2月になって強力な寒気がやってきてあちこちで大雪が降っているが、東京には雪の気配はない。冬型の気圧配置が強まり、強い北風や西風が吹くと良く晴れるというのは関東平野の典型的な真冬の気候で、そこそこ冷え込んではいる。
四季の中で一番冬が好きというと珍しがられることがあるが、スキーをやらなくなった今でもその気持ちはあまり変わらない。澄んだ空気とピリッと冷え込んだ空気、低いところから差し込む陽の光と、長い夜の時間がとても好きだ。生ぬるくて花粉やなんやらで空気が淀む春なんか来なければ良いのに、と思っている。わりと本気で。
ということで、真冬の東京は散歩をするにはちょうど良い。街角でスナップするも良し、ちょっとした公園で冬らしい草花を見つけるもよし。しかし1月下旬から2月にもあると、春の気配がそこらに見え隠れしてくる。
蝋梅は散る
例えば蝋梅。
1月の早い段階で見頃を迎え、甘い香りを漂わせていた。2月になるとだいたい薄汚れて散っていることが多いが、そうなるともう冬ももう終わりつつあるというサインでもある。いつまでも咲いていれば良いのに。
亀戸天神にやってきた。蝋梅の木はそんなに数はないのだが、まだ色のない境内の中で真っ黄色の花を咲かせるのでとても目立つ。今年は色付きも花の数も香りの強さも、蝋梅的にはそこそこあたりの年だったのではないかと思う。
白梅が咲き始める
そうこうしているうちに気の早い白梅がちらほら咲き始めている。
とはいえ昨年は2月の上旬にかなり咲いていた記憶があるのだが、今年の梅はかなり遅れているようだ。東京でも1月下旬は1週間くらい暖かい日が続いたが、その前後は平年よりも寒い日が続いているせいだろうか。そんなこともあるよねと思いつつ、もう2月も下旬にさしかかろうとしているのに。
寒桜も咲き始める
とか言っていると、木場公園の周辺では寒桜の一種だと思うのだが早咲きの桜がもう咲きはじめた。
これはこれで平年通りという気もする。これらの気の早い桜にはメジロたちが群がっている様子を見て、今年もあの季節がやってきたかと改めて感じる。
ということは、もしかして河津桜の季節もそろそろだろうか? 周辺の河津桜の様子も見てみたがさすがにまだ咲いてはいない。でもこの一帯の景色がガラッと変わるのもあと1~2週間の話かもしれない。
山茶花は散る
そして山茶花は散り始めた。
12月に咲き始めたはずで冬のあいだはずっと咲いていると花だが、山茶花の木のまわりが赤く染まってくるとそろそろ春かな?という印象がある。咲いている姿は椿と間違われがちだが、散り方は全然違う。
菜の花が咲く
そろそろ菜の花も咲き始めているという噂を聞きつけて浜離宮庭園に出かけてみた。
この通り一面黄色で見事な景色だった。汐留のビル街とともに映えているが、寒いせいかまだそれほど見物に来ている人は多くなかった。
都心ではなかなか見られない規模の菜の花畑はずっといても飽きない。
写真では分からないが鳥よけ(ヒヨドリよけ?)のためと思われるワイヤーが全体に張り巡らせてあった。農作物として作ってるわけではないのでそこまでしなくてもという気もしないでもないが、花を良い状態でなるべく長持させるためなのだろう。
菜の花畑の脇では梅も咲き始めていた。梅は白も紅もあと10日ほど経つと見頃かもしれない。多分菜の花もその頃でも十分に見頃を保っていると思われる。その頃が浜離宮庭園のこの景色の最盛期だろう。
おまけで水仙も貼っておく。これも冬に咲く花の代表だろう。
そして最後に何の脈絡もないが東京スカイツリーの写真を貼っておく。亀戸の裏路地から見た姿が格好イイ。多分冬の光じゃないとこうはならないと思う。
さて、今年の桜(ソメイヨシノ)はどうなるだろうか? 昨年は例年になく遅く咲いたが、今年は今のところ昨年よりもずっと気温は低く推移しているようだ。必ずしも暖冬だと早咲き、寒いと遅咲きというわけではないらしいが。
それ以前に自分の生活圏内では、街角のあちこちにあって隠れたお花見ポイントとなっていた桜の木がどんどん伐られてしまっている。老木になり折れる危険があってのことなのだろうが、ここ5年でお花見環境は急速に悪化している。そこら中に桜が咲いていたここ20年くらいが異常な状態だったのだろうか。残された木が綺麗に咲くことを願うしかない。
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