6月と言えば紫陽花のシーズン。関東も梅雨入りして雨の日が続き、どんよりとした薄暗いなか水に濡れる紫陽花の姿は、我らアマチュアカメラマンの多くが毎年毎年必ず撮る被写体だ。遠くまで出かけなくても、街中のその辺やちょっとした公園にもわりと咲いている。大振りで色合いも良く普通に撮れば普通にきれいに撮れて満足感が高い。
……と思ったのだが、今年は梅雨入りが遅れ、東京では6月も折り返しの15日が過ぎたというのに梅雨入りしていない。実際にここ最近は雨らしい雨は降っていないように思う。しかし紫陽花は例年通りすでに5月中から咲いていて、そろそろシーズンは終わりを迎えようとしている。
ということで、5月初旬からちょこちょこと撮りためてきた今年の紫陽花写真は、すべて快晴の強い太陽の下、キラキラと明るく輝くものばかりになってしまった。それはそれで色が良く出ていてとても良い…… とも言える。
と言いつつ、いきなりローキー目の艶容な紫陽花写真を貼ってしまう。これは毎年撮る野生の紫陽花なのだが、なぜか薄暗い森の中にあっていつも日が差し込まない。なので快晴の日に撮ってもこうなる。青味が深くてとても格好良い。
せっかくマイクロレンズを持っているのでマクロ撮影もやってみた。咲き始めた額紫陽花の花はグイッと近寄ると虫目線の別の世界が見えてきてかわいい。
これを撮ったのはまだ5月のことで、咲き始めた紫陽花(正確な意味ではまだ花は咲いていない段階)は瑞々しくてシャッキリしていて色も鮮やかだ。紫陽花というと青というイメージがあるが赤もなかなか良い。
ちなみに前ボケバージョンと後ボケバージョンを撮ったがやはり前ボケが好きだ。
何をしに新宿まで行ったのか忘れてしまったが、空き時間に新宿中央公園をブラブラしてきた。まだ紫陽花シーズンの初めの方でポツポツしか咲いていなかったし、雨がしばらく降っていなくて全体的にクタッとしていたが、最盛期にはけっこう良い景色になるのではないかと思われる。
6月になってしばらく経ったある日、地元の紫陽花の名所ながら今まで一度も訪れたことがなかった「旧中川水辺公園」に行ってみた。
それほど広いエリアではないが、期待していたよりもずっと見事な紫陽花畑になっていて、かなり楽しむことが出来た。なるほどこれは人気が出るのも頷ける。
ちょうど見頃のピーク付近だったので多くの人がいた。と言っても、公共交通機関の便はかなり悪いところなので、わざわざ遠方から来る人はおらず、だいたい地元民が多いと思われる。
たまたまかもしれないが、カメラを持っている人も沢山いて、しかも自分のようなおじさんではないクラスタの人々が多いと感じた。モデルさんもいたし、コスプレ系の人もいたし、ジンバルに一眼を搭載した本格動画系の人などなど。若い人が多かった。いろいろと時代は変わってきているのかもしれない。
真っ白なアナベルも見事に群生して高密度で咲いていた。露出が難しい(もちろんRAWまかせ)。
背の高さを超えるような壁になった額紫陽花も高密度で咲いていた。本当の「花」の部分も開花していて「額」の部分は若干色が抜けてきていた。とても良い。
東京スカイツリーと反対側には旧中川にかかる歩道線用の橋「ふれあい橋」がかかっている。印象的なアーチ型になっていて格好良い。遠くに夏の雲が湧いていてどこにピントを合わせるか迷い、色々撮った上にやはりこれも前ボケを選んでしまった。
6月中旬。そろそろ紫陽花シーズンも終わりかけになってきている。隠れた紫陽花の名所、清澄庭園に行ってみた。池の畔はまだ見頃で間に合ったようだ。完全な野生の紫陽花と違って、少なくとも水やりはされていると思われるので、晴天続きの中でも元気そうなのが良い。
ということで、冒頭に書いた通り今年は晴天下の紫陽花ばかり撮っていた。まぁそういうこともあるだろう。また今後チャンスがあるかもしれないし、来シーズン以降であれば確実に雨に濡れた姿はまた再び巡り会えるはずだ。快晴下は快晴下でとても良かったと思う。