているわけでも何でもないのに、走っていて思い出したのはやはりなにかの記憶に触れるものがあったのだろう。
もちろんだからと言って何かするわけではないのだが、そうかそうだったか……と、ちょっとだけ感慨にふけりながら、重たくて安楽仕様のディーゼルのワゴン車でダウンヒルを(安全運転で)楽しんできた。
そこでさらに思い出したことには、約20年ほど前に306に乗っていた頃、榛名山ではなく赤城山に遊びに行ったときに山道の下りで、山側の側溝に脱輪したことがある。もちろんギリギリを攻めて走っていたわけではない。ただ、空気が気持ちよくて窓全開にして走っていたら、蜂のような大きな虫が飛び込んできて車内が大騒ぎになった末の出来事だった。
同じ過ちを繰り返さないように、窓を閉めてエアコンをかけ慎重にライン取りをしながら下って伊香保温泉になんとか到着した。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(24mm), f8.0, 1/160, ISO100
Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(28mm), f8.0, 1/100, ISO140
伊香保温泉名物の大階段。一番上まで行くと365段あるらしい。だんだん細くなっていって山沿いの温泉街らしい雰囲気が漂うが、周辺にはなぜか射的屋がやたらにある。いや温泉街だからあるのか。昼間ということもあって子ども達の遊び場になっていたが、いずれにしろちょっと不思議な光景だった。
階段の上からの眺めも良かろうとうっかり登ったのだが、途中で突然膝が痛くなってきた。歩きすぎるとよく起こる持病なのだが、この日はそんなに歩いてないからと思って油断していた。箕輪城で道なき道を彷徨いすぎたツケが来たようだ。
なので365段制覇は諦めて途中で引き返しゆっくりと下ってきた。登るよりも下る方が痛いので難儀したのだが、車は階段の下に置いてきたので仕方がない。
Apple iPhone 13 Pro Max(広角カメラ 26mm相当), f1.5, 1/160sec, ISO64
さて、せっかく温泉地に来たのだから一風呂浴びようではないか。ということでやってきたのは伊香保温泉露天風呂という、公営のいわゆる外湯だ。伊香保温泉の中では一番高いところにあって源泉のすぐ横にある。
伊香保名物の「黄金の湯」を掛け流しで楽しめるお風呂で、洗い場もなく脱衣所もお風呂のすぐ横で露天というスタイルだ。上流側の熱めの湯と下流側のぬるめの湯があったが、熱めの方もそんなに熱くは感じなかった。もちろんぬるめの方にゆっくり浸かるのが気持ちよい。虫が多くてその点だけ鬱陶しかったが、夏の緑に囲まれた静かな露天風呂はとても居心地が良かった。
Apple iPhone 13 Pro Max(超広角カメラ 13mm相当), f1.8, 1/122sec, ISO32
伊香保温泉露天風呂のすぐ源泉の湧出口がある。なぜかドーム状のガラスが被せられ厳重に保護され無駄に格好イイのだが風情は欠片もない(酸化前の透明なお湯を保つためらしい)。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(24mm), f5.6, 1/100, ISO500
伊香保温泉露天風呂の入り口近くには、河鹿橋という朱塗りの綺麗な橋がある。映えスポットらしく多くの人が写真を撮りにきていた(主に橋の上で撮っていた)。下を流れる川は温泉(黄金の湯)が混ざっているのだろう、酸化した茶色になっている。
夏なので緑に囲まれて鬱蒼としていたが、ここは秋に紅葉すると一段とすごい景色になるらしい。というかその光景は何となく想像がつく。もちろんものすごい混雑するらしいけど一度見に来てみたい。