北海道ドライブ旅行2022(6日目:旭川〜美瑛〜富良野)

2022-06-17

 前回からの続き。このエントリーでは北海道ドライブ旅行の6日目の様子をまとめておく。この日はとても楽しみにしていたもので、旅の後半のクライマックスでもある。

6日目のルート

 旅の6日目、6月2日 木曜日の移動ルートは↓この地図に引いた紺色の線の通りだ(計画ではなく実績ベース)。

6日目の走行ルート

 この日は旭川を出発し美瑛と富良野を巡って夜はまた旭川に戻ってきたので、マップ上に引いたルートはごちゃごちゃになっている。絶対行くと決めていたのは青い池だけで、それ以外はその時の気分で巡ってきた。

 美瑛も富良野も訪れるのは実は初めてだ。過去に何度か計画はしたことはあって、日程を決めて飛行機もレンタカーもホテルも予約したのに、いろいろ事情があってキャンセルしたこともある。

 このエリアは北海道の中でも特に人気観光地だし、その気になればいつでも行ける……と思いつつも、自分にとってはなぜか「遙かなる美瑛、富良野」だったのだ。そこに308SWを運転していくことになるとは。
 

青い池は本当に青かった

 まず朝一で向かったのは青い池だ。美瑛の中心部より離れていて、十勝岳方面に山を登った先にある。

美瑛青い池 美瑛青い池

美瑛青い池PENTAX K-1 II SE, HD DFA*70-200mmF2.8 ED DC AW(95mm), f5.6, 1/125sec, ISO200
 駐車場に車を止めて徒歩1分。目の前に真っ青な小さな池が現れた。本当にこういうところなんだ!と、想像通り、過去に多くの写真で見てきたとおりの景色であることにむしろ感動する。

 池を取り囲む遊歩道はあまり広くない。さすがにここは無人ということはないが、駐車場の状況含めてかなり空いていた方だと思われる。なので自由に歩き回り写真を撮ることができた。何枚シャッターを切っても同じ写真、それもどこにもあるような写真しか撮れないのだけど、自分のカメラで、自分の手で青い池を撮ったというだけで(今のところは)満足だ。
 

美瑛の青い池Apple iPhone 13 Pro Max(超広角カメラ 13mm相当), f1.8, 1/2700sec, ISO32
 水の青さについて言えば、同じようなところは日本全国他にもわりと多くあると思うが、やはり立ち枯れたカラマツが印象的だ。あとはやっぱり雪の景色を見てみたい気がする。
 

美瑛の白ひげの滝PENTAX K-1 II SE, HD DFA15-30mmF2.8ED SDM WR(15mm), f8.0, 1/200sec, ISO100
 続いて白ひげの滝にやってきた。勝手に勘違いして青い池と白ひげの滝はすぐ横に並んでいるのだと思い込んでいたが、車で移動が必要な程度には離れていた。白ひげの滝の方が上流にあって、白金の温泉街のすぐ横で美瑛川に注ぎ込んでいる。そして奥には大雪山系の雪の残る山々がかなり近い。

 美瑛川の青さはここでも良くわかる。青い池は美瑛川の防災工事でできた人工の池だが、ため池のような役割をして流れがほぼないので水面が穏やかになり、水の青さ(含まれる鉱物による)が際立っている、ということのようだ。

 新緑に囲まれた青い川と滝もとても綺麗だが、やはり雪景色を見てみたい。
 

四季彩の丘と新栄の丘

 来た道を戻り美瑛の中心部へと向かい、「丘」と名前の付いた景観の良さそうなスポットを巡ってみた。

四季彩の丘PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(70mm), f8.0, 1/400sec, ISO100

四季彩の丘 四季彩の丘で売ってたアスパラガス

 夏のハイシーズンには色とりどりの花や植物が植えられる観光農園のようだが、周辺のウネウネした丘に広がる畑が見通せて、イメージの中にある美瑛の景色に近い。畑はまだほとんどが土の状態だが、整然と筋の入ったそのテクスチャもとても美しい。すでに車の車窓から眺めていたものだが、改めてカメラのファインダーを通してみると「ほぉ〜!」っと声に出てしまう。

 駐車場脇の売店を何気なく覗いてみるとアスパラガスやメロンなどの農産物が売っていた。今回の旅では海産物はいろいろ買い込んだし食べてもきたが、農産物はあまり気にしていなかった。ということで、B品と書かれた350円の朝どりアスパラガスを一袋買ってきた。東京に到着するまで2日あるが何とかなるだろう(結論から言うともっと買ってくれば良かったと思っている)。
 

新栄の丘からの眺めと赤い屋根の家 新栄の丘からの眺め

新栄の丘からの眺めと菜の花畑PENTAX K-1 II SE, HD DFA*70-200mmF2.8 ED DC AW(108mm), f2.8, 1/2500sec, ISO100
 少し移動して新栄の丘という展望スポットにやってきた。これも観光用なのかどうか分からないが、一面の黄色い菜の花畑があり、遠くの方まで美しい風景が広がっている。丘の天辺にあるベンチをまたもや独り占めしてしばしボーッとしていた。風が冷たくてとても気持ちいい。
 

美瑛の畑PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(70mm), f8.0, 1/500sec, ISO100
 雲は多いのにその隙間から日が差し込んだりして、むしろちょっと変わった景色が見えているのだが、その良い感じは上手く写真に撮れなかった。でも初めてだし時間も限られていたので仕方がない。またいずれ別の季節、別の天候、別の時間に訪れたい。
 

名前の付けられた木々

 美瑛の観光スポットと言えば「○○の木」と名付けられた場所もたくさんある。映えスポットで美瑛のイメージを代表するものでありながら、一方で観光公害(オーバーツーリズム)の問題も引き起こしていたりもする。とにかく、いずれも公園ではないので木の近くに行こうなどと思ってはいけない。

マイルドセブンの木 クリスマスツリーの木

クリスマスツリーの木PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(24mm), f8.0, 1/1000sec, ISO100
 まずはクリスマスツリーの木とマイルドセブンの木を見に行ってみた。

 逆光だったり夕焼けだったり星空バックだったりという超ドラマチックな瞬間ではないけれども、現場の生の風景はとても良い。またもや「おぉぉ〜 ここは見たことある!」と心の声が滲み出てしまう。新緑の中の姿はとても清々しくて、畑が緑と土色のツートンになっているのも良い。

 マイルドセブンの木では残念ながらにわか雨が降ってくる程度に雲が湧いてしまったけど、クリスマスツリーの木はモクモクした雲の表情もあわせて絶景だった。なるほど、こういう場所なのかー、と納得した。
 

ケンメリの木PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(24mm), f8.0, 1/1000sec, ISO100

ノビタキ 雌 ノビタキ 雄

 続いてケンメリの木にやってきた。「ケンメリ」が何を指しているかは、もしかしたら知らない世代の方が多いのかも知れない。そういう自分もリアタイ世代ではないのだが、気になったら検索して欲しい。

 なお駐車場から歩いて行くと↑こういう風景だったのだが、たぶん本来のビューポイントはここではないのだろうと思う。知らなかったら特に何も思わず通り過ぎてしまいそうだ。そのくらいすでに絶景慣れしてしまった。

 それよりもここでは小さな小鳥が飛び回っていることが気になった。少し雨も降ってきて悩んだのだが、車に戻ってまたもやDFA150-450mmを取り出してみた。そこにいたのはノビタキの雄と雌でカップルのようだ。背後の玉ボケを生み出しているのはケンメリの木の木漏れ日だったりする。雄はケンで雌はメリーと名付けておこう。
 

富良野と言えばファーム富田

 美瑛からさらに南下して富良野方面へと移動した。とりあえずは広大なラベンダー畑や鮮やかすぎる花畑が有名なファーム富田にやってきた。

ラベンダーソフト ファーム富田 キンギョソウ

ファーム富田PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(24mm), f9.0, 1/400sec, ISO100
 もちろんシーズンではないことは分かってのことだ。全体的に7月にならないと典型的なファーム富田の絶景は見られない。それでも、まだ花の咲いていない綺麗に整備された畑の風景も清々しくてとても良い。とても空いているし駐車場代も入場料もないので、とりあえず訪れて損はなにもない。

 なお写真に写っている紫色の花はラベンダーではなくてルピナスという花だ。ラベンダー畑も一応見てきたが一面の緑だった。紫色に染まるにはまだ1ヶ月以上かかるらしい。咲いた風景を想像しながらラベンダーソフトを食べてきた。
 

カンパーナ六花亭でお菓子を買いまくる

 さらに南下し富良野の中心部近くまでやってきた。目指すは西の山沿い斜面にあるカンパーナ六花亭というブドウ畑だ。もちろん六花亭というのは北海道土産で定番のあの六花亭ことで、カフェ併設の売店もちゃんとある。

カンパーナ六花亭のブドウ畑PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(38mm), f8.0, 1/320sec, ISO100

カンパーナ六花亭 カンパーナ六花亭の十勝御強

 帯広には六花亭の本店があって、一応初日に行ってみたのだがすでに閉店した後だった。もちろん六花亭の定番お菓子はどこでも買おうと思えば買えるのだが、せっかく帯広や富良野に行くからには六花亭の直売店で買いたい、と思っていた。せっかくの車だし、山盛り気になるお菓子を買っていくことにする。賞味期限や食べきれるかどうかはあまり考えなかった。きっと何とかなる(実際なってる)。

 買い物の後、併設のカフェでコーヒーでも飲んでちょっと一休みしようと思ったのだが(営業していた!)、メニューを見ているうちに「十勝御強」なるものが気になってきた。そう言えば売店にも御強が売っていたような。そう、六花亭はお菓子だけでなくここでワインも作っているし、御強などの冷凍食品も作っているようだ。

 これが超美味い。美味すぎて変な時間だったのにがっつり食事してしまった。なお六花亭ブランドの直営店だし、観光地価格でバカ高いかと思えば全くそんなことない。東京で普段食べるランチのよりもよほど安かった。
 

昭和の名作ドラマ「北の国から」のロケ地巡り

 「富良野」という地名を聞くとうっすらと「麓郷」という地名を一緒に思い出すことがある。同世代の人なら分かってくれるだろうか? ということで「北の国から」の舞台となっていた麓郷に行ってみようと思い立った。

 地図で確認してみると意外に富良野の市街地からは離れていてかなり山奥のようだ。そうかこんな場所だったのか…… という思いは実にドラマの放送から約40年越しとなる。

「北の国から」ロケ地 黒板五郎の最初の家

黒板五郎の石の家PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(24mm), f9.0, 1/400sec, ISO100
 ロケ地は麓郷の各所に点在しているのだが、一番山奥にあったのが「五郎の石の家」と「最初の家」だ。最初の家の方は移築というか復元したものらしく、周囲の風景がドラマの中とかなり異なっている。その他にログハウスなどもあってそれぞれ見学してきた。

 建物の中も小物類含めてドラマの中の世界観そのままに保存されてる。自由に入って見学できるし写真も動画も撮り放題なのだが「室内の写真や動画はネットにアップロードして使用しないように」とのことだったので、ここには外観写真だけ貼っておく。

 なお自分にとっては実はそれぞれのロケ地とドラマ内のシーンとの関係など細かいことは何も覚えていないのだけど、「富良野」とか「北海道の田舎」というイメージの原体験は、テレビを通して通して見ていたこのドラマの中にあったことは間違いない、という自覚がある。だから、細部を知らないのに、一方でなんだかとても懐かしいものを見たな、という心地よさがあってとても満足した。

 その後ログハウスなどを見ているうちに急に雨脚が強くなり、ほぼ土砂降りになってきてしまった。その雨は旭川に戻るに従ってさらに強くなりホテルに着く頃には前が見えないくらいだった。雨雲レーダーを見ると旭川から美瑛、富良野をすっぽり覆うような縦長の雨雲が発生している、通り雨のようだがちょっと外を歩き回れる状態じゃないので、予定よりも早く富良野観光を切り上げてしまった。まぁ仕方がない。また次回を楽しみにしたいと思う。
 

旭川ラーメンを食べる

 夕立が上がった頃に食事に出かけた。北海道泊最後の夜となるのだがこの日はラーメンと決めていた。旭川にはいろいろと有名なラーメン店があるが、まずは基本を押さえようと言うことで、超有名店の「山頭火」を目指した。

山頭火 旭川本店 サッポロクラシック 夏の爽快

山頭火の塩ラーメンRICOH GR3, f4.5, 1/40sec, ISO320
 Googleマップに従って店の前までたどりついてみると、暖簾は出ておらず灯りもついておらずどう見ても営業していない!またか!

 と思ったら、どうやらお店は最近移転したらしく、新店舗への地図と案内がちゃんと貼ってあった。あぁ良かった……。

 辛味噌も気になったのだが、ここはひとつベーシックで行こうと思い塩ラーメンを頼んだ。これが美味い。本当に美味い。ラーメンは滅多にスープまで飲み干さない(飲み干せない)のだが、このラーメンは麺も具も欠片も残さず、スープも全部飲み切った。

 そしてホテルの部屋に戻って途中のセイコーマートで買ってきたサッポロクラシック夏の爽快の500ml缶で乾杯し、北海道の旅2022の最後の夜は更けていく。

 明日は基本的に帰路につくための移動日なのだが、時間はあるのでどこかに立ち寄れたら立ち寄りたい。でも疲れもかなり出てきているので無理はしないことにする。

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